日本でも大人気の中華料理、麻婆豆腐。当然だが、その発祥は中国だ。中国四川省・成都にある「陳麻婆豆腐」が、世界で初めて麻婆豆腐を作ったと言われている。先日私(あひるねこ)は中国を訪れ、「陳麻婆豆腐」で実際に元祖・麻婆豆腐を食べてきた。

日本の麻婆とはまるで別物で驚いたものだが、なんとここ日本に「陳麻婆豆腐」の味を受け継いだ店があるというのだ。な~に~? それは本当アルか? ならば、つい最近本店を訪れたこの私が、どれだけ本場の味を再現できているか確かめてみなくてはなるまい! 突撃アルよ!!

・マツコ番組でも話題

東京・JR上野駅入谷口から歩いてすぐの場所にある「晴々飯店」。こじんまりとした昔ながらの中華屋という風情だが、四川省成都の味であることを前面に押し出していて期待できる。ちなみに先日、人気番組『マツコの知らない世界』でこちらの麻婆豆腐が紹介されたようだ。その影響か、お昼前であるにもかかわらず人は多い。

・選ぶなら『プレミアム』

注意したいのが、「晴々飯店」には『麻婆豆腐』と『プレミアム麻婆豆腐』の2種類があるという点だ。『プレミアム』の方はランチメニューに載っていないが、注文すると普通に受けてくれるぞ。「陳麻婆豆腐」の味を体験したいのならこちらを頼もう。

・本店の味を再現

2つの麻婆豆腐の違いを知るには、メニューに書かれている『プレミアム麻婆豆腐』の解説を読むのが一番だ。以下で引用したい。

「現地に出向き、麻婆豆腐の元祖を造った陳婆さんの曾孫から直接調理法伝授されたという元『陳麻婆豆腐店』総料理長からレシピとコツを教わり改良して更に美味しく仕上げました!

ワンランク上の豆腐を使い挽肉も豚ではなく牛肉を使用しました。陳健一も推奨しているピーシェン豆板醤を使用!」(原文ママ)

ランチタイムにはどちらも定食で提供されるが、『プレミアム麻婆豆腐』は通常よりも330円高い1080円(税込)だった。さて、私が成都の本店に行ったのがちょうど1カ月前。舌はまだあの味を覚えているぞ。運ばれてきた『プレミアム麻婆豆腐』を、いざ実食!

・めっちゃ辛そう

器は違うものの、見た目はかなり本店に近い気がする。いや、少し違うかな? ていうか……なんか……やけに黒くない? 黒い物体が大量にかかってない? おいおい、これってまさか……四川料理の定番調味料・花椒(かしょう)アルか?

やべェェェェェェエエ! これ絶対花椒だろッ!! うへぇ……めっちゃかかってるやん。恐れおののくと同時に、激しく私の食欲を刺激するのは本店と同じ。レンゲですくうと思った以上にドロッとしているのも本店と同じだ。では、いただくアルよ……。

・本店と違いはあるのか?

熱々の麻婆豆腐をハフハフとすする。ああ~~~~~~。ウマいわ。口に入れた瞬間もう、四川省が見えたね。本店の豪華な内装が見えたし、なんなら最寄り駅「騾馬市」周辺の風景も見えた。これぞまさしく「陳麻婆豆腐」の味だ! ただし、異なる部分もいくつかあったので挙げてみよう。

まず、圧倒的にニンニクが足りない。以前の記事で、私は「陳麻婆豆腐」を “ラー油で煮込んだアヒージョ” と表現した。それくらいニンニク成分が強かったのだが、これを食べてニンニクのパンチを感じる人は少ないだろう。全体的に、本店をよりマイルドにした印象だ。

・激しく痺れる

また、こちらは本店と比べて “辣(ラー)” 、つまり唐辛子によるヒリヒリとした辛さがかなり抑えられている。四川省の “辣” は強烈すぎるため、お腹が痛くなることもあったのだが、その心配はないので安心だ。その代わり、やたらと “麻(マー)” が際立っており、花椒で舌がビリビリと痺れて大変なことになったアルよ。水を飲んでも甘いんだ、これが。

・ハンパない中毒性

うおォォォオオ、痺れる! それでもレンゲが止まらない!! 多少の改良が加えられてはいるものの、その中毒性は本店と比べて遜色のないものだった。実際、こうして記事を書いている今この瞬間も、あの味が恋しくなってしまっているのである。麻婆豆腐発祥の聖地の味に少しでも触れたいなら、ぜひ一度訪れてみてくれ!

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 晴々飯店
住所 東京都台東区上野7-8-16
時間 11:00~15:00、17:00~23:00
休日 無休

Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼四川省成都の味であることを押し出していて期待できる

▼ランチメニューの『プレミアム麻婆豆腐(税込1080円)』

▼豊富なランチメニューはご飯がおかわり自由! 次は『日替わり定食』を頼もうかな

日本、〒110-0005 東京都台東区上野7丁目8−16