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90年代初頭。可愛い顔立ちなのに大胆なショートヘア、さらには革パン革ジャンのアンバランスさがどこか危なっかしい、そしてなぜか放っておけない1人の女性ボーカリストがいた。LINDBERG(リンドバーグ)の渡瀬マキである。

リンドバーグとは、言うまでもなく90年代を代表するロックバンドだ。その魅力は歌の上手さや曲の良さよりも、飾らない等身大の姿と歌詞で、どの曲もいつも何故か近くにあるように感じた。そんなリンドバーグの名曲を、10曲選抜したのでご紹介したい。

・『今すぐKISS ME』

1990年リリース。ドラマ『世界で一番君が好き!』と主題歌で、年間オリコンチャート3位を記録した。リンドバーグが大ブレイクした曲であり、今でもカラオケで歌われることが多い。「リンドバーグ=今すぐKISS ME」という人も多いだろう。

・『LITTLE WING』

1990年リリースのアルバム収録曲。バンド名はアメリカの飛行家、チャールズ・リンドバーグに由来しており、歌詞の「小さな翼はビクともしない」は、まさにリンドバーグにピッタリなフレーズであった。『LITTLE WING』はファンクラブ名にもなっている。

・『BELIEVE IN LOVE』

1991年リリース。バラエティ番組『夢で逢えたら』のオープニングテーマで、『今すぐKISS ME』に次いでヒットした。疾走感ある曲調とひたむきな歌詞が印象的な、リンドバーグの代表曲の一つである。ちなみにカップリングに収録されていた『HAPPY BIRTHDAY』も名曲。

・『I MISS YOU』

1991年リリース。入学したその日に恋におち、卒業まで打ち明けられない切なさをつづった歌詞が、当時の学生たちにはグッと来た。切ない歌詞と透明感のある声が絶妙にマッチしており、そこまでメジャーではないものの名曲である。

・『Over The Top』

1992年リリースのアルバム収録曲。全体的に前向きな歌詞であるものの、「優しさだけじゃ生きていけない」「強がりだけじゃ乗り越えられない」など、当たり前だが厳しいフレーズが逆に新鮮だった。中でも「ひたむきにただ生きていきたい」が心に刺さった人も多いハズ。

・『だってそうじゃない!?』

1993年リリース。リンドバーグらしい疾走感のある曲調と、まっすぐで等身大の歌詞でヒットした曲。ちなみに、当時リンドバーグを聴いていた人に歌詞名を言っても通じないことが多いが、曲を聴かせると「これね!」となる謎の曲でもある。

・『もっと愛しあいましょ』

1995年リリース。それまでの曲調とは打って変わり、ポップなメロディと歌詞が印象的な曲。振り付けもあり、今までとは明らかに違ったが、渡瀬マキ本人に「そういうところもあるな」とファンは薄々気付いていたので、そこまで違和感はなかった。

・『きっと銀の針のような雨が』

1995年リリースのアルバム収録曲。三井のリハウスのCM曲として起用されていた。失恋した女性の気持ちを歌詞にした曲だったが、とにかく「銀の針のような雨」というフレーズが美しすぎる、渡瀬マキの作詞能力の高さがわかる名曲。

・『君のいちばんに……』

1996年リリース。『だってそうじゃない!?』同様、リンドバーグ王道の疾走感と等身大の歌詞が全面に出ている曲。ちなみに歌詞に出てくる「強くなりたい」は、リンドバーグの曲全般に登場するキーワードである。

・『every little thing every precious thing』

1996年リリース。バラード曲も多いリンドバーグだが、この曲の完成度は群を抜いている。ひたむきで前向きで等身大な渡瀬マキの歌詞の良さが、最大限に引き出された名曲。当時阪神タイガースに在籍した、藤川球児選手の入場曲としても有名。

いかがだっただろうか。世代の人であればグッと胸に来るものがあったに違いない。リンドバーグは2014年から活動を再開しているから、あの頃夢中になった人はチェックしてみるといいだろう。おそらく、渡瀬マキのあまりの変わらなさにビックリするハズだ。

参考リンク:LINDBERGオフィシャルサイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼今すぐKISS ME

▼LITTLE WING

▼BELIEVE IN LOVE

▼Over The Top

▼だってそうじゃない!?

▼もっと愛しあいましょ

▼「君のいちばんに……」は20:04~

▼every little thing every precious thing