
「サーティワンアイスクリーム」(運営:B-R サーティワン アイスクリーム)は世界最大規模のアイスクリームチェーンである。31種類のアイスクリームを揃えており、夏はもちろん、1年を通してその美味しさを楽しむことができる。「サーティワンといえばコレ!」というこだわりのある人もいるだろう。
そのサーティワンについて、私(佐藤)はあることに気づいてしまった……。それはプロレスと深いつながりがあるのではないか? というものである。あるひとつの商品の説明を見た瞬間に、脳裏のあの偉大なプロレスレジェンドの姿が浮かんだからだ。
あくまで推論であるが、もしかして……深い因果があるのでは?
・空手チョップだと!?
アメリカ発祥のサーティワンは1973年に日本に上陸している。図らずも、日本に上陸した年に私も生まれているので、日本での歴史は私と同じく52年ということになる。半世紀にもわたる歴史の中で、提供してきたフレーバーの数は実に1300種類以上にものぼるそうだ。
店頭に並ぶ31種類でも十分多いというのに、開発し続けてきた数は4桁にも達する。それらをどれだけの人が把握しているのだろうか? サーティワンでもそう多くはなさそうだ。
さて、そんなサーティワンについて、私が推測するプロレスとの関係だが、それは商品説明に記載されている。ある定番フレーバーのひとつに。
こちらをご覧頂きたい。店頭のサイネージで撮影した商品説明の画像である。お分かり頂けるだろうか?
中央の「チョップドチョコレート」の説明なのだが、少し画像が遠いので拡大してみよう。
そこには「ミルクチョコレートに空手チョップで砕いたようなチョコレートをちりばめました」とある。
「空手チョップ」だと……
もしかして、これはたまたまここのサイネージにだけ表示された可能性もゼロではない。そこで公式サイトのメニューを確認すると、まったく同じ文言が記載されていたのだ。
「ミルクチョコレートに空手チョップで砕いたようなチョコレートをちりばめました」と。つまり、これは公式の説明であることに間違いはない。
なぜ、今、この時代に「空手チョップ」を用いているのだろうか?
・力道山とは?
「空手チョップ」については、その世代の人ならわかるだろう。日本プロレス界の父であり、日本においてプロレスを爆発的にメジャーにした「二大巨頭」、そうアントニオ猪木とジャイアント馬場の2人を直接指導した人物、「力道山」の必殺技が空手チョップだったのである。
力道山についての逸話は枚挙に暇(いとま)がないのだが、ひとつだけ挙げると、1963年の「力道山 VS ザ・デストロイヤー」のテレビ視聴率は驚異の64パーセントを誇り、日本のテレビ史上でも屈指の記録として今も刻まれている。
要するに、何を言いたいかというと、その世代の人にとっては彼は大スターであり、当時知らない人はいないほど有名な存在だった。
・チョップドチョコレートの発売年
ここで一旦、話をサーティワンに戻す。そもそも「チョップドチョコレート」はいつから販売されているのか?
実は日本創業の翌年(1974年)から販売されていることが、2021年の公式ニュースリリースに記載されている。この年、同社は100種類のフレーバー総選挙を実施しており、その中に100種の発売年が記されているのだ。
エントリーナンバー7番のチョップドチョコレートは、バニラやジャモカコーヒーなどの古参フレーバーと並んで、1974年に販売が始まり、今なお定番であり続けている。
・点と点は線へ
ここからは私の推論なのだが、もしかすると発売開始当時、刻むことを意味する「チョップド(Chopped)」をわかりやすく説明するために、力道山の「空手チョップ」を引き合いに出したのではないだろうか?
というのは、その当時の商品説明を考えた人物が、仮に20~30代だったとしたら、幼少期にテレビで力道山が活躍している姿を見ていてもおかしくないからだ。チョップドを説明するのに空手チョップを用いるのは、自然だったはず。
そして発売当初の商品説明は現在まで引き継がれているために、今も「空手チョップで砕いたような」のまま……なのかもしれない。
実のところ、私も空手チョップは聞いたことがあるし、リバイバルの番組で何度も対戦する力道山の姿を見ているが、リアルタイムの世代ではない。したがって、私(50代)よりも上、現在70~80代にあたる世代の方が説明を書いた可能性は十分に考えられる。
要するに、力道山ひいては日本のプロレスなくして、チョップドチョコレートの商品説明は生まれなかった。こうして、サーティワンとプロレスは1本の線で結ばれるのである。
いずれにしても、チョップドチョコレートは50年もの長きにわたって販売し続けられている定番中の定番。それも美味しいからこの座を守り続けられているのだ。
もしもまだ食べたことがないという人は、この機会に空手チョップで砕いたようなチョコレートが散りばめられたミルクチョコレートアイスをお試しあれ!
参考リンク:サーティワンアイスクリーム、フレーバー総選挙(PDF)
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
イラスト:Gemini
佐藤英典








































