どんな人気俳優にも無名の時期、今ほど売れていなかった時期が存在するものだ。下積み時代を経て、ある作品への出演をきっかけに一気にスターダムにのし上がる。そういった光景を私たちは何度も見てきた。ところで、あなたはスターを何人も生み出してきたある伝説的なドラマのことをご存じだろうか?

そのドラマとは、2000年にTBS系で放送されていた『池袋ウエストゲートパーク』である。出演者の中にはあの高橋一生もいたりと、その金脈っぷりは15年以上経った現在も衰えることを知らない。今回は、豪華すぎる出演者たちについて振り返りながら、次に来る俳優について考えていこうと思うぞ。

・伝説のドラマ

宮藤官九郎脚本によるテレビドラマ『池袋ウエストゲートパーク』。池袋を舞台に、ギャング・ドラッグ・殺人・風俗など過激な要素をたっぷりと盛り込みつつも、要所要所で挟まれるギャグも秀逸な不朽の名作だ。内容はもちろんだが、今見返すとその出演者の豪華さに驚きを隠せない。

試しに、主要な出演者をざっと書き出してみると以下のようになる。

長瀬智也、加藤あい、窪塚洋介、山下智久、佐藤隆太、妻夫木聡、坂口憲二、高橋一生、阿部サダヲ、小雪、渡辺謙

お、おう……。いや、おかしいだろこれ! 知ってる有名人を並べてみた感じになっとるがな!! しかも数シーンのみのゲスト出演ではなく、レギュラー・サブレギュラーと呼んでいいメインの面子なのである。2017年目線だと、誰が主役なのかよくわからないのがスゴすぎるぞ。

・超豪華な出演陣

このドラマをよく知らない人のために書くと、中でもさらにメインなのは長瀬智也、窪塚洋介、山下智久、佐藤隆太あたりだろう。TOKIOで活躍していた長瀬以外の3名は、この出演をきっかけに人気が急激に上がったと言ってもいい。

特にカラーギャング集団の「キング」ことタカシを演じた窪塚は、異様なカリスマ性をまとっており、当時私(あひるねこ)の周りの友人たちも「窪塚カッケー」と連呼していたことを覚えている。

・意外な人物

ヤクザ役を演じた妻夫木聡に関しては、誰かに言うと「え、出てたの?」と返ってくるのがもはや定番だ。実際、私も後に妻夫木が出ていたことを知ったクチで、「どれだ……? あ! このヤクザ、妻夫木だったのかよ!!」と非常に驚いた。これってけっこうあるあるだと思うのだけど。

・今を輝くあの俳優も

このように、意外性では妻夫木という印象があったのだが、ここで思ってもみなかった人物が出現する。そう、高橋一生である。ここ最近、俳優に疎い人でも名前くらいは知っているほどに有名になった高橋一生。しかし、ドラマのファンでも「誰役だった?」と首をかしげてしまうくらい、出演しているイメージがないのだ。

無理もない。高橋が演じた森永和範は、伸びきった髪とメガネが特徴の引きこもり青年なのである。長瀬演じるマコトの友人として何度も登場するが、まさかこんなに有名になるとは夢にも思わなかった。なんなら数年前まで、あの役の人って今何やってんのかなーとか思っていた。なんか、すいませんでした。

・次なるブレイクは?

高橋の本格的なブレイクのきっかけは、2015年のテレビドラマ『民王』だと思われる。その15年も前の作品である『池袋ウエストゲートパーク』というドラマが、いかに宝の山だったかがおわかりいただけたのではないか。

だが、さすがにも~いないだろ。もう出し尽くしただろ。名前が付いたメインキャラの1人を演じ、ここからさらに人気が出そうな俳優なんて……。いや、そうか、わかったぞ! きっとあの人だ。次にブレイクするのは! するのはーーー!!

きたろうしかいねぇ……!

そう、吉岡刑事を演じたベテラン、きたろうしかいねぇだろうが!! 腕を骨折した阿部サダヲのため、官能小説を朗読してあげるシーンには笑わせてもらったぜ。おーい、みんな聞いてくれ! 高橋一生の次は、きたろうが来るぞーーーッ!!

・絶対に見て損はない

大ベテランを捕まえてブレイクもクソもないが、出演者ほぼ全員が超有名人となってしまう『池袋ウエストゲートパーク』の凄さが、これでわかってもらえたはずだ。名前は知っているけど見たことない、という人は、ブッチギリに面白い作品なのでぜひご覧いただきたい。その際は、高橋一生ときたろうに注目してくれよな!

執筆:あひるねこ
イラスト:稲葉翔子