オーストラリアのテレビ番組が、ユニークな試みを行った。それは「もしも、ソーシャルネットワーキング(SNS)が現実だったら、どうなるか?」というものだ。街に出かけて通りすがる人に声をかけ、「サインイン(署名)してください」と声をかける。

署名に応じた人物にいろいろと質問し、プライベートな質問を遠慮なく行っているのである。場合によっては、その答えを大声で叫んでしまうのだ。

SNSを現実に置き換える実験を行ったのは、豪州ABC放送の「ハングリービースト」だ。2人の男性が街に出て、相手構わず次々と声をかける。まずは通常のSNS同様に、署名を求め、2人の男性と関わることを承認させ、質問を浴びせかけるのだ。

「出身の学校は?」、「恋愛対象は男性? それとも女性?」、「そもそもあなたは男性? 女性?」、「どこに住んでるの?」、「今、何をやってるの?」

…など、サイトが提供する質問を、口頭で回答を求めるのだ。インターネット上で答えているはずの内容なのだが、対面で人に伝える人はあまりいない。ほとんどの人が彼らの呼びかけを無視し、ひどい場合には「ふざけんな!」と怒ってしまうのである。

その反面、少数ではあるが彼らのことを面白がる人もいる。そういう人たちに対して、彼らは「これを友だちにも伝えてね」と、たった今回答した内容のメモを手渡すのだ。

現実に置き換えると、非常に不快でバカバカしく思えるのだが、私たちは普段、これと同じことをネット上で繰り広げているのである。そう思うと、セキュリティのしっかりしたSNSとは言え、自分の情報を何でも伝えるのはやはり危険だ。SNSに対する極端な皮肉ではあるが、考えさせられるものがある。

参照元:Youtube /