アウトドアの代名詞といえばキャンプな訳だが、コロナ禍のブームはもう大分落ち着きを見始めているところだろう。そこで今回は、ハイシーズンの年末年始やGWには予約が取れないことでも有名な人気キャンプ地、静岡県富士宮市にある「ふもとっぱらキャンプ場」の現状を確認しに行ってみた。

ふもとっぱらは名前の通り、富士山のふもとに位置している。だからサイト内に入れば目の前に富士山の絶景を拝むことができる。予約サイトを見る限り、オフシーズンの今でも土日の宿泊客は多いようだ。平日の様子も知りたいので、日曜日に乗り込み月曜日に帰宅する作戦で3週間前に予約。

・日曜日

道の駅に寄り道しつつ、10時半にはキャンプ場に到着。ふもとっぱらは日帰りキャンプやコテージなども楽しめるのだが、通常のキャンプで一泊する場合のチェックアウト時刻は14時。まだ前日の宿泊者もいる時間帯に着いた訳だが、まぁまぁの賑わいを見せている。

全面フリーサイトなので、車を横付けしてテントを張ることができるのだが、過去にハイシーズンのGWにも宿泊した時は駐車スペースの確保に非常に苦労した。でも今回は、トイレや炊事棟の近い人気エリアにも空きスペースが見える。ある程度自由に過ごすことができそうだ。



・絶好の拠点

サイトの奥に進むほど、トイレや炊事棟からは離れることにはなる訳だがその分人が減る傾向にある。より近くで富士山を楽しめる絶景スポットなので、こちらも捨てがたい。今回はココを拠点にしよう。


タープを張って、ハンモックを設置し、さらにSサイズテント(1〜2名用)も設営したが、周囲と10m以上距離を取ることができて圧迫感がない。


これならお隣さんに焚き火の火の粉が舞わないように神経質にならなくても大丈夫。ちなみに薪は針葉樹(燃えやすい木)も広葉樹(燃焼時間が長い木)も売店にて500〜1000円で購入できる。荷物になるので現地調達できるのはありがたい。



・翌朝のサプライズ

一般的にオフシーズンと言われるこの時期のキャンプ。3月のふもとっぱらも例外ではない。カンカン照りの昼間とは打って変わって、夜は極寒の地となる。焚き火や薪ストーブなど、暖をとるための手段は必須だ。

この日の富士宮市の最低気温は2度だったが、夜中〜明け方の体感気温は余裕でマイナスである。そんな中、テントで眠りにつくと翌朝には寝袋にまで朝露の痕跡が……。


ビショビショ……


当然テントや車にも立派なが降りていた。外がいかに寒かったかを物語っている。


こんなに霜だらけでも心配ご無用。我々には東の空より現れる圧倒的味方がいる。


う……美しい日本の夜明けじゃ……

カメラマン(私)の力量不足で、富士山頂と太陽が完全に重なった瞬間を収められなかったことは悔やまれるが、ダイヤモンド富士もどきも見ることができた。

「雪」とまではいかないが、あたり一面芝生にまで霜が張って、太陽に照らされるとキラキラと輝く銀世界になっていた。


しかし、このキラキラな銀世界は7時頃をピークに1時間ほどで終わってしまう。霜が溶けると緑の見慣れた芝生に戻っていくのだ。魔法の時間は短い。



・まとめ

まぁ「混雑してて動けない!!」だとか、「車どこに停めるのよ〜(汗)」みたいな状況はなく、昨今のキャンプブーム収束の気配が無いこともないが、霜が降りるほど寒いオフシーズンのわりには人がいるな……という印象だった。

この調子なら例年通り、GWなどのハイシーズンにはまた大混雑が予想されるだろう。そう思うと、前を遮るものが何もない開放感に溢れたふもとっぱらを堪能するには、とてもオススメな時期かもしれない。

ただひとつ、もしこの時期にキャンプをする予定なら、トイレは近い方が良い。確実に。寒すぎて寝袋から出られず尿意を誤魔化しながら朝まで過ごすことになった。私の二の舞いにならんことを。


参考リンク:ふもとっぱら公式サイト
執筆:こいずみゆか
Photo:RocketNews24.