ブラッド・ピット主演の映画『ブレット・トレイン』を見てきた。こちらの作品、ご存じな方も多かろう。原作は伊坂幸太郎さんの『マリアビートル』である。

作品の舞台は日本の新幹線内。もちろん映画でも原作にならいその通りであったが、ちょっと待って……。こんな日本、私は知らない!!!! なにこの、猟奇的異世界転生物語!!!?


・よくわからん日本イメージが最高

詳しいストーリーなどは、ご自身の目で確認してくれ。記者から言えることは大きく2つ。ひとつ、本作はコメディであること。ふたつ、結構血がブシャーっとなるので苦手な人は注意が必要ということ。

とは言え、個人的にはさほど気にならなかった。あちこちで血が出過ぎて、後半はただの血のりどころかこの世界のデフォルトのようにも思えてきたのだ。

これらの点を踏まえた上で以下、記者が感じたオモシロポイントをまとめたい。

まずは、舞台である日本へのイメージ。これがよく分からん過ぎて、笑える。日本に対する知識がほとんどない人が聞きかじった情報のみで作り上げたかのような、その世界観が最高だ。

もちろん演出なのだろうが、非現実的過ぎて「こんな場所もあるかもしれんなあ」と思わされる謎の説得力さえある。いやあ、海外映画に出て来る日本はこうでなくっちゃと思わず膝を打ちたくなる出来だ。


・キャラが光っている! 原作越えを予感させる場面も

そしてキャラクターたちが、とても魅力的だ。主人公のレディバグは、原作とは国籍から何から何まで違うのに、見ているうちに原作ママのような気がしてくるほど。

それどころかシーンによっては、原作越えを感じさせるほどに光っていた。主人公だけでなく、脇を固めるキャラも強い。中でも殺し屋のミカンとレモンだ。

こんなにもスタイリッシュなミカン&レモンを、原作から想像できただろうか。それでいて伊坂幸太郎さんの作った、ミカン&レモンらしさも残っているのがスゴい。


ほかにも予想外の人が、思いもよらぬキャラを演じていたりと心の中の拍手が鳴りやまない。終始見ている人を楽しませようという気持ちが、ビシビシと伝わってくる作品だ。

映画のストーリーは原作と異なる部分が多いが、それでも原作を大事にしてくれているんだなと感じられ、日本人として嬉しくなった次第である。

・音楽セレクトも良い

また、劇中で使われる音楽のセレクトもナイス!! この音楽をチョイスするのかと、納得する部分もあれば意外に感じるものあって、これまた楽しかった。

いずれも爆走する新幹線のスピード感や、バトルシーンにぴったり。記者は映画を見終えたあと、配信サービスにてサントラをエンドレスリピートしている。


取りまとめると、日本人こそこのよくわからない世界線の日本を目に収めるべきと感じた。

『ブレット・トレイン(弾丸列車)』の名にふさわしく、見終わったときには登場人物たちと一緒に高速で駆け抜けたような、そんな力を出し切ったような気分を味わえること間違いなしだ。みんなで一緒に楽しもうぜ!! 

参考リンク:映画『ブレット・トレイン』
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼映画『ブレット・トレイン』2022年9月現在公開中! 

▼原作は伊坂幸太郎さんの小説『マリアビートル』映画を観る前でも後でも、読むとより映画を堪能できるぞ

▼JR東海ツアーズ京都駅新幹線中央口支店では劇中使用のラウンジチェアなど展示中

▼ハチャメチャで面白い~!