
2016年9月28日、大人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部が実写映画化されることが発表された。かねてから噂になっていたことなのだが、実際に発表されてみると、昔から読んでいる読者のひとりとしては、不安しかない……。
監督は実写版『テラフォーマーズ』を手掛けた三池崇史監督なのだとか。テラフォーマーズ(以下:テラフォ)を劇場で見た私(佐藤)は、ますます不安が増すばかり。テラフォで感じた違和感が、そのままジョジョでも再現されるのではないか、気が気でない。そこで心配になることを考えてみた。
・テラフォは原作を読まずに観た
私は、テラフォの原作を読まずに、劇場へと足を運んだ。原作を知らなければ、作品に対する先入観を持たずに、映画を観ることができるのでは? と考えたからだ。しかしその考えは甘かった。あとで原作を見返して、「なるほどやりたいことはこうだったのかな?」と思わないでもなかったが、ムリがある演出目白押しだったのである。
まさか、ジョジョはテラフォの二の舞になったりはしないか? 心配になることだらけである。
・心配その1 「ムダなナレーション」
テラフォは火星で進化したゴキブリと人類の戦いである。人間の力をはるかに凌駕する能力を備えたゴキブリと戦うために、登場人物たちは手術を受けて特殊能力を手に入れた。という設定。原作では、その能力を説明するために、説明が入っている。
これを映画でやると、昔の戦隊ヒーローモノみたいに、「説明しよう!」とムダなナレーションが入るのだ。それがダサい! めちゃくちゃダサかった。
ジョジョも「スタンド」という能力について、説明が必要になるだろう。原作ではテラフォ同様に、説明が入っているのだが、これを映画でやるとなると、やっぱりムダなナレーションは避けられないはず。突然天の声みたいなのが流れて、「クレイジーダイヤモンドとは……」みたいな語りが始まったら興ざめだ……。
・心配その2 「役者のキャラが立ちすぎる」
テラフォ実写版もかなり豪華なキャストだった。前半部分、秒速で殺される武井咲さんは完全なるムダ。後半までほとんど出番のない、菊池凛子さんも猛烈なムダだった。しかしまだ、これはいい。
問題は、役者のキャラが立ちすぎて、物語を台無しにしてしまう場合がある。テラフォでは山田孝之さんが完全にソレだった。彼が扮するキャラクター、蛭間一郎は原作でめっちゃブサイク。しかも貧しい育ちで根性が歪んでおり、金を得ることだけが目的という設定だった。それを山田さんが演じても、イケメンすぎてまったく板につかない。
これがジョジョでも繰り返される可能性がある。今作で山田さんは、序盤の敵「片桐安十郎」を演じるのだが、アノ卑劣な殺人鬼のキャラは山田さんに馴染まないかもしれない。やっぱりイケメンなので、醜い敵役にふさわしくない気もする。そして、虹村形兆役に岡田将生さんが抜擢されているのだが、こちらも原作のキャラクターに馴染まない気がしてならない。他の役について、もっとふさわしい人がいたように思うのだが。
原作のための映画化なのか、それとも映画のための原作なのか……。
・心配その3 「ナゾ設定がもうけられる」
できるだけ勘弁して欲しいのは、原作にはないナゾ設定をもうけることだ。これは、『進撃の巨人』の実写版を例に出そう。進撃では、人気の高いキャラクター「リヴァイ」の登場を避けて、人類最強の男とされる「シキシマ」なるナゾの人物が登場。調査兵団は単なる雑魚に成り下がり、最後は壁を越えてただ海が見たかっただけ、というナゾすぎるオチが待っていた。
ジョジョでもっとも懸念されるのは、「山岸由花子」と「東方仗助」の関係。もし恋人同士というナゾ設定だったらどうしよう……。さらに心配なのが、映画は『ダイヤモンドは砕けない 第1章』とある。ナゾのクソ設定を華々しく第1章で展開してしまったら、それが第2章、もしくは3章へと続く訳だ。完全に地獄だ……。
・どうやっても限界がある
そもそも漫画原作を映画化する場合、どうしても付きまとう困難な問題がある。それは尺だ。何年何十年も、たとえば週1回の連載で続けてきた作品を、2時間とか3時間でまとめようと思うのは難しい。どうやってもムリが生じてしまう。
「原作とは別モノ」と考えるべきなのだろうが、作品を使って映画化する以上、別モノとは考えにくい。これまでに培ってきた原作ファンとの信頼関係があって、それを利用したうえで映画化するのなら、できるだけファンの期待に応えて欲しいと思う。とにかく、せめて2回は観たいと思うものを作って欲しい。「逆に勉強になる」みたいな感想は、できるだけ抱かずに済みたいものだ……。
参照元:映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第1章』
執筆:佐藤英典
▼こんな風になったら……。心配だ……
佐藤英典
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