新年2日。福袋を購入するため渋谷へと出かけた私は、109内に『メルカリ POP UP』なるブースが誕生しているのを見つけた。メルカリといえば有名な ”フリマアプリ” ……であるとは知りつつも、利用経験がないという人は私の他にも多いのではないだろうか。

きけば正月の期間限定で、なんと『福袋の不用品をその場でメルカリに出品できるブース』を開設しているとのこと。合理化もついに来るとこまで来たようだ。「アカウントを持っていない」とメルカリの人に甘えてみたら、やり方から “売れるコツ” まで教えてくれたぞ!

・福袋の残骸

当サイトの風物詩となっている正月の福袋開封企画。今年もギャル服部門を攻めに攻めたレイちゃんから、余った服を譲り受けた私は再び渋谷109を訪れた。

1月5日の109は、3日前の狂乱ぶりが嘘のように平常を取り戻している。

今回お世話になるのは「メルカリ POP UP」の須藤さん

さっそくレイちゃん着用『EGOISTのコート』を出品してみるぞ!



ギャルに人気のEGOIST。さらにグレーのチェック柄とくれば使い勝手もよさそうで期待大☆

ブース内の撮影コーナーはスポットライト中央にハンガーが置かれており、そのまま服を撮影できるしくみだ。とっても簡単! と思いきや、これが意外と奥深く……。


・鬼教官あらわる


須藤さん「コートは丈が長いので、もっと上から掛けたほうがいいでしょうね」



須藤さん「ボタンも留めましょうか」



須藤さん「シワを伸ばして」


……なるほどですね! 同じ服とはいえ写り方が大切。須藤さん指導のもと整えてみれば、コートはグッと高そうに見えてきた。さっそくパシャリ☆



須藤さん「買う人としては裏側も見たいでしょうね」



須藤さん「ストップ!」



須藤さん「シワをのばして」



須藤さん「内側も気になるんじゃないですかね」



須藤さん「タグが付いているならアピールしときましょうか」


・慣れるしかない

須藤さんはノリの良さそうなルックスに対し、仕事にはチョッピリ厳しめであった。当たり前のことだが、画像のみを見て商品を購入するしかないという、相手の立場になって撮影を行うことが大事なようだ。

商品によって “魅せかた” が違うのだと教えてくれる須藤さん。

タグや値札は当然ながら……

小物は見やすいよう全体に照明を当てたり……

着丈を分かりやすく明記したり……

可能であれば着用ショットを載せるのも効果的らしい!

1つの出品につき画像は10枚まで載せられる。ということは、様々なショットを載せたほうがいいのは当然だ。さらに説明文を詳細に書くことが、売り上げに大きく影響するとのこと。


・タイミングが重要だぞ

出品するタイミングも売り上げを左右するポイントであるらしい。須藤さんによると「平日は夕方が狙い目」。会社員が帰宅途中の電車内でアプリを見たりするから、というのが理由だ。対して週末はお昼過ぎからアクセスが伸びるってよ!

また、常連出品者の中には「週末値下げセール」を独自に行う猛者もいるのだとか。フリマアプリの価格はそもそも出品者が独自に設定したもの。値下げも何もあったものじゃないが、文中に「週末500円値下げ中!」とか入れてみるのは効果的なんだとか。人間の心理を突く作戦なワケだな。

メルカリ利用者は月間約1450万人。「ビックリするようなモノが売れた」という話を耳にすることも多い。慣れれば自分なりの戦術を立てることも可能なのだろうが、ひとまずは今回の話を参考にすれば、大失敗は避けられるハズだ。


・ライターとしての真価が問われている

須藤さんのアドバイスで意外だったのが「 “福袋で使用しない商品だから出品した” と正直に明記したほうがいい」というもの。ただでさえ “売れ残り” というイメージがある福袋の、さらに残りと言われれば購買意欲が落ちそうに感じられるけど……?


須藤さん「福袋関連の商品は今メチャクチャ売れています。大きな理由に “一番検索しやすいワードが『福袋』だから” ということが挙げられます。サイズが合わなかった等、ちゃんと理由を明記すればむしろプラスの要因になるんです」


なるほど。確かに自分の好みに合わなかった服も、他の人にとってはまた違うワケで。そこはアピールの仕方ひとつ。「ウデのみせどころ」ということか。

そして最後に、須藤さんは衝撃的すぎるアドバイスを私に投げかけたのだ。


須藤さん「 “こういうふうにコーディネートしたらいいんじゃないか” という自分なりの考えを、説明文に加えてみるといいですよ」


な、な、なんですって……!? つまり「赤の他人のファッションアドバイス」ってことだよね? それ、いる? 「このコートはワンピに合わせると今風☆」とか書くの? 私が? 怒られそうな気がするんですけど……?


いやいや……待てよ。名も知らぬショップ店員の「それ、カワイイですよね」の一言で、私はこれまで何百着もの服を購入してきた。すなわち、たとえ他人であろうとも、人は誰かのファッションアドバイスが欲しいものなのではないか。

メルカリで売るコツの中に「文章力」と「ファッションセンス」が含まれていたことは大きな衝撃である。そして仮にも私はもの書きの端くれだ。「売れる紹介文」……書いてやろうじゃねぇか……。


結果は続報を待たれよ!!!!

Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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▼魅せ方って大事〜!