ボウリング場に行ったら、尋常じゃなく上手な人をまれに見かける。淡々とカーブボールを投げる人の多くは利き手にサポート器具。使用に関する細かいルールは分からないけれど、装着しているとやはり投げやすいのだと思われる。

一体、どれくらいスコアは伸びるものなんだろう。一度でいいからつけてみたいなぁ〜とボウリング好きの端くれとして思っていたが、なかなか機会がなく今の今まで未体験のままでいた。しかし、ようやく時は来た!

・ボウリングスペック

先日、人生初のソロボウリングをやってみたことで周りを気にせず、自由にプレイすることができた。ここでいつかは試してみたかった「リスタイ」を装備してボウリングをやってみたワケだ。

ただ、いきなりガチ感のある高額のものを買ってロースコアだと恥ずかしすぎるので、Amazonで売っていた「スーパーリスト(1824円)」なる商品でお試ししてみることにした。

ちなみに私のボウリングスペックを簡単に説明しておくと、レベル的には一般人の中だと上手なほう……だと思う。一時期、週5ペースでボウリング場に通っていたことがあって、自己ベストは奇跡的に240ちょいを一度だけ記録したことがある。

久しぶりに投げることを差し引くと、とりあえず150……いや、欲を出して180くらい出したいところだ。もしリスタイをつけて200を超えようものなら、使用効果はあると言っていいだろう。


・まずは普通に投げてみる

検証の舞台は東京都新宿区の高田馬場BIGBOX内にある高田馬場グランドボウル。腕の疲れなども考慮して、リスタイありなしを1ゲームずつ交互にやっていくことにした。それでは、普通に(リスタイなし)投げてどれくらいスコアが出るのかから確かめていこう。

物差しとなる1ゲーム目。緊張からか一投目で1本しか倒せず、いきなり企画倒れがチラつくスタートになったが……

久しぶりとはいえ、体が覚えていてダブルを記録して立て直す。それからスペアとストライクを重ね、順調にスコアを伸ばしていきつつ……

途中、痛恨のファールラインを越えてしまう大失態を犯すも、結果は144とまずまずの滑り出し。ストライク4回とれたし及第点!

続けてリスタイを装着して投げてみよう。手首が程よく固定されるため暴投する確率は低そうな気がするが、一投目からストライクで出だし好調。そこからスペアも着実に仕留めつつ……

スコアを伸ばしていった結果は……


162!!


数字だけ見ると大きく変わらず……ていうか、むしろストライクが2回に減ったけど、個人的に一投目の失投率の低さを実感した。リスタイなしだと一投目で「6本」「7本」といったように初手でミスしていたのが、一度「8本」があっただけで他は「9本」と抜群の安定感。これって……効果あったか!?


・第2ラウンド

ここで結論を出すにはまだ早いので運命の2ターン目へ。ここにきて右腕が悲鳴を上げ始めて本来の投球ができなくなってきたが、リスタイを外して投げていこう。今度は1フレームからストライクとスタートダッシュに成功させ、スペア、さらにストライクと重ねていく。こりゃ相当いくな……!!

そう思いきや、ボウリングはそんなに簡単なものじゃなく結果は156。疲れもあるだろうが、明らかに失投が目立ち始めた。そしてやはり、さっきのリスタイありよりも一投目での失投が多い。

満身創痍のなか、再びリスタイを装着して4ゲームへ。ここでもし失投を減らせたら、効果が出ていると言ってもいいだろう。腕と指、さらには今まで経験したことない右足の親指が痛み始め、何なら持病の腰痛も痛くなってきただけに……

生まれたての子羊みたいに全身をプルプル震わせながらの投球となって、結果は136と今日イチのダメスコア。一度ダブルを出すも、イマイチな数字となってしまった。


──以上で4ゲームを終了。リスタイありなしそれぞれ2ゲームずつやったが、合算した差はたった2本でリスタイなしの方がわずかながら勝っていた。まぁ、リスタイの種類にもよるだろうし、試行回数が少ないため何とも言えない部分ではある。

・練習すれば伸びるはず

ただ、数字の現実を知った一方でリスタイに希望を見た自分がいた。これは昔から把握していることなのだが、私は投げた直後に手首を逆方向に回してしまう悪癖がある。つまり、セオリーとは逆の回転でヘッドピンへとボールを投げている。

本来ならば野球のスライダーみたいに軌道を描いてヘッドピン(1番手前のピン)へと入るのが理想と分かりつつも、どうしても修正できずにここまで来てしまった。リスタイをつけていても大いに悪癖が爆発した……とはいえ、なんだか矯正されているような気になったのだ。

現に4ゲーム目の途中からクセが出ないよう意識したら、幾分か体の疲れが軽減されてスンナリ投げられたような感覚を得た。安定感も増しているため、ボウリングにおいて手首は重要なポイントだと実感した。

リスタイをしたら絶対にスコアがよくなるとは言い切れないが、フォームを安定させたい人や染み付いたクセを矯正したい人は試してみる価値あり。手首が固定されていることでブレにくいのは確かだから、より高みを目指せるはず。

冒頭でも述べたように詳しいルールは分からないけれど、リスタイは個人で学ぶ分だと有能なアイテムになると思われる。しかも、今は手頃な値段で手に入るから興味があるなら一度使ってみるといいだろう。2000円弱で上手になるなら安い買い物だ。

参考リンク:Amazon「(ABS) スーパーリスト ボウリング用品」
撮影協力:BIGBOX高田馬場高田馬場グランドボウル
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼今回のストライク集


▼ちなみにカーブもやってみたけど、今回使ったリスタイだと違いはよく分からなかった。むしろうまくボールを持てずに片手で投げられず(笑)


▼ここの風が好き