おひさしブリジット・コスゲイ(ケニア)。パリ五輪、終わったね。
東京五輪で銀メダルを取った元世界記録保持者の女子マラソンランナー「ブリジット・コスゲイ」はケガのためパリ五輪を辞退したけど、絶対女王ヘレン・オビリ(ケニア)が銅メダル。
やっぱりケニアはマラソン強い。そして私はポテト好き。今回も最新ポテ活レポートを報告したい。
今回行ってみたのは、ケニア・ナイロビの中心部にある「ジュバレストラン」。この店は非常に人気で客の出入りも激しく、スタッフは常に忙しそう。掃除が追いつかないくらいの繁盛店だ。
そんなジュバレストランの入り口には……
黒服的な男性スタッフが待機していた。何をしているのかというと、客のレシートをチェックしているのだ。
システムとしてはこう。客が食べ物をオーダー → 食べ物がやってくる → 食べ終えたら支払い → レシートをもらう → 最後の出口で、そのレシートをチェック。
つまり「ちゃんと支払ったかどうか(無銭飲食していないか)」を確かめているのだ。
近頃は、「先払いシステム」が多いケニアのポテト業界。昔ながらの後払いは、このような「無銭飲食」のリスクもある。
と、ここでふと気になった。もしも店内から出てきた客がレシートを持っていなかったらどうなるのか、と。
つまり、金を支払っていなかったら(無銭飲食だった場合)どうなるのか、と。
気になったら即実行。さっそくスタッフに上記のことを尋ねてみると、以下のような答えが返ってきた。
黒服「金がないなら、体で払ってもらうしかない。ウチでは “ジャガイモ労働” をすれば勘弁してやることになっている」
──ジャガイモ労働?
黒服「店の隅っこで、デカいバケツ3つぶんのジャガイモを切ってもらう。切り終えたら帰してやる。それがウチのやりかたさ」
──逆に言えば、ジャガイモ労働すればメシが食える……。
黒服「そういうこと。ホラ、あの客も……」
──と、彼が指差した先に目をやると、
お客らしき人がジャガイモを切っている!!!
黒服「あの人はメシを食ったにもかかわらず金がないと申告してきたので “ジャガイモ労働”。たぶんそれを知ってウチに来てる」
──その後、私はポテトを注文。
このポテトも “ジャガイモ労働” によって切られたポテトなのかも……と思うと、なんだか複雑な気持ちになってくるが、事実として、あの人は飢えをしのげている。
ちなみに価格は100kes(約112円)と安めの設定。しかしポテトは香り良く、味も良かった。これで100kesなら激安だし、人気店になるのも納得である。
強いて苦言を呈すなら、トマトケチャップは水のように薄く、なんの味もしなかった。
それさえクリアしてくれたら、ポテト評論家である私の「マイ・ベストポテト5選(ケニア編)」に入れても良いくらいのポテンシャルは秘めている。
なお、食べ終えたあと、胃の調子も、腹の調子も問題なし。人気店なので油の回転も早いだろうし、ジャガイモも新鮮。言うことなしのポテト屋さんだ。
“ジャガイモ労働” だなんて厳しそうにも見えるルールだけど、実は優しさに満ち溢れているような気もする。
生きるためにメシを食う。金がないのでジャガイモを切る。揚がったポテトは安くてウマイ。当然、人気店になり大繁盛。金がない人もやってくる。生きるためにメシを食う……。
全員、助かる。全員、嬉しい。ポテトを中心とした、究極のエコシステム(生態系)が自然と完成していないか。いわば「生命のポテト」ではないか。
私は好きだ、このお店。ポテト好きとして誇りに思う。ヘレン・オビリ(銅)も誇りに思う。「ジュバレストラン」には金メダルを。ではクワヘリ!
参考リンク:陸上競技Webメディア「月陸Online」、Number WEB
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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