もしかしたら今回手に入れた製品は、現在購入できる類似商品の中で1番安いかもしれない。なぜなら税込999円で、2セットのイヤホンが入っているからだ。つまりこれまで当サイトで紹介してきた格安イヤホンと比べて、ほぼ半額なのである。

その製品とは、Amazonで購入した中華系イヤホン「CD-JP-103」である。2セットの衝撃もさることながら、日本語説明の怪しさも衝撃的だ。無理して日本語で伝えようとしなくても……。

・変な日本語

Amazonで格安イヤホンを物色していたところ、この製品を発見した。1000円以下で2つもイヤホンを購入できてしまうこと自体驚きだったのだが、それにも増して驚いたのはAmazonの販売ページに記載されていた日本語だ。

商品画像の説明書きにはこうある。


「あなたの美しさは想像以上です」
「良い音は良い音から生まれます」
「幅広い対応機器です」
「丈夫で丈夫な電線です」


誰かアドバイスしてやらなかったのか。今どき、このレベルの日本語で通用すると思ったのかな……。AIでももう少しマシな日本語を教えてくれるような気がする。

ただ、日本語がおかしくても音が良ければ問題ない。おまけに2セットなので、良音質ならコスパ最強の製品ということになる。はたしてその実力はいかほどか?



パッケージにはとくに何も記載はなく、説明書もない。予備のイヤーピースすら含まれていない。まあ、2セットでこの値段なので、現品を袋にぶち込むだけで精いっぱいだったのだろう。


中には同じものが2つ入っている。音が良ければ喜び2倍。悪ければ哀しみも2倍になる。非常に単純な理屈だ。


形状はアップルの「EarPods」に似ている。ゴム製のカバーがついており、それを取り外しても使用は可能だ。ただしゴムがないと着け心地は最悪である。


右耳にリモコン部があり、マイクも付いている。


装着してみると、耳の収まりは悪い。少し動くとすっぽ抜けてしまいそう。ランニング中に使用するのは難しそうだ。


いずれにしても音だ。音さえ良ければ多少のマイナスポイントは帳消しになる



・聞き比べ

今回の聞き比べの検証材料は、レオ・ドリーブのバレエ「コッペリア(ワルツ 第一幕)」。指揮はアンドリュー・モグレリア、演奏はスロヴァキア放送交響楽団である。

まずはいつも通り、このシリーズの絶対王者、JVCケンウッドの「HA-FX6-T カナル型イヤホン」で聞いてみるとしよう。


曲はゆったりとしたワルツテンポのバレエ曲である。豊かな低音と軽やかな弦楽のメロディラインが、優雅さを演出している。HA-FX6-Tは、その曲の持ち味を上手く表現できている

このイヤホンは、激しい楽曲よりもコッペリアのようなクラシックや ゆるやかなジャズを聞くのに向いている製品だと改めて実感した。



さて、CD-JP-103はどうか? 2セット販売ですでにコスパの良さを感じさせているのだが、それに音質の良さが加わればランキングは覆るはず……。


実際に聞いてみると、ハリボテのような芯のない音。何か大切なものが抜け落ちてしまっている頼りない感じだ。それはまるで、外観だけが良い建売住宅のようで、いさ生活を始めたら隙間風がピューピュー吹き抜ける。そんな心もとない音鳴りである。

1個でも使い道がないというのに、それが2個もあるなんて。2倍の哀しみを味わうハメになってしまった……


ということで、2セットで安くても買って損をした気持ちになることもある。これが今日の教訓である。順位に変動はない。


1.JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン 税込821円
2.セブンイレブン(JVCケンウッド)「HA-FX711F-B 税込1207円
3.QKZ-AK6-MAX 税込990円


このランクは随時更新していきたいと思う。皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。

参考リンク:Amazon
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24