1年にわたって続くコロナ禍、大勢の人が口を開けて声を張る、合唱やカラオケのリスクが指摘されて久しい。とはいえ、ストレス発散に声を出したい! 思いきり歌いたい! と悶々としている人も多いだろう。筆者は思いついてしまった。

たぶん知っている人は知っている、Nintendo Switch(以下スイッチ)にはJOYSOUNDのカラオケサービスがある。これを使えば、1人カラオケできるんじゃないか?


・『カラオケJOYSOUND for Nintendo Switch』

ソフトのダウンロードは無料。期間券(利用券)と呼ばれるチケットを購入して曲データを利用する方式だ。それがなんと3時間330円からで、思い立ったときだけ利用できる便利さなのだ。

必要なものは外付けマイクと、TVモードにする必要があるのでモニターかテレビ。マイクは任天堂から純正品が販売されているほか、筆者の環境では海外メーカーの廉価品も認識した(しない場合もあるようなので自己責任で)。

ただ、気になるのは「音」ではないだろうか。テレビから出る音はもちろん、マイクを通した声を、周囲を気にせず響かせられる家はそうそうないと思う。ならば、防音性に優れた「車」で歌えばいいんじゃないの?


・セッティング

過去記事にも書いたが筆者の愛車はキャンピングカーで、内部にインバータやサブバッテリー、室内灯、暖房設備などがある。車内設備を活用してセッティングしてみよう。

必要なものはこうなる。まずスイッチ本体をつなぐ100Vコンセント。マイク、モニターはスイッチからUSB給電。もし普通車での車中泊やキャンプに興味がおありなら、ポータブルバッテリーがあると車内に電源を確保できるぞ。

あと、JOYSOUNDは通信で曲データを入手するので、Wi-Fiルーターなどインターネット接続できるもの。筆者は普段からモバイルルーターなので、車内に持ち込むだけ。

スマホに『カラオケ予約 – キョクナビJOYSOUND』アプリを入れるとリモコン代わりになる。選曲や予約が手元でできるようになって便利。QRコードを読ませてスイッチと紐づける。

目隠しになるカーテン。田舎なので近所迷惑になるような立地ではないが、たぶん防音にもなるだろう。


・歌ってみよう

ではスタート! インターネット経由でランキングも見られるので有名な歌はすぐに探せる。

カラオケ店のように背景映像が流れるのだが、おや、どこかで見たことがある風景が……。これは名作と名高いが、筆者には少年少女のピュアさが恥ずかしすぎて鼻血を噴きそうになったボーイ・ミーツ・ガールRPGじゃないか?


そして……


ええっっっ!!??


は、は、は、腹が痛い!! シリアスな歌詞を無視して背景で暴れまくる愉快な仲間たち。これじゃ、う、歌えなっ……!

設定で変更できた。デフォルトでは任天堂の仲間たちが登場する「スペシャルムービー」になっているから注意(いや、それも楽しいかもしれないが……)。

カラオケ店のようなドラマ仕立ての「カラオケムービー」にもできるし、幾何学的なCGが表示される「ビジュアライザー」にもできる。個人的には無機質なビジュアライザーが1番歌いやすい。

気持ちを落ち着けるためにランチにしよう。さすがにドリンクバーやルームサービスとはいかないが、冷凍ピザを用意した。ちなみに電子レンジを搭載しているキャンピングカーであれば車内で作れる。筆者の車にはないので、自宅からデリバリーした。調理も配達員も自分だ。


・気を取り直して……

気を取り直して歌ってみよう。正直にいって……最初は恥ずかしかった。誰も見ちゃいないが「なにしてんだ、自分」と思わなくもないし、通りがかった人に聞こえるかもしれない。


けれど、1度タガが外れて大声を出せるようになると……


ナニコレ気持ちいい!!


コロナ禍に突入して以来、1人で在宅していることが多く、カラオケはもちろんライブやスポーツ観戦やテーマパークで大声を出すこともない。腹から声を出すのがこんなに気持ちいいなんて……。

筆者は歌いまくった。JOYSOUNDのシステムなので、曲数は文句なしに豊富。なんと15万曲以上あるという。歌手別や年代別に歌を探せるし、キーの上げ下げも自由自在。ガイドボーカルがつく曲なら、よく知らなくても歌える。


…………

…………

…………


1時間後、急に限界がきた。そもそも1人カラオケは、交代する人がいないから疲労が早い。とはいえ思った以上に体力が落ちている……! 3時間のチケットを使い切れずに終わってしまった。ただし満足感はハンパない。


・超オススメ

車カラオケ、控えめにいって最高だ。たった330円で、ものすごいリフレッシュになる。小型のポータブルモニターはたくさん売られているし、後席用のリアモニターをつけている車もあるだろうから、課題はスイッチ本体の電源確保だ。

ストレスがたまったら、またやろうと思っている。筆者は音痴なのでやらないが、採点機能もあるぞ。間違いない、これがコロナ時代1人カラオケの決定版だ!!


参考リンク:カラオケJOYSOUND for Nintendo Switch
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.