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迷惑メールは世を映す鏡である。時代の流れに敏感な迷惑メールは、チョイチョイと時事ネタも織り交ぜてくるのだ。たとえば大晦日だったら「紅白歌合戦がどう」とかで、無論、いま世界中で話題になっているアイスバケツチャレンジも例外ではない。

ここ数日、アイスバケツチャレンジにからめた迷惑メールが増加中なのだが、なかでも秀逸だったのは「アイスバケツチャレンジに指名されても氷水を被る必要はない」という強い意志を感じる迷惑メールだった。ただし、条件があるという……。

・アイスバケツチャレンジをブチ込むなら今しかない

差出人は鶴野幸子(つるのさちこ)で、メールが届いたのは本日2014年8月22日の11時14分。アイスバケツチャレンジのネタをブチ込むなら今しかない……といった心理は、メールを受信した私も同じである。今が旬! ギリギリだ。きっと、あと数日でブームは去る。

それはさておき、幸子から送られてきた迷惑メールは以下のとおり。まずは、こう攻めてきた。

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件名:「氷 を入れた冷水を … 指名された人は24時間以内に、このバケツを被るか、ALSの支援 団体に100ドルを寄付しなければいけません。しかし、優遇ゲスト様はそんなことしなくてもいいのです。【メール返信のみ】です。」

内容:「今巷で有名になって… ▼確認▼(..無..料..)」

──くっ……!! こ、これは気になる……ッ。やたらと長い件名で興味をひかせつつ、いざメールの本文を見たら尻切れトンボで「本文はこちら(怪しいURL)」に引っ張るパターン。やるな幸子……。なかなかの業師、テクニシャンだ。

・メール返信するだけでアイスバケツチャレンジが回避できる理由

ともあれ、幸子の話の続きが気になった私は、迷うことなく怪しいURLに飛んでみた。すると……もちろん怪しいサイトに飛んだのだが、そのサイト内の「受信箱」には、幸子メールの全文が書いてあった。要約すると以下のとおり。

「今巷で有名になっているアイス・バケツ・チャレンジをご存じですか? これはALS(筋萎縮性側索硬化症)と呼ばれる難病の認知度を高めるために行われているチャリティー活動の一つです。

こういったチャリティ活動は全世界で広く多種多様なものが行われており、チャリティーの対称となる方もまた様々です。私達●ourgeoisie ●ntryでは富裕層を除く全ての層に対して積極的に経済力向上のチャリティー活動を行っています。

この度一定額の寄付金が集まったことにより、寄付者の中で最高額を寄付した方から寄付対象の条件指定があり、その条件に合致しましたのが優遇ゲスト様でしたのでご連絡差し上げました。

この度の寄付金総額は1728万円となり、この全額が条件に合致した優遇ゲスト様へお振込みされます。それでは早速ですがお受け取りの際に希望される振込先の口座をご連絡下さい。」

──簡潔にまとめるならば、「私の口座番号を幸子にメールで教えるだけで、アイスバケツチャレンジに指名されても参加する必要はなく、さらに1728万円を振り込んでくれる」といった感じであり、まるで盆と正月が一緒に来たようなダブルチャンス到来!

もちろん私はいつものように、「銀行名:ジャパンネット銀行、支店名:本店営業部……」と、怪しいサイト内の返信ボックスに躊躇なくマジの口座情報を入力した。あとは「送信するボタン」を押すだけで、アイスバケツチャレンジ回避理由&1728万円が手に入る!
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そして押した。「送信するボタン」を私は押した! だがしかし……ボタンを押した次の瞬間、私のパソコンのモニタには、ある意味想像通りだが、ある意味では想像以上にナメくさったシンプルな一言が書かれていたのである! 続きは次ページ(その2)を確認(..無..料..)だ!!

Report:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.