私(佐藤)は基本的に出不精だ。いつでも、出かけずに済むことを望む「おうち大好き人間」である。可能であれば、休みの日にはコンビニにすら行きたくない。そんな私だからキャンプ経験は数えるほどしかない。テントで寝たのは子どもの頃が最後だろう。

したがってキャンピングカーの事情についても疎いのだが、先日ジャパンモビリティショーを訪ねて、今のキャンピングカー市場の動向に驚いてしまった。近年の車両はスゴイことになってるな!

・軽自動車を見てしまう

本題に入る前に、今回のジャパンモビリティショーについて少し触れておこう。私は車のイベント取材に出かける機会が多い。だが、決して車の事情に明るいわけではない。好みのタイプはどちらかといえば小さい車両で、取材後に撮影した写真を見ると軽自動車にばかりシャッターを切っている。

その一部を紹介すると、たとえばダイハツのコンセプトカー「ビジョンコペン」。初代モデルを思わせる可愛らしいフォルムで、コパンらしさを踏襲するとともに、未来を感じさせるデザインだ。こういうのに、心をくすぐられるんだよなあ。


同じくダイハツの商用コンセプトカー「ユニフォーム カーゴ」。バッテリー電動車で、車高が高くリアはフルフラットになる。配送業界に需要がありそう。遊びでもいろいろ使えそうだな。


ちなみに今回、ダイハツのブースが個人的に1番面白かった。往年の名車を展示しており、オート三輪の代名詞「ミゼット」もあった。懐かしいなあ、私が子どもの頃はオート三輪トラックをよく見かけたよ。冬になると、スリップで転倒してたりしてね。


先のユニフォームカードは、ミゼットの哲学を今に受け継いでいるのではないだろうか。



このイベントは、乗り物の未来がテーマになっている。したがって、SF映画に出てきそうな斬新なデザインの車両も数多く展示されている。こういうのが公道を走る未来は本当に来るのかねえ~。来るなら早い方がいいんだけどなあ。


それから、ホンダのブースにはジェット機(ホンダジェット エリート2)のモックアップもあったぞ。ロボットも展示されているくらいだから、ジェット機があっても不思議ではないな。


・今回の出展は

そんな私が場内で1番時間を割いたのは、キャンピングカーエリアだ。キャンプ経験はほとんどないけど、キャンピングカーがあれば楽にキャンプできるかも? そんな、ヨコシマな気持ちでエリアを覗いてみた。


やはり関心が向くのは軽自動車。デカい車は運転するのが怖いんだよねえ。このくらいのサイズなら、気軽に出かけられそうだし。



実はこの時、たまたまキャンピングカーの専門誌の方に遭遇した。業界目線で展示車両についてお伺いすると、「今回の出展は大型車両が多いですね」という。


コロナ前から続くキャンプブーム、キャンピングカーの需要は相変わらず高いそうだ。コロナ禍においては、小人数もしくはソロキャンプが主流になり、軽バンキャンピングカー(軽バンコン)が流行っていた。またワゴンベースのキャンピングカー(バンコン)も、変わらず根強い人気を誇っているという。


最近はその傾向に変化が見られるのだとか。というのも、バンコンの定番車であるトヨタの「ハイエース」がフルモデルチェンジすると噂されていたからだ。結局、フルモデルチェンジではなくなったのだが、長くその噂が流れていたおかげで、他社がハイエースに代わる室内空間の広いモデルに力を入れ始めた。


そして今回は、外国人観光客を視野に入れてキャンピングカーメーカー(ビルダー)が、大型のフルコンバージョン(フルコン)の車両を何台も持ち込んでいる


それらの兼ね合いで、今回は大型車両が多いとのことだ。



ちなみにこれらのフルコン車両の販売価格は1000万円を下らない。その気になれば家が買えそうな値段だよ……。


私のような出不精の横着者には、キャンプは向かないのかも。少なくとも高額車両は買えないので、軽車両を地道に改造するのが性に合っている気がする。とにかく、買うのは無理でも見るだけなら可能なので、ジャパンモビリティショーで実物を目にして頂きたい。

値段にふさわしい充実した設備、最新車両は移動ホテルのようだ。


・イベント概要

名称 ジャパンモビリティショー2023
場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3丁目11-1)
会期 2023年10月26日~11月5日(一般公開は28日から)
時間 一般公開日9:00~19:00 ※日曜は9:00~18:00
入場料 一般当日3000円 前売り2700円

参考リンク:ジャパンモビリティショー
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24