現在、日本でも絶賛公開中の『ミッション:インポッシブル / フォールアウト』は、説明の必要はないと思うが天下のトム・クルーズ様主演作である。

ハリウッドを代表するスーパースターである彼の出演作は、興行的にも成功する確率が高いと言われている。そして、トムが劇中で走れば走るほど出演作の人気がアップするらしく、その調査結果が非常に興味深いので紹介することにしたい。

・トムが走れば走るほど出演作の人気がアップ!?

「トムが劇中で走れば走るほど出演作の人気がアップする」との調査結果を発表したのは、米映画評価サイトRotten Tomatoesだ。

なんでも、トムが出演した全41作で走った総距離は2万4000フィート(約7.3キロ)にもなり、彼が1000フィート(約304メートル)以上走るシーンを含む映画の方が、走るシーンが少ない作品よりも平均的に見て興行成績が良いというのである。

そして、トムは年を取れば取るほど劇中で走っているとのことで、2006年に公開された『M:i:III』では3212フィート(約979メートル)も走り、1980年代に出演した12作品で走った総距離3299フィート(約1キロ)と同等の数字となっているのだ。

ちなみに『M:i:III』に出演した時、トムの年齢は44歳。80年代の出演作は彼が19~26歳だった時に製作されたので、かなりの頑張りようだと言える。

・トムの出演作における走行距離トップ10

では、トムの出演作における走行距離トップ10と、公開年の彼の年齢を以下にまとめたものを紹介しよう。


1位:『M:i:III』3212フィート(約979メートル)44歳
2位:『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』3066フィート(約934メートル))49歳
3位:『宇宙戦争』1752フィート(約534メートル)43歳
4位:『マイノリティ・リポート』1562フィート(約476メートル)40歳
5位:『ザ・ファーム / 法律事務所』1241メートル(約378メートル)31歳
6位:『オール・ユー・ニード・イズ・キル』1065フィート(約324メートル)52歳
7位:『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』1051フィート(約320メートル)54歳
8位:『ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女』1022フィート(約311メートル)55歳
9位:『ミッション:インポッシブル / ローグ・ネイション』1007フィート(約306メートル)53歳
10位:『バニラ・スカイ』832フィート(約253メートル)39歳


という具合だが、どうだろう!? なんと1~9位までの作品で1000フィート(304メートル)以上走っていて、そのうち8作品はトムが40~50代の時に製作されているのである。もちろん撮影中は何テイクも同じシーンを撮るため、実際にトムが全力疾走している距離はランキングの数字の数倍になることは言うまでもない。

・トムはほぼ全てのスタントを自分でこなす!

では、このランキングが何を物語っているかを、海外エンタメライターの筆者が自分なりに分析してみることにしたい。とにかくトムは、どんなに危険なアクションシーンでもスタントマンを立てずに、ほぼ全てを自分でこなすことで有名である。

最新作『ミッション:インポッシブル / フォールアウト』では、ビルからビルへ跳び移るシーンで撮影中に右脚を骨折してしまったトム。ハリウッドでは、こんな危険なシーンを俳優本人が演じることはまずないと言っても過言ではない。

・共演俳優を説き伏せたトム

ついでに、トムの「全てスタントは自分で挑戦するポリシー」に関するエピソードを、もう一つ披露することにしよう。

海外サイト『Hello Giggles』によると、『ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女』でトムと共演した俳優ジェイク・ジョンソン(40歳)は、脚本を読んで危険なシーンばかりだったため、スタントマンを起用するのは当たり前だと思っていたのだとか。

ところが「全てのアクションを自分でこなす」と宣言した天下のトム様が、「危険なシーンは恐怖を感じるし怪我をするかもしれないが、だからこそ君が自分でやるべきなんだ」とジェイクを説き伏せたため、自分も一緒にスタントにチャレンジしたとインタビューで語っているのだ。

・ファンは年を重ねるほど頑張るトムを見たい!

上に挙げたエピソードからも分かるようにトムは正真正銘の努力家として知られ、だからこそ大スターの座を確立できたのではないかと思う。

そんなスーパースターも今年で御年56歳になったが(全っ然見えないけど!)、努力家だけに年を重ねるほどさらに走り(!)、危険なスタントにチャレンジして自分の限界に挑んでいるのではないだろうか。

もちろんトムが頑張れば頑張るほど、ファンは大スターの努力の結晶を見たくなるしで、そういったファンの心境が興行成績につながっているのではないかと分析する。

ちなみに筆者は、特にトム・クルーズのファンではないと思っていたのだが、なんと彼が出演した41作品のうち見ていないのは、公開されたばかりの『ミッション:インポッシブル / フォールアウト』を含めてたった3本のみ!

「実は隠れファンだったのかよ!」と自分でも驚いたが、筆者は努力する人を心から尊敬するため、トムの頑張りが無意識に働きかけていたのかもしれない。

参照元:Rotten TomatoesYouTubeHello Giggles(英語)
執筆:Nekolas
Photo:© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

▼「トム・クルーズが走れば走るほど出演作の人気がアップする」と紹介した動画