世界には知らないことがいっぱいある。インターネットが世界中を繋いだとて、見えていない領域なんていくらでもあるのだ。その証拠に、私(中澤)は近所のスーパーという近場で、考えもしなかった謎にぶち当たってしまった。

そのスーパーではヤクルト「Y1000」が売り切れていたのだが、売切れ理由に衝撃の文言が書かれていたのである。Y1000の正体ってよくニュースになってるアレだったのー!?

・相変わらず人気

ここ数年で最も話題になった飲み物と言っても過言ではないY1000。最近ではやっと供給が需要に追い付いてきた感じがあり、私の家の近所のスーパーでもたまに見かけるようになった。

「たまに」と書いたのは、Y1000の棚が売り切れているのもよく見るからである。近所にいくつかあるスーパーでもコンビニでも。かつては、常になかったものが、入荷して数日は売ってるようになってきた感じ。相変わらず人気は続いていることがうかがい知れる。

・近所のスーパーにて

そんな先日、近所のスーパーの1つに行ったところ、棚のところにY1000のかわりにラミネート加工された紙が置かれていた。見てみると、どうやら売り切れ理由のようである。

これまでは売り切れていても棚が空っぽになっているだけだったので、売り切れの理由を初めて見た私。何が書かれているのか興味が出て読んでみたところ驚愕せずにはいられなかった。

そこにはおよそ庶民的スーパーに似つかわしくない単語が登場していたのである。内容を以下に引用すると……

「お客様 各位
【Y1000について】
予想以上の需要の高まりと半導体不足の影響により
入荷制限が発生しております。
その為、入荷不安定になっており
大変、ご迷惑をおかけしており
お詫び申し上げます。
最善をつくしている今日ですが
何卒、ご了承くださいませ」

──要は需要に供給が追いついてないということで、状況としては説明されるまでもない。の・だ・が、理由が「半導体不足」だと……?

・可能性は1つ

え? Y1000って半導体材料にしてんの? いやいや、スマホとかパソコンじゃあるまいしそれはないだろう。だったら考えられる可能性は1つだけである


そう、Y1000自体が半導体という可能性だ


考えてみたら、半導体について名前はよく見るのだが、どういうものなのか具体的なところは全く知らない。金属などの導体と、ゴムなどの絶縁体の中間の抵抗率を持つ物質とwikipediaには書かれているが、そもそも形あるものなの? それとも水銀みたいな感じなの?

・衝撃の事実

ただ単に導体と絶縁体の中間の性質を持つもの全てを半導体と呼ぶなら、Y1000も半導体ではないとは言い切れないではないか。Y1000は石油を超える世界重要資源だった!?

これがガチなら世界が動く。衝撃的すぎるカミングアウトだったので、ヤクルトに真相を聞いてみた。ヤクルトさん、お宅のところのY1000ね、半導体らしいじゃないですか? 世間に衝撃を与える大事件ですよこれは。証拠は挙がってんだ! 近所のスーパーの売切れ理由に書かれてたんだよぉ!!

ヤクルト広報「『Y1000』は乳製品乳酸菌飲料です。宅配商品の『Yakult(ヤクルト)1000』の店頭向け商品として発売し、大変ご好評いただきました。生産体制の強化を進めるなか、生産設備の導入にあたり、一部で半導体不足の影響を受けたことがございました

こちらのご案内状は、半導体不足が特に話題となっていた、1年以上前のご案内状であると考えられますが、半導体不足も影響し、生産体制強化を速やかに行えず、十分に生産および入荷ができないことについて、お客さまにご説明していたものかと考えられます」


──【衝撃】Y1000、乳製品乳酸菌飲料だった。どうやら増産するための生産設備を整えるのに半導体が不足していますという文言だったようである。しかも、1年以上前の話っぽい。どおりで他のスーパーでは見かけなかったわけだ。

というわけで、Y1000は半導体を部品に使っているわけでもなければ、半導体そのものでもないことが判明した。Y1000でパソコンとかスマホは動かないから気をつけろ

参考リンク:ヤクルト「Y1000」
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.