アメリカで誕生した、寿司とブリトーの両方の側面を持つというハイブリッドな存在「寿司ブリトー」がついに東京に上陸。アメリカンなメニューや未来を感じる販売スタイルについては先にお伝えしたとおり。

前衛的な試みはおおむね筆者的には好きな感じだった。しかし、結局のところ最も重要なのは味だろう。いよいよ専門店『beeat Sushi Burrito Tokyo』で未知の寿司ブリトーを徹底解剖していくぞ!

・カリフォルニアロールがボーダーライン

と、勢いよくいってみたが、ここで先に結論から言ってしまおう。寿司ブリトーに「日本の寿司」を求めてはいけない。寿司ブリトーは寿司ではなく、またブリトーでもない。そう、寿司ブリトーは寿司ブリトーという新しい存在なのだ。

ゆえに、これより先にはアメリカンな寿司の元祖ともいえるカリフォルニアロールを許せる人のみが進むべきだろう。カリフォルニアロールなんて寿司じゃねぇ……オラぜってぇゆるさねぇぞ! 的な人だと到底受け入れがたいと思うのだ。

なお筆者は、日本の寿司もメキシコのブリトーも大好きで、ついでにカリフォルニアロールも一人で丸々3本はイケる。そんな筆者的には「モノにもよるが、わりとアリ」という感想だ。ちなみに寿司ブリトーの価格設定はすべて時価。その日のメニューの素材や購入の時間帯などの条件によって、AIが価格(780円〜1300円)を決める。

・ポリネシアを感じるマグアボ・トーキョーロード


というわけで、まずは一番無難そうな「マグアボ・トーキョーロード」からいってみよう! 何となく名前からも想像がつくかもしれないが、マグロとアボカドがメインのこちら。

箱を開けて気付いたが、丁寧に真ん中でカットされていた。これは食べやすくてナイスである。断面から見た感じだと、メインのほかに、ニンジンにレタスにキュウリと野菜が豊富でヘルシーな感じだ。

あとはマヨネーズだろうか? やや酸味を感じる白いソースが野菜全体に行き渡っており、その周囲がゴマの混じった酢めしで固められている。一番外側は、なにやらオレンジ色の薄い生春巻きの皮に似たモノが、手巻き寿司でいうところの海苔の代わりとなっている。

メインのマグロは結構がっつり入っており、また臭みもなく普通にウマい。これ、外側が海苔だったり、あるいはトルティーヤだったら合わないだろう。ソースは3種とも試したが、サルサソースとテリヤキソースのどちらともよく合う印象。

そういえば以前、ポリネシアのあたりで、ご飯とブツ切りにしたマグロとヨーグルトだかサワークリームだかと野菜をぐちゃぐちゃに混ぜた、謎のマグロ丼を食べたことがある。文字にするとゲテモノに見えるかもしれないが、これが実にウマかった。それを思い出す味である。

絶妙なバランスでいい感じにまとまっている気がするこちら、寿司やブリトーとは別物として食べればわりと人気がでるのではないだろうか。ちなみに、メニュー名の『トーキョーロード』の部分は謎のままである。どこにもトーキョーを感じなかった。

・アナゴと甘いテリヤキソースって実は合うんですね


お次は「アナゴ・ジーズ・ドリームス」だ。断面から見る限りでは、「マグアボ・トーキョーロード」のマグロを、焼いたアナゴに変えただけに見える。アボカドも入っているのが見える。

アナゴにアボカドって……大丈夫か? ほかに違いはないか気になったので切り開いてみると……



アナゴでけぇ!


その辺のアナゴ寿司をワンパンするようなレベルで、堂々とアナゴが入っている。サイズ的には20cm程度のこちら、端から端までアナゴの開きがシンプルに横たえられている感じだ。

これはちょっとテンションが上がる。そういえばマグロもかなりしっかり入っていたし……この辺の豪快さは好印象である。なお、内容的にはやはりマグアボのマグロがアナゴに変わっただけであった。

食べてみると……ん? アナゴの気配が薄い。あんなにたっぷり入っているのに、アナゴの味がほとんどしない。そのためか、全体的に少し物足りない。ここはソースの出番だろう。

とりあえず、よく見るアナゴの寿司についているタレと色が似ているテリヤキソースをかけて……ンッマァァァァアアアイ! テリヤキソース大成功である。

本体の味が主張弱めなので、サルサソースももちろんグッド。ワサビソースについては、あとで別に理由を書こうと思うがイマイチだ。なかなかどうして、寿司ブリトーは安定してウマい。これは勝ったかもしれない。

・王の中の王

この勢いで最後の「オマール・キング・オブ・キングス」にいってみよう! キング・オブ・キングスとはつまり、王の中の王。これはマグロもアナゴもぶっちぎるウマさを期待していいのでは?



やはりまずは断面から見てみよう。なんだろうこのオレンジの……? これまでマグロやアナゴが入っていた場所に、なにやらよく分からないオレンジの物体が詰まっている。

見た感じ、具の種類自体もこれまでとは違うようだ。やはりバラしてみよう。



……バラしても分からんかった


とにかく何だかオレンジ色のグチャッとしたナニカが入っている。また、今回は刻みピクルスが入っており、白いソースはかかっていない。まあ、正体不明でも食べてウマければそれでいいというもの。食ってみよう、きっとウマいはず!

あっ……この味! どこかで食べたことがある……ッ!


あれはなんだったか……


そう、あれは……


シェイクされた冷凍カニクリームコロッケ入りのお弁当や!


多くの方が1度は経験あるだろう。移動の過程でシェイクされ、蓋を開けたら全てがグッチャグチャに混ざり合っていた、哀しみに満ちた冷凍カニクリームコロッケ入りのお弁当。あの味である。

すっかり忘れていたが、メニューには「オマールクリームコロッケブリトー」と書いてあった。オレンジのグチャッとしたヤツはコロッケの成れの果てだったのか。

不味いというほどではないし、食べられないわけでもない。でも別にこうしなくても良かったと思う。ただ、コロッケはそのままの方がきっと美味しかったんじゃないかなぁ。あ、ソースは別に何でもいいです。何を混ぜても混ざったお弁当の味です。

・強すぎるワサビソース

さて、最後に1つだけ注意事項がある。それはキザミワサビソースについてだ。こちら、そのまま刻まれたワサビのソースなのだが……ワサビ強すぎィィイイ!

筆者は別にワサビに弱くはない。普通の寿司ならバンバンワサビをのせていくタイプだ。しかしこのキザミワサビソース、久しぶりにガチ泣きしたレベルで鼻と目にくるのである。

ほんの少しのせて食べただけで、あまりのワサビパワーに「ン゛ン゛ーーーーッ!」と声にならないうめきを上げながら部屋の中を跳ね回ったレベル。ワサビに弱い人はワンパンされる恐れがあるので注意が必要だ。アメリカ人はこのワサビもいけるのだろうか?

という訳で、最後の1品を除き、寿司ブリトーはおおむね満足度が高かった。ほかのメニューに関しては失敗しようがないというか、大体味が想像できると思う。ハンバーグとか普通に美味そうである。

購入までの方法から味まで、通しで中々に新感覚な寿司ロール。アメリカで流行るのも納得だ。新しい物好きなら試してみて損はしないと思う! しかし、日本で流行るかというと正直微妙なところ。

アメリカである程度人気のあるフードチェーンにしても、マクドナルドを除いてそれなりに上手くやっているのはバーガーキングくらいではないだろうか。カールスジュニアやタコベル、パンダエクスプレスなどは数えるほどしか店舗がなく、定着してる感は薄い。

また、秋葉原近辺にはそれこそ数え切れないくらいにウマい店がある。あのエリアで勝負して生き残るのは、提供する料理に関係なく相当難易度は高いはずだ。ましてやランチに全てを賭けている感のある寿司ブリトー。厳しい戦いになるのは間違いないだろう。

・今回訪問した店舗の情報

店名 beeat Sushi Burrito Tokyo
住所 東京都千代田区外神田5-6-2
時間 11時〜15時

参照元:beeat Sushi Burrito TokyoPR TIMES
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.