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当編集部の近所に、雑誌の在庫量が多い古本屋がある。私(佐藤)は時々お店を覗いて、古い文芸作品を漁っていたのだが、残念なことにこのお店が近々閉店することになってしまった。

店先には、店内在庫50パーセントオフ。店頭の文庫本は袋に詰め放題で300円という、在庫一掃セールの貼り紙がされている。そこでアイドル雑誌を数冊購入して、その当時のアイドルシーンを振り返っていたら、ちょっと理解に苦しむ誌面企画を発見した。「学校名無差別人気投票」とあるのだが、これは一体どういう投票なんだ?

・30年前のアイドル雑誌

私が購入したのは、講談社の『DELUXEマガジンORE(オーレ)』、学研の『BOMB(ボム)!』、集英社の『Dunk(ダンク)』の3冊。OREとDunkは廃刊になってしまった。ちなみに購入価格は1冊200円。いずれも30年前の雑誌なのだが、そこまで安くはなっていない。おそらくアイドル誌は時を経ても、買い求める人がいるからではないだろうか。

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・学校名無差別人気投票?

思い出をたどるようにして、パラパラとページをめくっていると、Dunk中盤のモノクロページで手が止まった。この誌面企画はなんだ? その企画とは、「全日本ダンク選抜学校名無差別人気投票」というもの。「第24回」とあるので、結構続いていた企画のようだ。

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学校名がランキング形式で掲載されており、それぞれに簡単な所在地と得票数が記されている。それだけだ。学校名に投票する、ということなのだろうか? 「応募方法」を読むと、ハガキ1枚につき実在する学校を1校書いて、投票するとのこと。学校名に投票するためだけに、ハガキを投函しないといけなかったのか……。

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・賞金がモチベーションだったのかも

それだけでは読者のモチベーションが上がるはずない。実は賞金が用意されており、1位になった学校の投票者から抽選で1名に、1万円。2~10位までの学校の投票者から1名ずつに5000円が贈呈されていたようだ。賞金欲しさに、ハガキ職人は学校名を書きまくっていたのだろう。とても手間と時間がかかったのではないだろうか。

・いつかはネットも……

今ではインターネットが当たり前になっているのだが、30年前はまだネット環境が整っていなかった。雑誌の担う役割は大きく、ハガキ投稿にいそしんでいた人も多いだろう。この学校名投票も人気があったらしく、この月の応募総数は1万票を超えていたそうだ。当時は人気があったと思うのだが、今ではちょっと理解できない誌面企画である……。この先の未来に、ネットもそう思われる時が来るのだろうか……。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼閉店セールで、店前の本棚は300円で袋に本を詰め放題
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