
その日、私はやる気がなかった。普段は自炊しているし、レトルト食品もめったに食べない。しかし、その日に限っては、とにかく楽をしたかった。
そんな時、ダイソーで目に入ったのが「麻婆豆腐職人」である。価格は300円(税込330円)。
なんでも「包丁いらず」で簡単に麻婆豆腐が作れるらしい。これは今の私にピッタリではないか。さっそく買って使ってみることにした。
・いきなり第一関門
商品の説明を見ると、ひき肉から作る方法も紹介されている。しかし、ひき肉を調理したくないから私はこれを買ったのである。
ということで今回は、レトルトの「麻婆豆腐の素」を使う方法で作ってみることにした。
必要なのは、豆腐1丁と麻婆豆腐の素。それだけ。楽勝じゃん! ……と思ったら、いきなり第一関門にぶち当たった。
スーパーへ行って麻婆豆腐の素を探してみたところ、意外にも「別途ひき肉が必要」という商品が多い、というか、ほとんどなのである。
私の近所の西友で見つけられた「豆腐だけ用意すればOK」という商品は、丸美屋の麻婆豆腐の素だけだった。
つまり私の場合、この「麻婆豆腐職人」は事実上「丸美屋の麻婆豆腐の素専用マシン」ということになってしまう。もし丸美屋がなかったら使えないという、この選択肢の少なさ。まあ、今回は無事にゲットできたので良しとしよう。
・本当に包丁いらず
ということで用意したのは、豆腐と麻婆豆腐の素のみ。本体は実にシンプルで、容器とフタ、そして格子状の部分が付いている。さらに「豆腐カッター」なるパーツも付属していた。
まず豆腐にカッターをスーッと入れる。これで豆腐が上下に切れる。しかし、サイドに1センチないくらいのロスができる。包丁を使える人は、普通に包丁で切った方が良いと思う。
そして、その豆腐を格子状の部分にのせて上からニュ〜ッと押し込むと、いい感じの大きさにカットされた豆腐が容器の中へ落ちていく。
たしかに包丁はいらない。しかし、やりながら私は少し思った。そこまでして包丁を使いたくないか? いくら疲れていても豆腐くらい包丁で切れるんだけどなぁ……なんてことを、若干ボロボロになった豆腐を見ながら考えていた。
しかし今日は疲れているのだ。なるべく洗い物を増やしたくない。そのまま続行!
・レンジで6分
さらに、とろみを作るためだけに別の容器を出すのも嫌だったので、豆腐が入っていたパックを再利用して、とろみを作った。今日は徹底的に洗い物を増やさない。
あとは容器に豆腐、麻婆豆腐の素、とろみを入れ、500Wの電子レンジで6分間加熱する。チン! そして全体を混ぜれば、麻婆豆腐の完成である。
ちなみに混ぜている途中で気づいたのだが、とろみが一部分に寄ってしまったのか、「とろみだけの謎の物体」みたいなものもできてしまった。麻婆豆腐の素ととろみを入れた段階で、ある程度全体に回しかけておいた方がよさそうだ。
完成した麻婆豆腐をご飯にのせ、麻婆丼にして食べてみた。普通にうまい。ちゃんと麻婆豆腐である。
・でも待てよ
食べ終わったところで、私は「麻婆豆腐職人」を洗い始めた。容器、フタ、格子状の部分、そして豆腐カッター。細かいところに入った豆腐なども洗い流していく。
これが非常にめんどくさかった。それはもう非常に。叫びたくなるほどに。
そこで、ふと思った。これ……普通にまな板と包丁と鍋で作った方が早いのでは?
この商品は「包丁いらず」で麻婆豆腐を作るための商品なのに、最終的に「包丁を使った方が楽なのでは」という結論にたどり着いてしまうとは……。
もちろん、包丁を使いたくない人や、電子レンジだけで調理したい環境では便利だと思う。実際、包丁なしで麻婆豆腐は完成した。そこに嘘はない。
ただ、私の場合は豆腐を包丁で切る手間より、この細かいパーツを洗う手間の方が面倒だった。楽をするために買った「麻婆豆腐職人」。ちゃんと楽はできた。できたのだが……
次に麻婆豆腐を作る時、私は普通に包丁を手にしているような気がする。
執筆:100均評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24
▼フタをした状態の本体。
GO羽鳥
















































