
一説では紀元前2500年からインド周辺で食べられていたというカレー。つまり人類は4500年に渡りカレーを食べ続けてきたことになる。日本では明治時代にイギリス料理として伝来して以来、いまや国民食のひとつにまで数えられるようになった。
──はい、いったんストップして下さい! 危うく聞き流してしまいそうになるが、この「明治時代にイギリス料理として伝来したカレー」とは一体どんなものなのかご存じだろうか? 言うなれば『日本最古のカレー』である。実に興味深い……!
・レシピ本が現存する
奇跡的な話ではあるが『日本最古のカレーのレシピ』は現存する。記されているのは明治5年に発刊された「西洋料理通正・後編」なる書籍で、スープからデザートまで 110 項目にわたり西洋料理の基本レシピが記載されているのだ。
その中には2つ、
「コリードビーフ及モットン 粉を肉類にふりかける義」
「カリド・ウイル・ヲル・フアウル カリーの粉にて肉或ハ鳥を料理するを云」
……とカレーのレシピがあり、今回は特別にレシピをお借りして「コリードビーフ及モットン 粉を肉類にふりかける義」を作ってみることにした。果たして日本最古のカレーレシピで作るカレーとは一体どんなものなのだろうか?
・材料(原文)
余った肉と、葱2本、ボートル4半斤、シトルトスプーン匙にてカレーの粉一盛り、同じ匙にて小麦の粉一盛り、塩加減、水及び汁露物をざっと1合。
・材料
牛肉200グラム、長ネギ2本、バター150グラム、カレー粉大さじ1、小麦粉大さじ1、塩、水かダシを150ccくらい
・作り方(原文)
1: 葱を薄く切り、ボートルと共に鍋の中に入れ、ねずみ色になるまで炒める。
2: カレーの粉、小麦の粉、塩と共に混ぜ、ねずみ色の葱とボートルをその中に入れる。
3: 薄切りの肉を鍋の中に入れ、前述の品々と混ぜ合わせ一十ミニュートの間、緩い火で熱し、水あるいは汁を入れ、再び緩火で半時煮る。
・作り方
1: 薄切りにした長ネギをバターできつね色になるまで炒める。
2: カレー粉、小麦粉、塩を投入し、ダマにならないように炒める。
3: 肉を入れて弱火で10分ほど炒める。
4: 水を入れて30分間煮込む。
──以上である! 原文にある「ねずみ色」はおそらくきつね色、「一十ミニュート」は10ミニッツ、つまり10分だと解釈して調理した。また「シトルトスプーン匙」はいくら調べてもわからなかったことは記述しておこう。カレー粉が入るので当然香りも見た目もカレーではあるが、気になるお味は一体……? 一口食べてみると……!
うむ……しょっぱい! そしてやや苦い!! 実はカレー粉と小麦粉を投入した際、急激にネギが焦げたので苦みはここからきているのだろう。ただ食べられないほどの苦みではなく、“薬膳カレー” と言い張れば許されるレベルの苦みである。
塩分に関しては、水が少ないことと大量のバターからくるものだと推測される。もしかしたら「当時のバターは無塩バターだったのでは?」とも思ったが、残念ながらそれを知る術はない。
旨味は肉・ねぎ・バターから出ており「薄い」という印象はなかった。ただし、現代のカレーには欠かせない甘みの成分はほぼ感じなかったので、我々の知るカレーとは別物だと思っていいだろう。
トータルすると日本最古のカレーレシピで作ったカレーは「ソルティで薬膳的な風味を感じるカレー」であった。決してまずいわけではないが、個人的にはわざわざ作ることはあまりオススメしない。
なお、今回ご紹介した日本最古のカレーレシピが記述された「西洋料理通正・後編」も販売予定の「ABAJ 国際稀覯本フェア2018 −日本の古書 世界の古書−」が、2018年3月23日から有楽町の東京交通会館展示会場で開催される。
国内22店・海外19店の古書店が出店し、多くの史料や書物を展示・販売する国内唯一のワールドワイドな古書展示販売会だから、興味がある人はぜひ出かけてみてはいかがだろうか? 中には1000万円オーバーの歴史的書物もあるらしいぞ。
取材協力:ABAJ 国際稀覯本フェア2018 −日本の古書 世界の古書−
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼カレー粉と小麦粉を入れたあたりがターニングポイントだった気がする。1度冷ました方がよかったかも?
▼まずいわけではないが、我々の知るカレーとは別物であった。
▼ソースを足したら一気に現代っぽい味になった。
P.K.サンジュン










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