日本を代表するカップ焼きそばと言えば「ペヤング」で決まりだ。道民としてはマルちゃん「やきそば弁当」も外せないが、ペヤングの知名度と人気はネットでも圧倒的。そのペヤングを作っているのが、群馬県に本社を構える「まるか食品」である。

先月も『スカルプDやきそば』なんていう攻めたペヤングを発売した まるか食品。さぞかし焼きそばを愛しているのだろう……と思いきや、実はまるか食品は焼きそばの会社ではなかったことを最近知ってしまった。一体どういうことなのか? この話を始める前にまず、東北で出会った奇妙な商品についてお伝えしたい。

・初の岩手にて

去年の9月。私(あひるねこ)は生まれて初めて岩手県を訪れた。「マルカンビル大食堂」や「蓬莱島」といったスポットはすでに記事にしており、他にも「龍泉洞」は非常に美しい場所だった。ぜひまた行ってみたいものだ。

・謎のペヤング

さて、その道中で立ち寄ったスーパーにて、私は見慣れぬ商品を発見することになる。カップ麺コーナーに並んでいたその商品。よく見ると……むむ!? ペヤングヌードル……だと? 何だこれは!

「ペヤング」と書いてはいるが、どう見ても焼きそばではない。ラーメンである。こんな商品、初めて見た気がするぞ。試しに別の場所でコンビニに入ってみても……。



やはり、ある。


なんということだ。東京では一度も見た記憶がない『ペヤングヌードル』なる商品が、岩手県ではどこに行っても置いてあるではないか。もしかしてコレ知らないの、私だけか? とりあえず基本の味とシーフード味の二つを買って、私は東京へと戻った。

・実食編

それにしても……なんて古めかしいデザインだ。明らかに世代ではないはずなのに、なぜかノスタルジーを感じてしまう。


フタを剥がすと……


中にはスープとかやくが一緒になった袋。

そしてペヤングお馴染みの……


スパイス……!


麺の上にかやく入りスープをあけ、


お湯を注いで3分待つ。


最後にスパイスを入れてかき混ぜたら……


『ペヤングヌードル』の完成である。

・最近見かけないタイプ

このカマボコとタマゴの感じ、最近の凝ったカップ麺にはないチープさがあって大変可愛らしい。近頃のコンビニはどこに行っても有名店とのコラボ商品みたいなのばかりで、こういうカップ麺はあまり見かけない気がする。

セブンの『すみれ』とか好きなんだけど、こういうカップ麺もたまにはいいよなぁ。匂いはなんだか、チキンラーメンみたいだ。ズズ~っと麺をすすってみると……。

おお、これは……! ラーメンというより駄菓子みたいな味!! 食事というよりおやつだな。ハッキリ言って何の特徴もない醤油ラーメンだが、そのシンプルさが逆に異質というか、日清のカップヌードルにはない懐かしさや趣を感じてしまう。そう、さりげなく、ウマい。

・衝撃の事実

だが果たしてこれは、本当にあのペヤングなのだろうか? ペヤングの名をかたった偽物だったらどうしよう。そこで、まるか食品のホームページをチェックしてみることに。すると、大量の焼きそば商品の中に『ペヤングヌードル』が……。


あった。


よかった、パチモンじゃなかった。えーとなになに? 1973年の発売以降変わらない味付けの……ん? 73年!? この後、ホームページでまるか食品の沿革を読んだ私は思わず絶句することになる。なんと、『ペヤングソースやきそば』が発売されたのは1975年だったのである。

マジかよ……! そう、ペヤング焼きそばにステータスを全振りしているかのように見える まるか食品だが、元々は焼きそばの会社ではなかったのだ。カップ麺としては、『ペヤングヌードル』の方が2年も先輩なのである。むしろ元祖じゃん!

・販売元に聞いてみた

にもかかわらず、『ペヤングヌードル』を東京で見かけたことは これまでただの一度もない。一体なぜなのか? そこで、まるか食品に電話で聞いてみることにした。


──すいません、『ペヤングヌードル』って東京では売ってないんですか?

「申し訳ありません。『ペヤングヌードル』は基本的に東北地方で展開している商品になります」

──やはりそうだったんですね……! 私は岩手のスーパーで買ったんですが、東北ならどこのお店でも買えると?

「はい、実は『ペヤングヌードル』は、作っている量自体はあまり多くないんです。でも、東北地方でしたらどの県にも置いてあると思いますよ」

──分かりました! ありがとうございます!!


東北にお住まいの方からすると「何を今更」という感じなのかもしれないが、この『ペヤングヌードル』の存在は、「ペヤング=焼きそば」と思い込んでいた私にとっては衝撃ですらあった。例えるならマックが実はケーキ屋だった、みたいな感じだ(そうか?)

・ネットでは買える

ちなみに調べてみると、Amazonでは現在『ペヤングヌードル』が12個入りの箱で売られている(2019年1月17日時点)。なので、東北に住んでいなくても現物を入手することは可能だ。興味がある人はぜひ大人買いしてみてほしい。

参照元:まるか食品Amazon「まるか商事 ペヤング ヌードル 85g×12個」
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼こちらはシーフード

▼ちょっと甘めだが、クリーミーなシーフード味だった

▼余談だが、東京湾の海水でペヤングは作れるのか検証したらこうなったぞ