「はぁぁぁぁ……」観終わった直後、やたらと長い溜息(ためいき)をついている自分がいた。まさかこんな内容だとは、想像だにしていなかった。良い意味で、予想を裏切られまくったのだ。

みなさんは2018年12月7日に上映開始した、映画『来る』をご覧になっただろうか。 “最恐のエンターテインメント” との前触れ通り、怖いがそれだけではない。ホラーという言葉ではくくり切れない、ナニかがギッシリ詰まった作品だった。人が集まる年末年始だからこそ、観てほしい1本でもある。

・正真正銘「怖い」映画

突然血を流し、膝から崩れ落ちる人。なんだかわからないモノが迫って来る、得も言われぬ恐ろしさ。映画『来る』の予告編を観る限りでは、とびきり怖いホラー映画にしか見えない。

ホラー映画とひと口に言っても、さまざまなタイプがあるだろう。仮にここでは観ている者に恐怖感を与え、観ている者も怖さを感じながらも楽しみ、またそうなることを想定して制作されているものとザックリ捉(とら)えることにする。

そういう意味では、映画『来る』には怖いシーンがたくさんある。人が “アレ” に殺されたりと、視覚的にゾワッとするシーンもある。また登場人物の心情や思惑を想像して、背筋がヒヤッとする箇所も少なくない。正真正銘のホラー映画だ。

・観る前が一番怖い

かくいう記者も、この映画を観ることをすごくためらっていた。公開前から話題になっていることは重々承知していたのだが、いかんせん怖い映画が苦手なのだ。暗闇の逃げられない閉鎖的な空間で、ホラー映画を観るなんて冗談じゃないと思っていた。

澤村伊智さんによる原作『ぼぎわんが、来る』を読んでもその思いは変わらないどころか悪化し、もう観るのをやめようかとさえ思っていた。しかし、やはり気になる。そこで何度も何度も予告映像を確認し、SNSで視聴者の反応をチェック。

挙句(あげく)すでに観たという周りの人に率直な感想を求め、怖がりが観ても大丈夫かなどを散々確認した上で、ようやく映画館に足を運ぶことができた次第だ。ダメ押しとして「酔っていれば何とかなるかも」と上映前にビールを2杯飲むなど、酒の力にも頼った。

・とにかく〇〇〇〇〇が食べたくなる

今となれば笑い話だが、マジでびびっていた。映画を観るために、こんなにも意を決したのは初めてではないだろうか。映画館の席も、怖くなったらすぐに逃げられるよう通路側にしたほどだ。

実際に観てみると、上記したように確かに怖い。しかしそれだけでなく笑いどころもあり、霊媒師による “アレ” との壮大な対峙(たいじ)シーンもあり。なにより人間という存在、そして自分自身の内面について考えさせられる内容だった。

自分の日ごろの行動は間違っていないのか、誰かを傷付けてはいないだろうか。それどころか、人として正しいって何だろう……? 観終わったあとには、答えの出ない答えに悩まされるのではないだろうか。

「ホラー」という括りだけには収まりきらない『来る』。実際に自分の目で確認し、思いをめぐらせてほしい。あと、間違いなく観終わったあとには〇〇〇〇〇が食べたくなるぞ。映画『来る』は今世紀最高の〇〇〇〇〇映画でもあるのだ。

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.