そいつはショーケースの中で異彩を放っていた。場所は伊勢丹新宿店の地下1F。周りにはいかにも美味そうなヤツらが並ぶ中、その一角だけ空気感が違う……ような気も。理由は単純に、そのパンが黒いから。マジで黒い。容赦のない墨汁的黒。

見た目の感想を率直に言わせてもらうならば、「食欲は全くそそられない」の一言に尽きるが、逆に気になってくる。「ショーケースという限られたスペースの中で漆黒パンをあえて並べるということは、それだけ味に自信があるってことじゃないか?」と。

なお正式名称は「藍墨〜Aisumi〜」といい、私が見つけた時の価格は1斤1059円(税込)。ご覧の通り、決して安くはない。普段ならば絶対に手を出す品ではないが、「伊勢丹限定」の文字に惹かれて購入してみることに。そしたら……


もうね、開封した時点で圧倒的。何がって、黒ゴマの香ばしさよ。これが、フワ〜〜〜〜〜〜。まぁ、黒さの正体は竹炭と黒ゴマだというから、黒ゴマの香りがするのは当然といえば当然だけど……こいつが小麦の香りと相まって、食欲のど真ん中を刺激してくる。


「これ絶対に美味いヤツ」──食べる前からそう確信したが、もしかしたらマズいかもしれない。確認すべく、ひと切れつまんで口の中に入れてみたら……黒ゴマの存在感がすごい。しかし、黒ゴマはただ単に「俺が俺が」と自己主張しているだけじゃない。その風味が小麦の甘さと合わさって、味に深みをもたらしているような気がする。

おまけに食感もフワッッッッッフワで、そのまま食べてもめちゃくちゃに美味いぞ、これ。


・圧倒的KO劇

実は今回、食べ比べのためにセブンイレブンの「金の食パン」を買っていたものの、黒が圧倒的すぎて「金の食パン」に悪いことしたと思ったくらい。「金の食パン」だって決して悪い食パンじゃない。むしろ、普通に美味しいと思うけれど、今回ばかりは相手が悪すぎた。


香りも食感も味も、全て黒が圧勝……というか、勝負にならなかったように思う。これは私だけの感想じゃなく、ディズニーマニアの田代大一朗も同じようなことを言っていたと付け加えておきたい。


ちなみに、その黒食パンを買ったのは『POINT ET LIGNE』(ポワン エ リーニュ)というお店。調べると、新宿伊勢丹には期間限定で出店しているようで、期限はなんと12月10日まで!

「10日までじゃあ今回は買えないなぁ」という人だっていることだろうから、この漆黒食パンが12月10日以降にどこかで買えないか聞いてみた。すると……「まだ確定ではありませんが、もしかしたら丸の内のお店でも販売するかもしれません。そうなった場合は、ホームページなどでお知らせしますね」とのことであった。……期待!

参考リンク:POINT ET LIGNE
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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▼外側、真っ黒

▼中身も真っ黒

▼「金の食パン」とサイズを比較したらこんな感じ。黒は決して大きいパンじゃない

▼ちなみに、黒繋がりでこんなパンも

▼こちらは甘いヤツ

▼中身はこんな感じ

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