初めて降り立つ海外の街。目的地は決まっているけど、距離的に徒歩で行くのは絶対ムリ。必然的にタクシーを使うことになるが、メーター制ではなく「交渉制」が基本となる国では、相場が不明なだけにボッタクリの不安もある……。

つい先日、ケニアの首都ナイロビから電車に乗って約4時間、同国きってのリゾート地「モンバサ」の駅に降り立った私は、まさに上記のような不安だらけの状況だった。しかも夜で、あたりは真っ暗。初のモンバサ、いきなり怖い。

だが、私には切り札があった。事前にケニアのことを調べていたら、タクシー配車サービス「Uber(ウーバー)」がナイロビでは便利だとかなんだとか。ケニア、Uberあるんか! モンバサにもいるのかな……?

ひとりバックパックを背負いながら、モンバサ駅前でスマホを取り出し、澄ました顔で「Uber」のアプリを立ち上げた。そんな私に、何人もの男が「タクシー!?」と駆け寄ってくるが、私は呪文のように「ウーバー!」と連呼した。

日本では何度かUberを使ったことある。でも、そのままのアプリを海外でも使えるのかしら……と思ったが、問題なくそのまま使えた。まったく日本と同じように、自分の周辺にいるUberのタクシーが車のアイコンで表示されるのだ。

行き先であるホテルの名前を入力すると、目的地までの金額まで表示される。これでもう交渉する必要もないし、ボッタクラレる心配もない。その後の操作も、まったく日本でUberを使うときと同じで、サクサクとマッチング完了!



画面を見ると、どうやらマツダのデミオに乗った「デニス(Dennis)」という男が私のことを迎えに来てくれるらしい。しかし、駅の周りのどこで待てば良いのかわからない。ていうか、どうすんだろコレ……と思っていたその時!!



デニスがUberアプリを通じて「やあ、きみ、どこにいるの?」とチャットで聞いてきたのである。「どこに?」と聞かれても「駅の周り」としか言いようがないし……なんて悩んでいたのだが、焦った勢いで手が滑り、



あらかじめUberチャット画面に用意されている「定型文のボタン」を押してしまった。しかも「すぐに行きます」って、一体全体どこに行くんだオレは。さらにこの定型文、押したら自動的に英語になるのかと思いきや、そのまま日本語。これは困った、どうしよう。絶対デニスも困ってる……


──と思いきや!


ウーバー! デニス! ウーバー! デミオ!


ひとりの男が、呪文めいた言葉を何度も繰り返しながら私にズンズンと近づいてきた。ウーバー……デニス……デニス!! しかもデミオ! キミがデニス! デミオのデニス!! ソウデス、ワタシがウーバーを呼んだゴーです!! 握手〜!

デニスと一緒にデニスのデミオが停まっている駐車場に行ってみると、アプリに表示されていた車のナンバーとも完全に一致。間違いない、彼がデニス(本人)だ! アプリに表示されていたことが、いま目の前で現実に!! スゴ〜イ!


ここからは、もう完全にオートマチック。


行き先のホテルも、デニスは完全に把握している。というか、Uberアプリのナビを見ながら、それに従って運転している。私もUberアプリのナビを見ながら、目的地までの残り時間などを確認しながら、車窓の景色を眺めていた。

途中、デニスに「駅の周りには人がたくさんいたのに、なぜオレのことを見つけられた?」と聞いてみたところ、「チャットで謎の言葉を送ってきたから日本人か中国人だと思った。駅の周りを探したら、君がいた。すぐにわかったよ」とのこと。日本語を送っておいてヨカッタ〜!

そんなこんなで、何のトラブルもなく、むしろ快適に、デニスはデミオで私を目的地のホテルまで送り届けてくれた。Uberアプリ経由のクレジットカード決算なので、その場での支払い等も一切なし。なんて最高なんだUber……!!

Uber使用後はアプリ内でデニスを評価。モチのロンで最高評価だ。コメント欄もあったので、感謝の意を書いておいた。日本語で、「ありがとう!」と。いつかモンバサのデニスとUberでマッチングされた日本人旅行者が、私の「ありがとう!」を見て安心してくれたらいいなと思いながら。

参考リンク:Uber
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼今の日本ではUber Eatsのほうが有名なのかもしれない