善意。それは時として悪意よりもタチが悪い。特に、サプライズプレゼントやフラッシュモブなんかを仕込んで喜ばせようという「善意」にいたっては、“取り扱い注意” の危険な代物と言っても差し支えないのではないか。

──と、私が思ってしまうのは、たった今LINEが仕込んだ「善意」に気づいて言葉を失ったからにほかならない。何があったのか、以下で紹介していこうと思う。

・妻と晩ごはんのやり取り中に

それは、妻と晩ごはんについてのやり取りをしていたときのこと。妻が送って来た画像を見て、私は狂喜していた。その日の晩ごはんは私の大好物だと判明したからである。家に帰り、自分の好きな料理が用意されていること以上の幸せはない。

テンションの上がった私は、「俺の分をちゃんと残しておいてくれ! もうすぐ会社でるから」という意味を込めて、こう返信した。



「俺が大好きなヤツ……。それ、プリーズ。もうすぐ出る」


どこのご家庭でもあるかと思うが、「晩ごはんこれ → ええやん」というだけのやり取りだ。いってみれば、業務連絡である。だがしかし、私が返信した直後、LINEでは……!



いきなり画面が暗くなり……



ド派手なハートが出てきたのだ。


……


……


……


LINE何しとんねん!


いらんねん、そんなん!


ただの業務連絡やぞ!


やめろや!!


・何があったのか?

なぜド派手なハートが出てきたのか? 勘の良い読者はお気づきかと思うが、説明しよう。原因は、いわゆるLINEのサプライズエフェクト。特定の文言を送信すると自動でエフェクトがかかる機能が、発動したのである。

調べてみたところ、やはりLINEはバレンタインに向けてサプライズを仕込んでいたようだ。なんでも「バレンタイン」「Valentine」「大好き」の言葉を入力すると同じような表示が出るようになっているらしい。


ただし、自動で出る反面、前後の状況は完全に無視される。空気は読まないけれどサプライズする気は満々というややこしい仕様である。ちなみに、このエフェクトはAndroidで表示されないようだ。見られるのはiPhoneとPCで、対象OSはiOS 9.15.0以上、 PC版LINEは5.13.0以上とのこと。

・他にもエフェクトが

もう1つ言うと、ハートが出るド派手なエフェクトの他に、寂しいイラストの「バレンタイン応援エフェクト」なるものも用意されているらしい。


応援エフェクトのキーワードは「つらみ」のみが明かされているが、残りは不明。これもまさに応援しようという善意が……と言いたいところだが、使いようかもしれない。

もしかしたら、自分の気になる相手に「隠しキーワードを見つけたいから協力して」と言って自分の気持ちを送ると、キーワード探しという体(てい)から関係が発展する……可能性はゼロではないだろう。

ただし、相手から「つらみ」と返される可能性もあるので、そのへんは自己責任で。

Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:LINE(iOS)