つらく苦しかったコロナ禍において、我々が享受した数少ない、しかし最大の恩恵は “ビデオ会議の習慣が一般化したこと” ではないだろうか。苦肉の策だったはずが「ビデオ会議めちゃくちゃ楽やん」と全員気づいたのである。早く教えてほしかった。

そしてビデオ会議ツールやアプリは飛躍的な進化を遂げたワケなのだが、楽をおぼえた我々は、次第に「相手の声が聞こえにくい」などと文句を言い出した。マイクが周囲の雑音までも拾ってしまい、「えっ?」と聞き返す場面は皆さんも経験がおありだと思う。

できれば必要な人の声だけを、可能な限りクリアに聞きたい……それはさすがに調子に乗りすぎですか?

・ヤマハの人「あるよ」

……という話を各方面でしたところ、「ヤマハの製品がスゴい」との有力情報を得た。

ヤマハWEB会議用カメラ付きマイクスピーカー『CS-800』と『CS-500』。ヤマハといえば楽器・音響機器メーカーとしてあまりに有名だが、こんな製品も作っていたとは知らなかった。『YAMAHA』のロゴが入っているだけで一気に信頼感が増すなぁ。

さっそくこのシステムを使って、事務所でビデオ会議をしてみたいと思う。ひどく雑然としていることで知られる当事務所内にはタイピング音、しょうもない雑談、大きな独り言などあらゆる雑音が常に飛び交っており、お世辞にも会議向きの環境とはいえない。

今回はさらに検証のため、ライター兼ギタリストの中澤に事務所内でミニライブを敢行してもらうことにした。オーディエンス役は上司のYoshio。これが地獄絵図でなければ何なのか。


・雑音の中で会議してみる

なお『CS-800』と『CS-500』の使い分けに関して、ざっくり言うと “オープンスペースなどではCS-500、小〜中規模の会議室などではCS-800” が推奨される、ということらしい。

どちらもマイク・カメラ一体型(CS-800は、マイク・カメラ・スピーカー一体型)で、設置も持ち運びも超簡単! 今回の検証では事務所の広い執務スペース側(私がいるほう)でCS-500、別室でCS-800を使用する。

なお、カメラが人を感知して自動で電源ONになったり、USB1本をPCに繋ぐだけでマイク・カメラ・スピーカーが即起動するなど、設定のストレスも皆無。会議前にあたふたするような時間のロスもない。

この雑音地獄でビデオ会議が成り立つ(らしい)理由は、ヤマハの人いわく「収音の横幅と距離を設定できるから」。例えば今回の場合、会議参加者とカメラとの距離は “1メートル以内・約100度の角度内” なので、その数値をあらかじめ入力しておく。

すると、マイクのほうから “声を見つけて収音” してくれるのだそうな。収音距離を設定できるのは、世界初・ヤマハのみの激スゴ技術とのこと。背後のミニライブがうるさすぎて不安しかないが、とりあえず会議をスタートさせてみよう。


1分経過…………会議のテーマは「バズる記事のタイトルの付けかた」について。



5分経過…………メチャクチャ普通に会議できている。そればかりか、普段使用しているPCのマイクや低価格の機器と比べて、相手の声が格段にクリアで聞きやすい。まるで同じ会議室にいるような臨場感がある。

ただ “雑音を発している側だけが雑音に気づいていない” という場面はビデオ会議で非常にありがち。逆サイドはイラついている可能性もあるため、もう少し様子をみよう。



10分経過…………気づけばミニライブの存在を忘れている自分がいた。「相手の声がよく聞こえないけど言い出しづらい」といったストレスがマジ皆無である。が、何度も言うけど逆サイドはそう感じていない可能性があるので、そろそろズバリ聞いてみたい。


どうですか? 逆サイドの2人……?



「雑音はほとんど入ってこなかった」だって!! マジか!!!


・未来の技術

逆サイドの2人いわく「後ろでガチャガチャしている人たちがいるのは見えた。でも音が聞こえないので、エアーライブだと思っていた」とのこと。どういう仕組みなのかはもはや説明されても理解できない気がするが、ヤマハの技術がスゴイことはよく分かった。

『CS-800』『CS-500』には、先ほどお伝えした「収音の横幅と距離」の設定に加え、「話者をフォーカスする」機能も搭載されている。

これは、あらかじめ設定した “1メートル以内、約100度の角度内” に複数の話者がいた場合、その全員をカメラが自動で認識し、話者が変われば一瞬で画面がそちらに切り替わるというもの。そして設定範囲外の話者が発する音声は、雑音として適切に処理される仕組みだ。


んで、例えば参加者2人のうち1人が退室すると……

自動的にカメラが残りの1人にフォーカスするのである! 1人をずっと追いかけることも可能。


「ビデオ会議はリアルよりコミュニケーションがとりにくい」という認識は当たり前のものとしてあったが、ヤマハCSシリーズなら様々な機能との合わせ技でリアルと同等、あるいはそれ以上のスムーズなコミュニケーションがとれる。生産性を考えれば、思い切って購入もアリ……!?


・全国の役職員のみんな〜!

と思ったが、CS-500のメーカー希望小売価格は11万円(税抜)、CS-800なら14万5000円(税抜)と、軽いノリで買える値段ではなかった。ヤマハCSシリーズのメインターゲットは、主に法人なのである。まぁ、一般家庭で使うには性能がエグすぎるもんね。

でも今なら特別価格キャンペーン中(3月31日まで)で、Amazonなどでは6万円台で販売されているようだ(2月15日現在)。さらに通常2年間の保証が計5年間適用される延長保証キャンペーンも実施中。残予算消化に頭を悩ませている全国の役職員さん、チャンスです!!!

繰り返すが、遠隔会議では “範囲の雑音を拾ってしまっていることに喋っている側が気付いていない” という状況が起きがちで、気付かぬうちに相手に苦痛を与えている場合もある。そこへきてCSシリーズならコミュニケーションロスや会議準備の時間のロスもなく、遠隔会議の質の向上間違いなし!

……とはいえ高い買い物なので、まずは2週間貸出無料サービスの利用がオススメ。もちろん個人での利用も可能だ。在宅ワークなどでビデオ会議をよく利用する方は一度体験してみてくれ!

参考リンク:ビデオコラボレーションシステム CS-800 & CS-500特別価格キャンペーン
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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