山本食品の『十割そば』。もう絶対ウマいに決まってる。「山本十割」と書いて、その文字のルビ(ふりがな)に「うまい」と振っても良いくらいだ。
もう何度目の「山本十割」だろう。でも、実はいつも違うのだ。
スーパーで買うパスタ、うどん、ラーメン、つけめん、そうめん、やきそば……ほとんどすべて、お店の味が再現できるほどにまでクオリティが高まっている……と思う。
それに対して、そばはどうだ。まずくはない。だが、どうしても「家そば感」から抜け出せなていないような気がするのだ。「お店のそば」と「家そば」の差は歴然としており、イチローとニッチローくらいは違う。
「お店の味を家で」なんて贅沢は言わない。だが、せめて「家そば」の「家」を出るくらいのそばが食べたい。たくさんあるうち、どれが「店に近いそば」なのかを知りたい。当連載は、その答えを知るために始まった。
山本食品の『十割そば』。もう絶対ウマいに決まってる。「山本十割」と書いて、その文字のルビ(ふりがな)に「うまい」と振っても良いくらいだ。
もう何度目の「山本十割」だろう。でも、実はいつも違うのだ。
アンテナショップが好きでよく行くのだが、非常に珍しいお店を発見。その名も、アンテナショップ「麦わら帽子」。
吉祥寺(武蔵野市)にあるお店なのだが、武蔵野市と友好関係にある9つの友好都市(富山県南砺市、長野県安曇野市、千葉県南房総市、岩手県遠野市、新潟県長岡市、広島県大崎上島町、山形県酒田市、鳥取県岩美町、長野県川上村)の物産品を販売しているのだという。
そんなお店で売られていたのが……
まずは購入場所「カネスエ」から説明しよう。カネスエとは! 愛知県、三重県、岐阜県、静岡県で展開する大型スーパーマーケットのこと。
もちろんプライベートブランド(PB)もあるレベルの規模であり、今回ご紹介する蕎麦もまたカネスエマーク(ヿに末)が書かれているPB商品だ。
そして、気になる製造元が……
よもぎ餅が好きだ。
遠い昔、それこそ今から40年ほど前。埼玉県鴻巣の羽鳥家の本家に行き、総勢30人以上、苗字が全員「羽鳥」の親戚たちと、よもぎ狩りに行った。
そしてそのよもぎをその日のうちに、羽鳥のお母様、羽鳥のお婆様たちが手分けして「蓬餅」にしてくれ、きなこで食べた。激ウマだった。
私がセブンイレブンに行ったら80%の確率で買ってしまうのも『北海道十勝産小豆使用 よもぎ香る草もち』だし、それはもうよもぎには目がないのだが……
出たな、はたけなか! そのパッケージを手にした時、私はファイティングポーズをとった心の中でそう叫んでいた。
「はたけなか製麺」。家そば放浪記ファンであれば、きっと何かしらの思い出があるはず。「記録」よりも「記憶」派の製麺所だ。
なにせ今までの戦歴は、「殿堂入り」が1回(しかも1食80円の激安そば)。松(文句なしの外)が2回。竹(外)と梅(家)が共にゼロで、茸(きのこ / 家でも外でもない or ジャッジ困難)が3回という、ホームランかファールの2択という、野球漫画のクセツヨキャラのようなバッターなのだ。
伊達政宗といえば仙台。そんな仙台を有する宮城県をはじめ、福島県、山形県、栃木県に茨城県で展開するスーパーマーケットこそが「ヨークベニマル」。
そして、そんなヨークベニマルに(お盆の時期だが)、思い切りド派手に平積みされていたのが白石興産『五割蕎麦 伊達な蕎麦』である。
明治屋ストアー(MEIDI-YA)がどんなスーパーなのかは、明治屋公式インスタアカウントのプロフィールがわかりやすい。
「『いつも いちばん いいものを』をモットーに、ハイクオリティな美味を世界から取り揃える老舗スーパーマーケット。」
ちなみにWikipediaを見てビックラこいた。なんと日本で最初にコカ・コーラを販売した(1919年)のも明治屋なのだという。
どうしても「ゴールド」に辿り着けない。お金の話ではない。干し蕎麦の話だ。
かねてから『雪んこそばゴールド』なる商品がウマいとの情報を得ていた。
しかし私の行いが悪いのか、運良く「雪んこ」に出会えた! ……と思ったらゴールドではない〜! というシーンが何度かあったのだ。
そして今回も……
人を見かけで判断してはいけないが、干し蕎麦も見かけで判断してはならない。
恥ずかしながら、今回の蕎麦を目の当たりにした時、正直「イマイチだろうな」と思ってしまった。だって名前が『ナンバーワンそば』なんだもの。
かつて “志村けんのカップ麺” として長いこと普通に売っていた『ケンちゃんラーメン』や、ダンプ松本がCMに出ていたカップ麺『タコヤキラーメン』に通ずる「大丈夫かな感」を抱いてしまった。
しかしその名前の上をよく見てみると……
やはりお茶は静岡である。そんな静岡で展開するドラッグストアが「杏林堂薬局」だ。
ツルハグループに属しており、関東ならば「ツルハドラッグ」が有名。
両店のチラシを確認すると、どちらも医療品や美容品に加え、食品・日用雑貨品なども取り扱っているもよう。(店舗による)
そんな静岡の杏林堂薬局で発見したのが、今回ご紹介する『富士の国 抹茶そば』である。
なななななな、なんだと……!? ちょっとまて。ちょ〜っとまってくれ。落ち着かせてくれ。ひとつひとつ、説明させてくれ……。
まず、奈良屋! 製造者は福島のエスペランサ(希望)、奈良屋! もちろん乱切り(2.1mm、2.4mm、2.7mm)! しかも二八!!!!
だが、それよりなにより……粗挽き! 私、実は、「粗挽き」って言葉に弱い……! ソーセージもハンバーグも粗挽き希望!!!!
なんという羽鳥キラーな商品だろうか……。完全に私を落としに来てる……と、勝手に思い込みながらパッケージをひっくり返したその瞬間!
これまで生活協同組合コープみらい(ミニコープ)で見つけた干し蕎麦は今回を含めて3つある。
ひとつは第31回、製造者は「おびなた」の『蕎麦』であるが、小麦粉先行の蕎麦であるので割愛。
注目したいのは第61回の、上記と同じく製造者「おびなた」の『CO-OP 国産素材 国産そば粉の十割そば』。
評価としては、なかなか良好で「アリ」とのジャッジ。しかし今回とりあげる干し蕎麦は……
“ミスターロケットニュース” こと、心優しき中澤星児が干し蕎麦を買ってきてくれた。
先日記事にもなっていた “廃校が道の駅として再利用されている「保田小学校」(千葉県)” で売られていたのだとう。
星児が撮影してくれた販売棚の写真を確認すると……
当連載の愛読者様たちなら、あの「そば食う2人」のイラスト込みでおなじみ!
柄木田製粉(からきだせいふん)の「永坂更科シリーズ」も、ついに今回で5回目(5種類目)を数えることになった。軽く振り返ってみると……
第40回『永坂更科 名物 御前そば』、第138回『東京麻布 永坂更科 そば粉五割 太兵衛そば』、第145回『永坂更科布屋太兵衛 太兵衛そば』、第233回『永坂更科 布屋太兵衛 御前そば』、そして今回『永坂更科やまいもそば』となる。
だが今回、かなりショッキングなことがあった。それは……
あまりにもスゴすぎて、過去最高レベルに長い「感想メモ」を書き残していた。
その “そば” は、なんとまさかの100円ショップ「ダイソー」に置いてあった。
商品名は、当連載開始以来最短(2文字)という、直球どシンプルな『そば』であり、作っているのは “あの” 静岡県の住岡食品……。
身近な世の中を見回してみると、いろいろと「受賞している商品」が目に入る。
「G」のマークのグッドデザイン賞しかり。薬局のお化粧品コーナーを見ると、やたら「LDK受賞」みたいなシールを目にする。
私の愛用するシートマスク「LuLuLun(ルルルン)」なんて「241冠受賞」と誇らしげに書いてある。受賞しすぎだろ!
今回の蕎麦もまた、世界的権威とも言われる「国際味覚審査機構(ITI)」の2023優秀味覚賞を受賞しているのだが……あれ?
もう250近く干し蕎麦に触れてくると、食べる前の時点で「オーラ」的なものを感じる能力が備わってくる。
ドラゴンボール的に言えば「気」みたいなやつで、タネを明かせば「パッケージ力(りょく)」になると思う。
今回の『山形昔そば』のような「筒みたいになってるやつ」は、パケ力(りょく)的にメチャメチャ強者。
もしも干し蕎麦が一昔前のヤンキーだとしたら、長ラン+パンチ+まゆなし+ボンタン+鉄ゲタくらいフル装備な迫力がある。