我が家がよく行く飲食店のトップ5に入る「しゃぶ葉」。つい先日も関連の記事を書いたばかりだが、実は我が家が「しゃぶ葉」を利用するようになったのはここ2~3年の話である。

以前はしゃぶしゃぶというと「しゃぶしゃぶ温野菜」に行くのが常だったが、最後に行ったのはおそらくコロナ前。つまり、かれこれ5年近く足を運んでいないことになる。我ながら薄情だと思い、久しぶりにしゃぶってみることにした。

・数年ぶりの「温野菜」

「温野菜」でもっとも安い食べ放題は税込3498円の『三元豚コース』。これに相当する「しゃぶ葉」のメニューは、税込2199円の『豚 食べ放題コース』(平日ディナー)だと思われる。


1000円以上もの価格差があって驚くが、「しゃぶ葉」の食べ放題が肉4種であるのに対し、「温野菜」は全6種。さらに「温野菜」の場合、前菜や逸品料理といったしゃぶしゃぶ以外の食べ放題メニューが充実している。


また、「しゃぶ葉」と違って肉以外の食材も、すべて店員さんがテーブルまで運んでくれるという点も大きな違いだろう。



では味はどうなのか? あくまで個人的な感想だが、肉に関して言うなら……ぶっちゃけあまり変わらない。「温野菜」の方が高いんだから肉質もいいのでは? と思いきや、両者にそこまで明確な差は感じられなかった。


というより、こんなに薄く切られたら違いなんて分からないというのが正直なところである。どちらも十分ウマいし、これ以上は特に望んでいないとしか言いようがないぞ。しゃぶしゃぶって、意外とそういうものなのかもしれないな。


ただ!


今回、改めて思った。肉は互角でも、野菜に関しては「温野菜」の圧勝であると──。

・圧倒的野菜力

久しぶりに食べたけど、「温野菜」って野菜がやけにおいしくないですか? レタスも白菜もネギもきのこも全部ウマい。中でも味えのき。何あれ? 無限に食べられるだろ。さすが店名に「野菜」が入っているだけのことはある。


実際、後半は肉より野菜を中心にオーダーしていた。ヘルシーだからという理由ではなく、純粋に肉より野菜の方がウマかったのだ。特に味えのきに関しては、地球上から絶滅する勢いで食べに食べまくったぞ。



それだけではない。だしも「温野菜」の方が上ではないか。「しゃぶ葉」だと、どのだしを選ぼうが最終的にタレの味しかしなくね? 状態に陥りがちだが、「温野菜」はだしの存在感が強く、タレとの相乗効果もハッキリ感じる。豆乳だしなんて湯葉ができるほど濃厚だ。


これだったら1000円以上高くても仕方がないなと思えるくらい、両者の差は決定的である。野菜をよりおいしく食べたいなら「温野菜」に行くべし! この結論が覆ることはないだろう。


が、しかし……!


ここまで書いておいてなんだが、また行くとしたらどっち? と聞かれたら……私は迷わず「しゃぶ葉」を選ぶ。ええええええええええ!? と思ったあなた。まあ待て、これには理由があるのだよ。

・なぜ「しゃぶ葉」か?

先述した通り、「温野菜」は肉以外の食材もすべて店員さんがテーブルまで運んでくれる。野菜も、単品料理も、飲み物も、デザートも、すべてである。しかし、これこそが「温野菜」の弱点になっているようにも思うのだ。少なくとも我が家にとっては。


ウチには3歳の娘がいるが、「しゃぶ葉」に行くといつも楽しそうにしている。それは大量に並んでいる野菜であったり、ソフトクリームの機械であったり、ネコちゃん配膳ロボであったりと、食事以外の部分によるところが大きい。


そう、つまり「しゃぶ葉」とは飲食店であると同時に、子供にとってテーマパークのような場所なのである。一方の「温野菜」は、チェーン店ながらちょっとしたデートにも使えそうな落ち着いた雰囲気で、そのせいか娘はどこか退屈そうであった。気持ちは分からなくもない。



思えば最後に「温野菜」に行った時は私と妻の2人だけで、娘はまだいなかった。同じしゃぶしゃぶ店でも、両者はまったくの別物であるということに改めて気付いた瞬間であった。

いつか「しゃぶ葉」と「温野菜」のいいところだけが合体した「しゃぶ野菜」みたいな店が登場してくれると嬉しいが……さすがにそれは贅沢すぎるというものだろう。

参考リンク:しゃぶしゃぶ温野菜しゃぶ葉
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.