ジメジメした場所でよく見かけるのがナメクジである。塩をかけると小さく縮んでしまうのがナメクジである。一方、同じくジメジメした場所にいるが、かわいらしい丸い殻を持った巻貝がカタツムリである。

そのまた一方、フランス語でカタツムリは「エスカルゴ」という。リンゴマイマイやアフリカマイマイなど、食用に適したカタツムリが使われているという。つまるところ、カタツムリは食べられる。では、ナメクジは?

ということで今回は、過去にナメクジを食べたことのある私が、ナメクジの味について解説してみたい。

・寄生虫がいるから生食は絶対にやめよう
まず、「カタツムリとナメクジって殻があるかないかの違いくらいでしょ? 味もカタツムリに似ているのでは」なんて思っている人がいたら、それは大きな間違いであると声を大にして宣言しておきたい。雲泥の差である。

カタツムリもナメクジも、体内に「広東住血線虫」という寄生虫がいることがある。過去には日本でもこの寄生虫による死亡例も確認されている。幼虫が脊髄から脳に侵入し、好酸球性髄膜脳炎を引き起こすのだという。よって、生食は絶対にNGだ。

もちろん私がナメクジを食べた時も、しっかりと熱湯で湯通しし、加熱処理を行った。熱湯の中にナメクジを入れると、どうなるのかも付記しておきたい。口から「ドピュッ!」と白い体液が出てくるのである。

・味と食感
茹で上がったナメクジは、少しだけ縮こまったように見えた。そしてパクリと食してみる。どのような味がするのかというと、ずばり、「チョー苦い」のである。なんというニガミ。渋い渋い感じであり、まさに「苦虫を噛み潰したような感じ」なのである。美味さはこれっぽっちも感じない。

ちなみに食感だが、「フニャ」や「ブンニュ」ではなく、「コリッ」である。イカの刺身のような感じである。いずれにしても、美味いものではないので絶対に食べないほうがよいだろう。

なお、その後に食したカタツムリだが、「土俵が違う」と言わんばかりの、超極上の味がした。カタツムリとナメクジの味は全然違う。そして、共に生食はNG。この2点は覚えておいて損はないだろう。

(文=GO

▼茹でると白い液が出てくる。

▼茹で上がった状態。

▼小鉢に入れるとそれっぽく見える。

▼味はニガミだけである。

▼一方、カタツムリは超おいしい。ステージが違う。


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