月間利用者1450万人の巨大フリマアプリ『メルカリ』。メルカリの人にきいた「売れるコツ」については、以前の記事でお伝えした通りだ。今回はその教えにしたがって、福袋の不用品をゼニに替えようというエコな企画をお送りしたい。

……とはいえ私はメルカリどころか、ネットオークションさえ利用したことのない昭和生まれ。アプリの使い方を教えてもらったけれど、一番恐ろしいのは『不測の事態』に他ならないワケで。

売買は相手があってこそのもの。クレーマーや詐欺師に遭遇してしまったとしたら、素人の私など身ぐるみはがされる可能性だってある。怖い。めんどくさい。やめたい。……でもそんな弱い自分を捨てて、おトクに生きてゆきたいんだっ……!

・重要すぎる『説明文』

私のメルカリ師匠こと『メルカリ POP UP』の須藤さんによれば、「自分なりの考えを説明文に加えてみるといい」とのこと。



ライターが記事を書く上で「自分の考えをゴリ押しすること」はご法度とされる。しかし私は師匠の教えに従って今回、あえてその殻を破ってみることにした。商品の説明文中にこれでもか! と、自分の意見を書き込んだのだ。


そしてようやく完成した『EGOISTのコート』の説明文が……コレだ!


「2020年お正月・エゴイストの福袋に入っていた、白×チェックのコートです。遠目にはグレーっぽく見えます。クセのない形と柄なのでどんなスタイルにも合わせやすい! ハイネックのインナーと相性バッチリです。1度だけ室内で試着。ひざ上くらいの丈。体重68kgの大柄な女性でもかわいく着こなせました☆秋〜春ごろまで活躍しそう。新品・未使用・タグ付き。定価は14980円(税抜)と記載あり。個人的にとってもオススメです♪


……お分かりだろうか? 『商品の説明』であるはずの文中に、4つの “勝手な意見” が書き込まれていることを。


①「遠目にはグレーっぽく見えます」 → 光の加減による

②「どんなスタイルにも合わせやすい」 → 着る人による

③「ハイネックのインナーと相性バッチリ」 → 好みによる

④「かわいく着こなせました」 → 見る人による


あとから「かわいくなかったぞ!」とか言われたらどうしよう? という不安がよぎるのは確か。でもメルカリ師匠の言葉を思い出すんだ……。


自分なりの考えを加えてみるといいですよ


さらに『 “福袋” というワードを入れる』『画像は多く』『サイズ感はなるべく詳細に』というポイントもクリア。「着用ショットが効果的」とのアドバイスにも従い、今回出品するコートの提供者であるレイちゃんの福袋記事から情報と画像を拝借しておいた。

……さあ、これでぬかりはないはずだ。価格は「4980円」に設定し、激アツだという「平日の夕方」にいざ……出品ボタンポチィィィィ!!!!


・目覚めれば……


全身全霊で出品したコートは即落札! ……と、ならなかった。

ゴールデンタイムを過ぎてもアプリの表示に変化はなし。悲しいかな夜が明けても、落札された形跡はない。


こうなるとまず考えられるのは “価格が高すぎる” 可能性だ。「定価1万4980円のコートが、1万1000円の福袋のメインだった」となれば、いくらを相場とするかは難しい。そこで私が設定金額を『4980円』としたのには理由がある。

メルカリのアプリにはブランド名など商品情報を入力すると、自動で『売れやすい価格帯』が表示されるのである。今回の場合は『4590〜7910円』。それを参考に導き出した『4980円』だったのだが……ちょっと高い気もしてきたなァ。

そこで私は一気に2000円の大幅値下げを敢行してみた。メルカリ師匠の言いつけどおり、説明文中に「2000円値下げ中」と追記しアピール!


さらには、アプリの『お知らせ』欄に気になる通知を発見した。


「5品出品すると売れる確率が約80%まで上がるというデータがあります」


「多く出品したら売れる」というカラクリを理解できないのは、私がメルカリ初心者だからだろうか? ……とはいえこのまま待っていても時間は無情に過ぎるだけだ。メルカリさんがそう言うのなら、信じてみるしかないではないか。

私は新たに出品することを決意。メルカリ師匠の助言を思い出しつつ様々な角度から撮影だ。


……すると出品したそばから商品に対し、SNSみたいに「いいね」が付き始めたぞ! この「いいね」が何を意味するのかは知らないが、おそらく悪い流れではないハズ。


そして出品数が4アイテムにまで増えたとき……



キタァ!!!!


「あと500円下がれば購入したい」というコメントがついた! 答えはこうだ!


私「OKです! 値下げするのでよろしくお願い致します」


・キタキタァ!

私は1秒で値下げを敢行。こういう時にケチケチすると運の流れが悪くなるからね! 待つこと数分……よしっ、入札キタ!


ギャァァ! ついでにもう1コのコートも売れてるゥゥゥ!!!!


・みんないい人

これまたレイちゃんに提供いただいた『マーキュリーデュオのコート』は、出品からものの1時間ほどで落札されていた。

落札者とはチャットで少しやりとりしたが、できればメル友になりたいくらい礼儀正しく人間味のある方だ。このような相手には「誠心誠意の対応をしたい」と心から思えるもの。

さっそく人生初の梱包作業を済ませ……

はやる気持ちを抑えようともせず、事務所を飛び出した私は……

スキップで……

最寄りのファミマへ!(セブンイレブンでもOK)


・メチャ簡単

メルペイのアプリに表示された手順どおりにコンビニの端末を操作すると、よほどの機械オンチでない限りは簡単に発送手続きが行えるしくみである。

発行された伝票を持ってレジへ行くと、お店の人も慣れたものでテキパキと処理してくれる。よく分からないが言われる通りにしておけばOKだ。

発送方法を『らくらくメルカリ便』にしておけば、その場で送料を支払う必要はないらしい。相手の住所や名前も分からないシステムって……すげぇ安心だな!

あとはアプリで「発送しましたよ」のボタンを押せば完了だ!


・ちなみに……

発送を終えアプリの通知に目をやると、エゴイストのコートを落札した方よりメッセージが来ていた。そこには衝撃の内容が記されていたのだ……


「ネットでEGOISTの福袋の中身で検索すると、亀沢様のページが出てきて、失礼ながら笑いながら読ませていただきました(笑)」


……どういうことか話を整理しよう。つまり落札者はコートを落札後、偶然にも当サイトの「EGOISTの福袋記事」を発見。出品画面と記事の画像とが同じだったので、落札したのが記事にあるコートと同一のものだと判断した。そう考えて間違いないだろう。

ここで問題になるのが「亀沢様の記事」という点である。なぜならEGOISTの福袋記事を執筆したのは私ではなく、GO羽鳥(レイちゃん)その人なのだから。

つまり「亀沢郁奈」という、女性とおぼしき出品者の名前を見た落札者は、画像の人物(レイちゃん)を亀沢さんだと思い込んだ、ということになる。するってぇと……

「レイちゃんが女性にしか見えなかった」ということになるッ……!


・みんなハッピー!

不用品が売れたのももちろんだが、メルカリ初心者の私にとって「落札者と心温まる交流ができた」ということが、今回何よりも嬉しかった。落札者の方々も喜んでくれたようだし、いいことづくめである。

また個人的には見慣れすぎて何も感じなくなっていたレイちゃんだが、はたから見ればとても女性らしく見えるという事実が判明したのも新鮮な驚きだ。本人に伝えておこう。

お菓子のオマケやジャンク品、果ては自宅で採れた野菜まで、メルカリにはあらゆるものが出品されている。売るも買うも、極めれば相当おトクに生きていけそうだ。二の足を踏んでいる人よ、今年こそチャレンジすべし!

Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼109でもらったメルカリの『売れる福袋』には……

▼そのまま送れる梱包資材がたくさん入っていたが……

▼今回はサイズオーバー! 送料をどう安くするかがメルカリ勝者への壁だ