我が家のコーヒーライフを演出してくれているのが、山善の細口電気ケトル(YKG-C800-E)だ。

プレートの表面を軽くタッチするだけで電源オンオフや湯温設定ができる。おしゃれで使いやすく、気に入っている。

ただ壊れやすいのが玉に瑕。タッチパネルの電源ボタンを押しても反応せず。使い始めて2年半だが、この壊れ方は2回目だ。

もう保証期間も切れているので、諦めて買い換えようと新型を物色しつつ……なんとなく分解してみて驚いた。

電源ボタンの裏、バネやん。バネがビヨーンなってるだけやん。これ、直せるんちゃうか?


・開けてびっくり

まず前提として、電気ケトルは電化製品であり、高温になるものでもある。分解はあくまで自己責任だ。

ただこの製品は、プレートの裏にある4つの小さなネジを外すだけで、パネルが取れて上下にパカッと開き、中の基板がむき出しになった。とてもシンプルな構造だ。

開けてみて驚いた。6つのスイッチの後ろに、6つのバネがある。

このスイッチ、タッチパネルっていうか、ほぼ物理スイッチ……?



この商品、操作画面はツルツルだし、軽くタッチしただけで操作できる。だから、スマホなどと同じ「静電容量方式」のタッチパネルだと思い込んでいた。指を近づけるだけで静電容量の変化を感知して、タッチ位置を特定しているのだろう、と。(※追記参照)

まさか、ボタンを押したことを物理的に感知しているわけがない、と。なので、分解できたとしても、自分で修理できるなんて思っていなかった。

だがこれはどう見てもバネだ。バネで圧力を伝え、スイッチが入っているように見える。タッチパネルというか、ほぼ物理スイッチ!? PCのキーボードみたいな仕組み??(※追記参照)

そういえば壊れた後も、パネルをギュッと押しながら電源ボタンをタッチすると、電源が入ることがあった。つまり、パネルを押し込むことで、バネと電極が触れ合いやすくなり、接触が良くなってたってこと??

この予想が正しいとすれば、バネをビヨーンと伸ばしてやれば、電極との接触が良くなって、直るのでは? そう予想して、やってみた。



・ビヨーンしたら……

電源ボタンの背面のバネを、ビヨーン、ビヨーンと数回伸ばしてみた。

その後念のため、他のバネも少し伸ばし、プレートをセットしなおしてネジを閉めた。

プラグを差して、ケトルに水を入れ、電源ボタンをタッチすると……。


ピッ!

電源が、入ったーーーーッッッッッッッッッ!!!!

なーんだ。やっぱ物理じゃん。

こんなシンプルな構造と分かっていれば、今後同じ症状に悩まされても自分で直すことができそうだ(自己責任)。



・壊れたらビヨーン

この商品は人気機種であり、Amazonで数千のレビューが付いている。後継モデルのレビューも1000近い。

ただスイッチは壊れやすいようで、同じ壊れ方をして困った人も目に付く。Amazonには「一年でタッチパネルが機能しなくなり使えなくなってしまいました」「3カ月経った今日、タッチパネルが反応しなくなって壊れました」というレビューもあった。

そんなみんなに伝えたい。タッチパネルが反応しなくなったら、バネをビヨーンだ、と。


また、分解してもう一つびっくりしたことがある。水を扱う電化製品なのに、パッキンなどがついておらず、基板むき出しなこと。万一、プレートから水がもれたら基板が濡れてしまう。

本体には「絶対に濡らさない」と注意書きも書かれている。同じ製品を使っている方は、水をこぼして濡らしてしまわないようにマジで気を付けてほしい。

そしてもしボタンが反応しなくなったら、バネをビヨーンしてほしい。自己責任で。


※【追記】2024年4月26日 9:46
記事公開後、「これは物理スイッチではなく、静電容量式タッチパネルである」というご指摘を複数いただきました。バネ部分は、装置表面のタッチセンサーの電極と基板のをつなぐ役割を果たしているため、バネが縮むと、指が触れても静電容量の変化が検出されず、ボタンが反応しなくなる、ということのようです。

確認のため、プラスチックなど非導電性のものでタッチしてみましたがボタンが反応せず、静電容量式である可能性が高いことが分かりました。履歴を残すため記事は初出時のままですが、誤解をもとにした解説であったことをお詫びいたします。


参考リンク:Amazon「山善YKG-C800」Amazon「山善EKG-C801」※、山善ビズコム「EKG-C801」※楽天市場「EKG-C801」※(※ → 当記事モデルの後継機種)
執筆:岡田ゆかたん
Photo:RocketNews24