
福岡・博多といえば、とんこつラーメンで有名。ガイドブックにもインターネットにも美味しい店の情報が掲載されているので、参考にして食べ歩きしている人もいるはずだ。記者(私)が博多区の祇園町でタクシーを拾うと、ドライバーは「東京からですか?」と尋ねてきた。
・博多に来たらうどんを食え
ドライバーは「博多はラーメンと思われているかもしれないですけど、うどんもとても美味しいんですよ」とすすめてきた。「空港近くにおいしいうどん屋があるんです」というので、直行してもらうことにした。
・うどん発祥の地は博多
うどんといえば「讃岐」の印象が強い。香川県が「うどん県」と名乗っているため、うどん発祥の地は香川と思っている人が多いと思うが、元々の発祥の地は博多なのだとか。1241年に臨済宗の僧、聖一国師(しょういちこくし)が宋時代の中国からうどんやそばの製法を持ち帰ったとされる。実際に承天寺には「饂飩蕎麦(うどんそば)発祥之地」という石碑が建っている。
・牧のうどん
ドライバーが案内してくれた店は、福岡空港近くの『牧のうどん』。福岡・佐賀を中心に展開しているチェーンで、「マッキー」の愛称で親しまれているという。オーダーの仕方がちょっと変わっているらしい。麺の硬さを「軟めん・中めん・硬めん」から選ぶことができるのだ。ラーメン店ではよくあるオーダー方法だが、うどん店で麺の硬さ指定できるのは珍しい。
・タクシードライバーも一緒にうどん
ドライバーと一緒に店内に入ってうどんを食べた。さて、実際のうどんの味はいかがか? 記者は「肉ごぼううどん」(中めん)を頼んだ。これは肉うどんにごぼう天の入ったものだ。それとドライバーおすすめの「かしわ」。かしわは鶏の炊き込みご飯のこと。うどんとかしわを一緒に頼むのが定番なのだとか。
・ネギを盛って出汁をかける
しばらくすると注文した品がきた。うどんとかしわ、それに小さなヤカン。ヤカンには出汁が入っており、これをうどんにかけて自分好みの味に調整するのである。ちなみに卓上のネギは盛り放題なので、ネギをいっぱい盛ってそのうえから出汁をかけるのが、博多うどんの食し方とのことである。
・うどんのアルデンテ
ドライバーのアドバイスに習って食べてみると、まず麺の柔らかさに驚く。軟めんではなく、中めんでお願いしたのだが、それでもかなり柔らかい。しかしただブヨブヨの柔らか麺という訳ではなく、麺の中心にはコシが残っており、歯ごたえを感じる。これはいわば、うどんのアルデンテの状態だ。
・甘い出汁
出汁の方は、いりこを使っているという。そのため魚の風味が豊かで、後味あっさり。しかし若干甘目に仕上がっている。そこで役立つのがヤカンの出汁とネギだ。これらを入れることによって、味がグッと締まる。
・食べても減らない?
食べ進めていると、妙なことに気づいた。食べても食べてもうどんが減ってる気がしない。もしかして、ここでは普通盛りが2玉分入っているのか? と思ったのだが、それには別の理由があった。実は博多うどんは、麺を茹でたあとに水で締めないので、丼のなかで麺が出汁を吸って膨張しているのである。麺が柔らかいのも、水で締めないためだ。
・気が付けば腹一杯
放っておくと出汁が麺に吸われて、どんどん減っていくので、ヤカン出汁が必要になるわけだ。軽く食事をしようと思ったのだが、気が付けば腹いっぱいだ。味はドライバーが絶賛するに値するおいしさだった。甘目の出汁と柔らかい麺は、妙にクセになる食感を持っており、できれば週に一度は通いたいと思った次第だ。
コシの強いうどんが好みの人は、ちょっと違和感を覚えるかもしれない。しかし、コシが強さだけがうどんの魅力ではない、そう感じさせられた。とにかく博多うどんを堪能するには、十分な一杯だった。
Report:ほぼ津田さん(佐藤)
▼記者がお店を訪れたのは開店時間の10時。まだお客さんはいなかった
▼お店のメニュー
▼麺の硬さを「軟めん・中めん・硬めん」から選ぶ
▼肉ごぼううどんと、タクシードライバーがおすすめする「かしわ」(鶏の炊き込みご飯)を注文
▼麺はかなり柔らかい。麺の中心にコシがあり、歯ごたえを感じさせる
▼ネギは盛り放題
▼ヤカンには出汁が入ってる
▼ネギをたっぷり盛って、出汁をかけて食べる
▼ちなみに、衣の薄いごぼう天は歯触りサクサク
▼鶏の旨みがご飯にしっかりと馴染んだかしわ。甘い出汁のうどんと相性抜群
佐藤英典















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