唯一無二の肉めしで知られた「岡むら屋」が絶滅したのは2021年11月のこと。その約1年後の2022年8月、岡むら屋の遺伝子を脈々と受け継ぐ『肉めし岡もと』が誕生した。最近では埼玉県鶴ヶ島市に5店舗目を出店するなど、なかなか調子はいいようだ。

2023年12月現在、その『肉めし岡もと』が発売しているのが「肉カレー」と「特肉カレー」である。サラッと聞き流してしまいそうなメニューであるが、実物を見れば多くの野郎どもが「これは……!」とド肝を抜かれることだろう。

・攻める岡もと

かつての「岡むら屋」と比較して『肉めし岡もと』の新商品は実にアグレッシブである。今年11月に発売を開始した「親子丼」は骨付き肉がドーンと豪快にのった、かろうじて親子丼の概念が保たれているメニューであった。

そう、岡むら屋の時代から『肉めし岡もと』の絶対的な主役は「肉めし」と決まっている。こだわりの割り下と秘伝のかえしで丁寧に柔らかく煮込まれた肉と豆腐がライスにオン! これぞ俺たちが愛してやまない「肉めし」だ。

その肉めしとカレーを悪びれもせずに堂々と合体させたのが「肉カレー」と「特肉カレー」──。価格は「肉カレー」が979円、沁み染みの大根と煮タマゴが追加された「特肉カレー」が1199円となっている。

どちらもごはん泥棒の肉とカレーを組み合わせるなんて何を考えているのか? 肉とカレーがケンカしちゃうでしょ! もはや『肉めし岡もと』に従来の常識は通じないらしい。

・まずは食べてみよう

というわけでその味を確かめるべく、近所の岡もとに直行! 偶然かもしれないが、記者が訪れた時間はカレーを注文している人が妙に多かった。え、みんな怖くないの? それとももう味を知ってるの?

で、到着した「特肉カレー」は、真っ茶っ茶! 単なるブラウンの世界!! カレーだけでも茶色いのに、肉も完全体の茶色である。福神漬けの赤だけが妙に映えて見えたのは気のせいだろうか?

さっそく食べてみるとカレーはかなり甘口と申し上げていいだろう。もちろん子供向けのカレーほどは甘くないものの、最近主流の “キリリと辛い系のカレー” とはまるで方向性が違う。

その甘いルーと甘めに煮付けられた肉は「相性抜群!」とは思わなかったが、特にケンカもしていない印象だ。おそらく肉とカレーの一体感を演出するために、カレーは甘めに仕上げられているのだろう。

・こういうのが好きなんでしょ?

カレー基準で見ればかなり肉々しいカレーだし、肉めし基準で見れば汁だくだくの肉めしである。ポジティブに捉えれば「肉カレー」は、どちらも1度に食べられる “大人のお子様ランチ” 的な要素があるのかもしれない。

なお、冒頭でお伝えした「埼玉鶴ヶ島店」と「足立入谷店」では限定メニューの「肉まぜうどん」を販売しているそうだ。もう岡むら屋の悲劇は繰り返したくない……! 岡もとにはガツガツと美味しい新メニューを期待しよう。

というわけで、従来の常識に捉われない岡もとの「肉カレー」と「特肉カレー」はなかなかのウマさだから、気になる人はぜひチェックしていただきたい。というか、こういうのが好きな男の人って多いんでしょ? 現場からは以上です。

参考リンク:肉めし岡もと
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.
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