「つゆだく」と言えば、「吉野家」の牛丼の注文方法のひとつである。通常よりもつゆの量を多くしてもらうことによって、ご飯にしっかりと味が浸みた状態で味わうことができる。

実はそのつゆだくを、カツ丼チェーンの「かつや」でも頼むことができるのだ。そういう私(佐藤)も最近知り合いに聞くまで知らなかったので、実際に頼んでみたところ、一言でいって「フェス」だった!

・メニューにはない、つゆだく

知り合いによると、カツ丼のつゆを無料で増量してもらえるという。たしかに言われてみれば、カツ丼にも多少なりともつゆがかかっている。とはいえ、にわかにカツ丼つゆだくを想像しにくいのだが……。

お店に行ってメニューを見ると「つゆだく」の記載はない


「あげたて、サクサク」と言っているくらいだから、「つゆだく、ベチャベチャ」はあまりオススメではないのかもな……。


券売機を見ても、カツ丼のオプションにはご飯の量の変更と、セットの有無を尋ねる項目しかない。どうやらつゆだくは隠しメニュー・裏技の類ということなのだろう。


本当に頼めるのか? 不安に思いながらも、食券をスタッフに渡す際に「つゆだくで」と伝えたところ……、「承知しました」とこたえを得ることができた。ホントに頼めた!



・つゆだくはフェス

こちらがカツ丼松(税込1060円)のつゆだくである。玉子で閉じたロースカツがドンと2枚乗っているので、本当に“つゆ” が “だく” になっているのかは、カツをめくってみるまでわからない


よ~く玉子を見てみると、汁気が多い気がするな。


カツを1枚よけて、地面(白ご飯)の様子を確認してみると……。ご飯が汁を吸っているような気もする。だが、 “だく” とは言い難いかな


少し地面を掘り下げてみたところ、湧き水(つゆ)の気配がする! ここに水脈らしきものがあるぞ!! 掘れ~~~!


来たーーーッ! コンコンと湧き上がる地下水のごとく、つゆがあふれてくる! これが幻のつゆだくかッ!


発掘探検ごっこはこれくらいにして……。ちゃんとつゆだくになっています。ご飯はシミシミでしっかりと汁気を帯びている。


カツの衣はビっチャリ。あげたてサクサクではなくなっているので、衣の食感を楽しみたい人はガッカリしちゃうかも。私はサクサクでなくても気にしない。むしろ、カツ丼はベッチャリ肯定主義なので、むしろ喜んでいる。


見た目は美しくないかもしれない。でも、つゆがしっかりかかっていることで、丼としての一体感が生まれている。それはまるで、フェスでステージ上から水が撒かれるがごとく、アーティストもオーディエンスもずぶ濡れになって盛り上がる状態に近い。つまりこのつゆだくカツ丼は、フェスだ、野外フェスだ!



フェスで盛り上がるのは良いんだけど、後半はご飯がつゆを吸い切っているので、味がかなり濃くなる。あとになるほど、塩辛い感じになるので、その点だけ頭に入れておいてほしい。序盤の興奮は最後まで続かない、そんなところもフェスに近いかもね。


そういえば、当編集部にかつやにうるさい人がいたはずなんだけど、彼はコレを知っているのだろうか? 知らずしてかつやのことをゴチャゴチャ言ってるとしたら問題である。あたかも事情通のようにふるまっている彼は何なのか?

とにかく、かつやでもつゆだくを楽しんで頂きたい。


・今回訪問した店舗の情報

店名 かつや中野南口店
住所 東京都中野区中野2-24-9-104 ナカノサウステラ レジデンス棟
時間 10:00~23:30(L.O.23:00)

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24