昭和41年、つまり1966年。「日曜洋画劇場」が放送を開始し、読売ジャイアンツの堀内恒夫が開幕から13連勝を記録したその年。我らが「松屋」も東京都練馬区で産声を上げた。

あれから58年……ついに松屋が新境地に辿り着いてしまったようだ。2024年1月30日から店舗限定で販売されている『たっぷり明太タルタルチキン定食』は、松屋でおそらく初となる “女子ウケしそうなメニュー” である!

・店舗限定メニュー

ここ最近、松屋は怒涛の勢いで「店舗限定メニュー」を展開している。『たっぷり明太タルタルチキン定食(890円)』もその1つで、全国55の店舗にて発売中だ。

さて、以前よりは女性を見かけるようになった松屋だが、それでも男女比で言えば圧倒的に男性が多い。私自身、過去に「女性の方が多い松屋」に遭遇したことはない。

理由は多くあれど、1つには「女子ウケしそうなメニュー」がほぼないことも挙げられるだろう。ガツンとにんにくテイストの “松屋味” が女性に敬遠されがちなのは、ある意味で宿命なのである。


ところが──。


『たっぷり明太タルタルチキン定食』を食べた私はすぐに「女子ウケしそうな味」と感じた。それまで頭の中に「女性」の文字は無かったが、食べた瞬間に「あ、これは女子が好きなヤツだわ」と悟ったのである。

・主役は明太子じゃない

詳しく説明すると商品名は『たっぷり明太タルタルチキン定食』だが、実は明太子が主役ではなかった。私が感心したのは「チキン」そのものである。

チキンは軽くソテーされただけのシンプルなもので、これがビックリするほどやわらかい! 揚げでも煮込みでもないチキンは、いかにも意識が高い女性に刺さりそうではないか。

さらに言うと、チキンにかかった「甘酢ソース」がこれまたウマい!! 甘酢ソースに松屋お得意の “がっつりニンニク” は皆無。やわらかなチキンをあっさりといただける構成なのだ。

そこに加わる「明太タルタル」が濃厚さを演出し、ハッキリ言って最後まで死角は見当たらなかった。『たっぷり明太タルタルチキン定食』は手放しで「マジでウマい」と申し上げていいだろう。

また、基本的には「甘酢ソース」と「明太タルタル」だけでライスをガツガツ食べられてしまうので、もちろん男性にも好まれそうな味である。ちょっと松屋、久々にすごいのが来たんじゃないか……?

・Noニンニク

ここ1年で最もニンニクがヤバかったのは、個人的に「トンテキ定食」である。私自身はどれだけニンニクがキツくても気にしないが、女性ならばそうはいかないのかもしれない。

そういう意味で『たっぷり明太タルタルチキン定食』は「松屋にはニンニクじゃなくても美味しい料理がある!」と認知させる役割りも果たしそうだ。いやホント、死角が見当たらなかったなぁ。

現段階で『たっぷり明太タルタルチキン定食』が全国販売されるかはわからない。……が、仮に販売となれば話題になりそうなメニューである。

なぜなら『たっぷり明太タルタルチキン定食』は58年目にして、松屋がようやく辿り着いた「女子ウケしそうなメニュー」なのだから。

参考リンク:松屋「店舗限定メニュー」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.