毎年恒例の、カメラや映像機器の展示会「CP+(シーピープラス)」。2019年2月28日から3月3日の期間、パシフィコ横浜にて今年もついに始まった。事前登録すれば誰でも無料で入場できる上に、各メーカの最新機種や発売前の新作を体験できたり、プロの講演を聴けたりとカメラ好きにとっては天国のようなイベントだ。

注目度の高い展示は幾つかあったのだが、その中でもトップレベルに人気だったのがペンタックスでおなじみのRICOH(リコー)のブース。プロからアマチュアまで幅広く支持され、熱心なファンも多いGRシリーズの新作「GR Ⅲ」の体験コーナーだ。実際にいじってきたので色々お伝えしたい。

・最強のコンデジ

GRシリーズが愛される理由は沢山ある。まずは20年以上前に出た、シリーズ初代のフィルムカメラ「リコーGR1」から現行品までほとんど変らない外見。変えないのではなく、変える必要が無いのだ。また、変らないからこそ新機種に乗り換えてもすぐ手になじむ。

現行の「GR Ⅱ」は、コンデジながらも大きなセンサー(APS-Cという規格)を搭載しつつ、しっかりとポケットに入るサイズを維持。RAWファイルでの撮影が可能で、起動速度が爆速だったり、圧倒的なカスタマイズ性など挙げだしたらこれだけで2ページくらいの特集記事になるレベル。一言で言うと「完成度高すぎ」である。

スマホからステップアップしてカメラを買おうという方や、サブ機が欲しいプロのニーズにまで応えられる最強のコンデジ。シリーズの中でも特に「GR Ⅱ」の評判はストップ高だ。そんなシリーズの新作なのだから人気なのも当然。恐らく開演後から昼過ぎまで、最も混んでいたコーナーの1つだと思う。


・正統進化

スペック上で目玉となる変更点は、タッチパネルと、3軸手ブレ補正の実装。ほかにも画像処理エンジンのバージョンアップなど、まさに正統進化という感じ。発売日も決定したようで、2019年3月15日だそうだ。


・即欲しくなる仕上がり

まずタッチパネルをいじってみたところ、本当にサクサク反応して気持ちいい。本体サイズが小さいためモニターサイズもそれなりに小さいのだが、パネルの感度と精度のおかげでストレスは皆無なのが素晴らしいの一言!

パネル操作の設定も気が利いていた。例えばパネルの使用についてだが、フォーカスポイントを指定するだけの「測距点移動」、ポイントを指定してオートフォーカスする(AF)「測距点移動+AF」、さらに、タッチした瞬間にピントをあわせて撮影する「測距点移動+AF+撮影」、あるいは無効化の4つから選べるのだ。かゆい所に手が届きまくっている。

手ブレ補正もなかなか良さそう。撮影データは無いのだが、その場で動きながら撮影してみてもしっかり止めてくれていた。暗い場所でシャッタースピードを落とした撮影も、これなら気軽にできる気がする。


・更に小型化!

そしてサイズである。まさに「ひと回り」という表現がぴったりくる感じの小型化。幅も高さも厚さも、ほんの数ミリ程度なのだが小さくなっているのだ。ぱっと見た感じでは気づかないくらいの差ではあるものの、手に取ると明らかに小さくなっているのがわかる。

ポケットに入れたときのかさばり具合は、数ミリでも違うというもの。GRシリーズの立ち位置的に、これだけでかなりの戦闘力アップだと思う。きっと、いい意味で変態的な開発チームの努力の結果なのだろう。なんだかんだで一番感動したポイントだったり。


・ボタンは減ったが、操作に影響はなさそう

外見について、サイズの他にもう一つ気づいたことがある。タッチパネルの搭載にともなってボタンの数が先代の「GR Ⅱ」より少なくなっていたのだ。しかしUIのデザインがよくできていて、物理的なボタンがあったときとそん色ないレベルで直感的に操作できた。

短い時間の体験ではあったが、基本的な長所はそっくりそのままで、弱体化したポイントは特に無いと思う。正直その場で購入したかったレベルの仕上がりだ。特に「GR Ⅱ」ユーザーの感動はひとしおだと思うので是非体験しに行って欲しい!!

参考リンク:CP+2019
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.