スシローのタッチパネルは基本的にメニューの画像を掲載してくれている。ネタの大きさなどの想像がつくため、これは地味に親切だと思っているのだが、本日新宿三丁目店に行ったところタッチパネルに画像がないメニューがあった。

「紅鮭にぎり(2貫)150円」と文字だけが書かれているこのネタ。公式ページの新宿三丁目のメニューに記載はなく、ネット検索してもそれらしきスシローネタはヒットしない。一体これは何なのかサーモンとどう違うんだ

・キャンペーンメニューでもない

ちなみに、2023年10月12日現在のスシローのキャンペーンは『40周年! 大大大大感謝祭り』で、これは大切りめばち鮪が100円になるもの。

他のメニューは、グリルチキンチーズ、ほたて天ぷら麻婆包み、えびバジルチーズ・サーモンバジルチーズ、かつお、〆さば、いかと昆布の磯和え軍艦、麻婆揚げなすにぎりなので、キャンペーンメニューでもない。

確かに、スシローは店舗によってレギュラーメニューでもキャンペーンメニューでもないネタが普通にあるが、やっぱり文字だけメニューというのは珍しい気がする

新宿三丁目は黄皿150円の店舗なので、現時点で分かるのは紅鮭にぎりが2貫で黄皿ということだけだ。


・注文してみた

紅鮭と言えば塩焼きのイメージがあるが塩焼きの切り身がシャリに乗っているのだろうか? そこで注文してみたところ……

生っぽい


珍しくね? 念のため、サーモンも注文して見比べてみたところやはり明らかに違う。紅鮭の方は身が真っ赤で、まさに紅鮭って感じだ。



・味もサーモンとは違う

食べてみたところ、柔らかくトロけるような味のサーモンに比べ、紅鮭は身が引き締まっていて鮭の旨みが強い。脂の味ではなく、身の味がしっかり感じられるのだ。

焼鮭的なまろやかさがありながらも後味はサーモンよりあっさりしている。もはや別の魚ってくらいに違う味だ。

その時、ふと気になった。「鮭とサーモンって違いはあるのだろうか」と


・ブチギレ

そこで「紅鮭 サーモン」でGoogleで検索してみたところ、一番最初に三越伊勢丹グループが運営する食のメディアだという『Foodie(フーディー)』の記事がヒット。そこにはこう書かれていた。


「「鮭」は加熱調理が基本。「サーモン」は生食可能なのが特徴」と。


なんでも、サーモンは養殖が成功しているが、紅鮭は養殖できずアニサキスなどの寄生虫の心配があるのだとか。怖っ! もう食べてもうたんですが。どういうことやねんスシローよ!!



・問い詰めてみた結果

体の心配以上にジャーナリスト魂が燃え上がってしまったのでスシローの広報に鬼電した。

スシローさん……オタク紅鮭のにぎり出してますよね? 大丈夫なんですか? そんなことしちゃって証拠は掴んでるんですよ!!

そう留守電に吹き込んでみたところ折り返しの電話で以下の回答があった。

スシロー広報「確かに、紅鮭のにぎりはスシローのネタとしては珍しいですね。こちらはロシア産の天然の鮭になりますが、加工所で処理を施し冷凍しているので寄生虫の心配はないかと存じます


──とのことであった。そ、そんな解決法が……! ネットで「鮭 サーモン」で検索したら、鮭について「生食には向いてない」「基本加熱調理」のオンパレードだからついつい焦ってしまったのかもしれない。



・お恥ずかC

ちなみに、スシローの広報さんは念のため担当者の方にも確認してくれたらしいのだが、「紅鮭の刺身自体は普通にあるけどなあ」と首をかしげていたそうな。マジで手間取らせてすみませんでした……。

ネットの情報は断片的である。その欠片を繋ぎ合わせて分かった気になったことにより、逆に薄っぺらさを思い知らされてしまった今回の件。自分への戒めに顛末を残しておこうと思う。

SNSで誰にでも気軽に言える世の中だからこそみんなも気をつけてくれよな!


執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼なお、紅鮭の陸上養殖技術が最近開発されたらしい。紅鮭料理の常識もこれから変わるに違いない。