人の手では扱えない高温のお湯で汚れを落とし、乾燥までやってくれる食器洗い乾燥機。初期投資は必要なものの、知り合いの奥様たちもこぞって「買って後悔しない」と口を揃える時短家電だ。

ご存じの方も多いとは思うが、食洗機には専用の洗剤を使う。たとえ少量でも、手洗い用の洗剤を投入することは厳禁とされている。大量の泡が発生して洗えないことに加え、故障の原因になるからだ。


・洗剤を買おう!

ある日のこと。愛用の洗剤を使い切った筆者は、新しいものを買いに量販店に走った。


パッケージを頼りに「うちで使ってるのはこれだな」と迷いなく購入して帰宅。環境に配慮して、詰め替え用の大容量タイプだ。家計にも優しいし、「いいことしてる」感があってホクホクである。さっそく容器に移し替えようとしたところ……

筆者が買ってきたのはライオンの「クリスタ」! 一方、家で筆者の帰りを待っていたのは花王「キュキュット」の空ボトルじゃないか!

しまった、間違えた! 洗えればどのメーカーでもいいのだが、容器が使えない!

容器をきれいに洗ったら、成分的には大丈夫なのかもしれないが、ワンプッシュで適量が出てくる設計だ。適量は各社で違うだろう。くうっ……買い直しだ。

買ったものを使い切るまでは、しばらく「クリスタ」に乗り換えよう。容器だけ欲しいがそれは無理なので、通常ボトルを1本買うことにする。というわけで数日後、別の量販店に行ってきた。

あ、ちょっと容器がスリムなんだな。中央がくびれたデザインで握りやすい。



では改めて……


………………


………………


………………


あっ、これ「キュキュット」じゃん!!!! ボトルが細いと思ったのは、単なるリニューアル!


うちにあるのはク…リ…ス…タ…………


・言い訳させて欲しい

悪いのは完全に筆者だ。バカとしか言いようがない。しかし、しかし、言い訳をさせて欲しい……!

洗剤、サニタリー用品、粘着シート、ウェットティッシュなどの日用品を購入するとき、我々が頼りにするのはパッケージである。

シャンプーなどこだわりをもって購入しているものは別だが、たとえば風呂掃除用の洗剤を問われて「○○社の□□です」と即答できる人がどれだけいるだろうか。しかも同じメーカーでも○○の香り、○○プラス、○○強化などいろいろなバージョンがある。

もちろん現物を見れば識別できるが、普段の筆者は「黄色くてスプレーになってるやつ」という程度の認識だ。

そこにきて今回の食洗機用洗剤である。この両者、双子のようにそっくりではないだろうか?

コバルトブルーの下地に、水流が丸く円を描いているデザイン。ロゴがシルバーであるところも似ている。

かたやスイートオレンジの香り、かたやシトラスの香りと、柑橘系のフルーツを連想させることも一緒。しかし花王とライオンで、まったく違う商品なのである。

両社とも「洗剤のイメージって、シャボンでクリーンでリフレッシングって感じ? 水も使うし、やっぱ青じゃね?」と思ったに違いない。

わかるよ。チャコールグレーとかチョコレートブラウンとかにしたら売れないよね。「逆に汚くなる」って思っちゃうもんね。

でもいまは、そういう「生活に溶け込む」デザインも人気なんじゃないかな。アースカラーとかさ。

なんなら平等に片方はオーキッドピンク、片方はロイヤルパープルに同時にリニューアルするのはどうだろう、ねぇ……?


・ええ、悪いのは自分です

リフィルのメリットは容器を無駄にせず何度も使えるところだが、逆に致命的な欠点は容器がないと詰むところ。

同じ間違いを繰り返しそうなので、キュキュットを使い終わっても容器は捨てず、常に2種類のボトルをキープしておこうと思う。

こんなことをするのは筆者くらいだとは思うが、みなさん、詰め替え用の洗剤にはご注意を……とほほ……


執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.