日本で、シリーズ終了後も根強い人気を誇る海外ドラマといえば、『24 TWENTY FOUR』と『プリズン・ブレイク』、『LOST』に『ブレイキング・バッド』だろう。勝手に “海外ドラマ界の四天王” と呼んでいるが、そんな4作品に唯一共通するのは出演俳優である。
そこで、マニアックなネタだと分かっていながらも、今回は『LOST』で、英語が話せないのに大活躍していたアジア人のジンに注目してみたいと思う。
・ほとんどセリフがない難しい役を好演
『LOST』は、南太平洋の孤島に墜落した飛行機事故の生存者48名が、生き残りをかけたサバイバルを繰り広げるドラマだ。出演俳優が多い分、役柄における人種や国籍も様々だ。
その中で、韓国人のジンは英語が全く話せないという設定で、言葉の壁に加え気難しい性格が災いし、究極の状況で孤立してしまう。しかし徐々に周りに心を開き、つたない英語を駆使しながら、人々の信頼を勝ち取っていくという難しい役を演じ切った。
・英語が話せないのにメインキャストって、ハリウッドでは前代未聞!
ひと昔前よりはマシになってきたものの、ハリウッドではいまだに白人俳優が圧倒的に有利だ。そんななか大作ドラマのメインキャストとして、アジア系俳優が配役されることは稀なこと。しかも、英語が話せずほとんどセリフがない役なのに、準主役並みに出演シーンが多いなど、ハリウッドでは前代未聞である。
余談になるが、英語を母国語としないがハリウッドで成功を夢見るアジア系俳優が、喉から手が出るほどジン役を欲しがっていたという逸話がある。
・韓国生まれでアメリカ育ちのバイリンガル
そんなジンを演じるダニエル・デイ・キムは、韓国生まれのアメリカ育ち。『LOST』でも流暢な韓国語を披露しているが、母国語は英語のバイリンガルだ。もちろん、本作で彼が喋っていたカタコト英語は、彼の演技である。
・『24 TWENTY FOUR』のシーズン2~3に出演!
ジン役で大ブレイクするまで映画やテレビドラマの端役が続いたが、アジア系俳優としてメキメキと頭角を現していたダニエル。そして、四天王作品のひとつ『24 TWENTY FOUR』のシーズン2~3にも出演し、さらに注目を浴びるようになった。
彼が演じたトム・ベイカー役は、テロ対策ユニットのエージェント。シーズン2では核爆弾テロ、シーズン3ではバイオテロを阻止するため、主役ジャック・バウアーの指揮下で大活躍するカッコイイ役だった。ちなみに、『ブレイキング・バッド』でハンク役を演じたディーン・ノリスも、ダニエルと同じくシーズン2の15・16話に出演しているので、ちょっとした3作品のクロスオーバーと言えなくもない。
・大人気ドラマ『HAWAII FIVE-0』に出演中
『LOST』で、ハリウッドを代表するアジア系俳優の仲間入りを果たしたダニエルは、現在、大人気ドラマ『HAWAII FIVE-0』に出演中だ。ハワイを舞台に繰り広げられる痛快ポリスアクションドラマで、仲間から厚い信頼を集めるチン役を熱演している。日本でも、海外ドラマチャンネル AXN で放送中なので要チェックだ。
まだまだアジア系俳優の活躍の場が狭いハリウッドで、彼のような存在は頼もしい限りだ。これからも、ダニエルの益々の活躍に期待したい。
参照元:YouTube、IMDb(英語)
執筆:Nekolas
イラスト: マミヤ狂四郎
▼『LOST』の予告編はこちら
▼ダニエルがトム・ベイカー役で出演している『24 TWENTY FOUR』シーズン3の予告編
▼『HAWAII FIVE-0』の予告編
▼ぬりえもあるぞ