少し前、中国ネットユーザーの間でこんなニュースが話題になっていたらしい。それは「日本人が選ぶ中華料理ランキングが意味不明!」というもの。名前が挙がるのは餃子や麻婆豆腐ばかり。「なんで○○がないの?」「美味しいのに!?」と議論になったのだとか。

そう、中国には街の食堂にさえ、日本人にあまり知られていない激ウマ料理がたくさん存在するのだ! 

ということで、沢井メグがそんな中国料理を粛々と紹介するコーナー『現地日本人にも超絶愛されているのに、なぜかイマイチ日本でメジャーでない中国料理』。第3回は「土豆絲:とぅーどうすー」。全ての材料が日本で手に入る、しかもウマいのに、なぜ定着できないのか。

・土豆絲(とぅーどうすー)とは!

前回の記事でも触れたが、中国ではたいていの料理名が「材料」「味」「調理法」を組み合わせて構成されている。その法則で「土豆絲(とぅーどうすー)」を読み解くと、「土豆(トゥードウ)」とは中国大陸でジャガイモを指し、「絲(スー)」は、糸状に細切りにしたものという意味だ。

別名を「炒土豆絲」ともいう。おお、これは親切。「ジャガイモの細切り炒め」なのだ。

日本ではジャガイモ料理というと “ホクホク” なイメージがあるが、土豆絲は違う!! “シャッキシャキ”! でもちゃ~んと火が通っている。このまこと不思議な食感がヤミツキになっちゃうのだ。

・土豆絲の作り方

【材料】2人分
ジャガイモ:1~2個 ※メークインを使うと崩れにくく好(ハオ)だ。
ピーマン:1個 ※お好みで。なくてもOK。
トウガラシ:5~6個 ※好みで増減しよう!
砂糖:小さじ 2/3
酢:小さじ 1
塩:少々
中華スープの素:少々

【作り方】

1.ジャガイモを細切りにし、10分ほど水にさらす。

2.ピーマンも同じく細切りにし、トウガラシのヘタと種を外せば準備OK。

3.フライパンに油をしき、トウガラシを投入。香りが立ってきたら一度取り出す。

4.続けてジャガイモ、ピーマンを炒める。この際、野菜同士がくっつかないように優しくほぐそう。

5.酢→塩→砂糖を入れ、最後に中華スープの素で味を整える。

6.皿に盛り「3」のトウガラシを飾って完成だ。

──以上である!

・おイモさんシャキシャキ! ヤミツキの食感!!

お野菜シャキシャキ!! ほどよい酸味、そして舌で感じるほど辛くはないが、時折、ツンッと鼻孔をくすぐるトウガラシの香りが食欲を刺激してくれる。マジで、ご飯がススムくん! 

いやぁ、この食感がたまりませんなぁ。だが家で作るとボロッボロになっちゃうという声も多く、私も何度も失敗している。だが、コツを覚えたのでお伝えしたい! 「ジャガイモを十分水にさらすこと」「油をケチらないこと」、そして「炒める前に鍋をしっかり温めること」、この3点に注意すれば、そう難しくはないぞ。

・土豆絲に秘められたチカラ

ウマイ、ウマイよ土豆絲。私はただただ「美味しい」という理由で土豆絲を食べているが、実はコイツには “秘められたチカラ” があるという。

そう語るのは、政治以外の事情通 “赤ふん保存協会” 会長のショーロンポー・アツイ氏だ。アツイ氏は中国に行くと必ずこの料理をオーダーするのだという。

というのも、「切り方を見れば、料理人の力量がわかり」、シンプルであるがゆえに一口で「材料の質」そして中国では要注意な「油の鮮度」も測ることができるというのだ。土豆絲がマズかったら、他の料理もマズイと相場が決まっているらしい。

おおお、なるほど! 生半可な知識や技量では手を出せない料理、土豆絲。それがわかっているから、日本では提供する店が少ないということなのだろうか……。

それはさだかではないが、ちゃんと作った土豆絲が激ウマということだけは事実である。

なお、この作り方は、私・沢井が中国で食べたものを勝手に再現したにすぎない。実際には、お酢を使わないバージョンや、もっとピリ辛なものも存在し、あなたの知ってる土豆絲とは少し違うかもしれない。……好了啦~反正差不多吧!(まぁだいたい同じやろうし、ええがな) 

適当にアレンジして好みの味にしてもらえれば、これ幸い。私は、日本にいながら中国風味を味わえたら、それだけでまぁまぁ幸せだ。そして、それを誰かと共有できたなら、これ以上の幸せはあと5~6個くらいしかない。それではまた次回まで! 再見、88~!! 

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

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