日本の中華料理の定番といえば、餃子、麻婆豆腐、ラーメン、そして忘れちゃいけないアイツ、パイナップルを入れるかどうかで議論を呼ぶ「酢豚」だ。

さて「酢豚」というのは日本でつけられた名称であるが、本場中国ではどれが酢豚にあたるのだろう? 今日はその “原作候補” のひとつを紹介したい。第15回「沢井メグのリアル中華 / 現地日本人にも超絶愛されているのに、なぜかイマイチ日本でメジャーでない中国料理」は「糖醋排骨(たんつーぱいぐー)」だ。

・酢豚の原作候補「糖醋排骨(たんつーぱいぐー)」

糖醋排骨(たんつーぱいぐー)は、文字通り「豚のスペアリブ(排骨)」を「砂糖(糖)」と「酢(醋)」で味付けした料理だ。日本語に訳すなら「スペアリブの甘酢煮」とでも言ったところである。すでに酢豚っぽい!

その起源は浙江省と江蘇省とも言われている。両省ともに上海に隣接しているが、あのエリアの料理の特徴は「甘い」ことだ。あのあたりで何も言わずに「トマトの玉子炒め」を頼むと、砂糖で味付けされてしまった……という話はよく聞くあるあるエピソードだ。

さて糖醋排骨も甘酢煮とは言うものの、日本の酢豚と比べると酸っぱさより甘さがまさり、白ごはんにより合う味わいだ。そしてパイナップル否定派に朗報! パイナップルは入ってないぞー!! それではさっそく作ってみよう!

……と、その前に1つだけお伝えせねばならないことが! 日本では骨付きスペアリブがなかなか手に入りづらい。ここはこだわっても良かったが、たくさんの人に作ってみてほしかったので手に入りやすい豚バラブロックを使用した。いわば糖醋肉なのだが、味わいは糖醋排骨。もちろんスペアリブが手に入る人はそちらでどうぞ!

【材料】

・豚バラ肉:500g
・砂糖:大さじ5
・酢:大さじ1
・味覇など中華スープの素:小さじ1/2
・ネギ:適量
・白ゴマ:適量
*下味用
・醤油:大さじ3
・酒:大さじ2
・酢:大さじ4
酢は中国の香酢を使うとより現地っぽいが、日本の白い酢でもOKだ!

【作り方】

1.ネギを輪切りに、豚肉を一口大に切る。

2.1を15分煮る。茹で汁は後で使うので捨てないで!

3.2から肉を取り出し、下味用の調味料・醤油大さじ3、酒大さじ2、酢大さじ4に25分漬け込む。

4.3を多めの油で揚げ焼きにする。

5.3の肉だけ鍋に移し、2の煮汁を250cc、3のつけ汁、砂糖大さじ5と味覇小さじ1/2と一緒に煮汁が飛ぶまで煮込む。

※煮汁の量は鍋の大きさによって加減してください。肉が浸るくらいが目安。

6.煮汁がなくなったら、酢大さじ1をふりかけて味を整える。

7.皿に盛り付け、ネギと白ゴマを散らして完成。

・後味スッキリ! 最後まで美味しくいただける肉料理

上述のとおり、日本の酢豚より酸味が少なく甘い。一口目の印象は、東坡肉(とんぽーろう)と同じ方向を向いているようにも感じられるが、酢が入ることで後口スッキリ。もたれを感じることなく、最後まで美味しくいただけるのだ。日本の酢豚はどうしてあんなに酸っぱさの主張も強いんだろう。酢豚が苦手な人は、糖醋排骨風に仕上げると良いかと思う。

さてこのレシピは私・沢井が中国で食べたものをなんとなーく再現したもの。現地には、肉を油で揚げるバージョンなど他の作り方もあるので、皆さんも自分の好きな味を探してほしい。

さて、糖醋排骨は、酢豚の原作候補とお伝えしたが、もうひとつ候補として有名な料理が存在する。それは「古老肉(ぐーらおろう)」。どこが酢豚っぽくて、何が糖醋排骨と違うのか。また次の機会に紹介したい。

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

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