現在北極点に向けて、無補給単独徒歩でチャレンジしている冒険家の荻田泰永氏。34日目(2014年4月10日)の定期連絡が日本の事務局に入ったので、現在の状況についてお伝えしたい。
・荻田氏からの定期連絡(日本時間 4月10日 12:33)
現在地: 北緯85度16分 西経76度0分
この日の移動距離: 15.1km
天候: 晴れ
気温: マイナス29度
・理想的なリードに出会えない
今回荻田氏は、フォールディングカヤックを携行して歩いている。南北に空いたリード(氷の裂け目)に遭遇したときに、カヤックで海上を渡り、ハイウェイとして利用するためだ。理想的なリードであれば、かなりの距離をかせげるに違いない。だが、30日をすぎても遭遇しなかった。そしてこの日、荻田氏は重要な決断のひとつを下した。
・荻田氏が下した決断
カヤックを手放して進むことに決めたのである。これから先、南北リードに出会うかどうかは確約されていない。役立つ場面がなければ、重いカヤックは負担を強いる荷物にしかならない。
ここから先は本当に足が頼りだ。飛躍的に距離を伸ばす手立てはない。ただ、その代わり、荷物は軽くなった。一日一日の移動距離は確実に伸びて行くだろう。とにかく前へと進まなければ……。
情報提供: 荻田泰永 北極点事務局
画像: 荻田泰永 公式ブログ
執筆: 佐藤英典