よく中国でこんな話を聞いたものだ。「女性は中国に行くと太って帰って来る、男性は逆に痩せて帰って来る」。その理由は、中国料理が油っぽいからだという。男性は女性に比べて胃腸が弱い人が多いため、油っぽい料理を大量に食べるとお腹を下してしまい、痩せてしまうのだとか。

まぁそんな話は個人の体質によるとは思うが、確かに中国料理を受けつけない人はどこまでも受けつけない。とくに韓国人はその傾向が強く、私の韓国人のクラスメイトたちも、一口も食べられなかった。あの料理を除いては……。

それは「凉拌豆腐丝(りゃんばんどうふーすー)」。1ミリも油っこいことはなく、すっきりヘルシーな一品。何なら糖質制限にもピッタリなおかずなのだ。沢井メグのリアル中華:第18回、凉拌豆腐丝いってみよう!

・豆腐がメイン「凉拌豆腐丝(りゃんばんどうふーすー)」とは!

中国料理「凉拌豆腐丝(りゃんばんどうふーすー)」。コイツの名称は「調理方法+食材」というシンプルな構成だ。

「涼拌」とは「生、もしくは冷たい食材に調味料を加えて合える」という調理法を指す。「豆腐丝」は直訳すると「豆腐の細切り」であるが、ここでいう豆腐は日本で知られる四角くて白い豆腐ではなく、「豆腐皮(どうふーぴー)」や「干豆腐(がんどうふー)」と呼ばれる豆腐をシート状にプレスして作られた食品のことだ。

でも、専門店でしか買えないんでしょ? んなぁことはない! 業務スーパーに行けば豆腐皮は手に入る。現在、業務スーパーではシートのものとスライスされたものが販売されている。今回は手間を省くためスライス状のものを使用した。

ちょっと「丝(スー:細切り)」にしちゃ太い気もするが……気になる人はシート状のものを自分でカットしよう。では早速作ってみよう!

【材料】1人分

・豆腐皮:100g
・きゅうり:1/2本
・乾燥唐辛子:2~3本
・醤油:小さじ1
・ゴマ油:小さじ2
・オイスターソース:小さじ1
・酢:小さじ1/2
・すりおろしニンニク:1/2かけ分
・塩:少々
・味覇など中華スープの素:少々
・花椒:小さじ1
・油:小さじ2

【作り方】

1.豆腐皮を、パッケージの表示に従って1~2分ゆでる。ゆであがったらザルにとり、水気をきってボウルに移す。

2.キュウリと唐辛子を細切りにし、1のボウルに合わせる。

3.別の容器に醤油小さじ1、ゴマ油小さじ2、オイスターソース小さじ1、酢小さじ1/2、すりおろしニンニクを合わせ、2のボウルに合わせてよく混ぜる。最後に味覇と塩で味を整えよう。

4.仕上げの花椒油を作る。油をしいたフライパンに花椒を入れ、点火。香りが立ってきたら花椒を取り出す。

5.3を器に盛り、4をふりかけて完成!

──以上である! 慣れたら5分くらいで完成するのも嬉しい。またパクチーが好きな人はパクチーを入れても好(ハオ)だ!

・豆腐皮の食感と花椒のフルーティな香りがたまらない!

パクっと食べてみるとハオチィィィッ!(好吃 / おいしい)。ほんのりした辛さとタンパクな豆腐がめちゃくちゃ合う! 花椒のフルーティな香りがスーッと鼻に抜けるのがたまらない。この花椒油は、シビレではなく香りづけ用だ。舌がシビれるような感覚はないので是非ともかけていただきたいところ。

食欲をそそる味で、そしてほどよい弾力と噛み応えがいいですね! そしてメインの食材が豆腐とキュウリなので罪悪感も控えめだ。調味料に糖質が含まれるものの、ユル~い糖質制限には十分!! パパッと作れてダイエットにも良さげだなんて、いろいろと最高な料理だと言えるだろう。

・低糖質食材として注目

近年、業務スーパーのおかげで豆腐皮は日本でも低糖質食材として注目されている。そのうち日本で「豆腐皮」という名前も定着するかもね。

余談だが「豆腐皮」を英語ではどう呼ぶのか調べたところ中国のWikipedia的存在「百度百科」には「the skin of soybean milk」と表現されていた。えっと、そのまんまと言えばそのまんまだが……通じるのか、コレ(笑)

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

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