子供向け玩具「ペンギンのタマゴ」で異形の化け物を生み出してから早2年……。

当時はもうあんなキモイペンギンは勘弁と思っていたが、時と共にその気持ちも風化し、今ではあのキモさをもう一度味わいたいとさえ思う自分がいる。人生に刺激が足りてないのかもしれんな。

そんな折にサービスエリアで偶然見つけたのが『NEWびっくりたまご シマエナガ(購入価格550円)』。そう、例のペンギンと同じくタマゴを水中で孵化させて楽しむ子供向けのおもちゃだ。

ペンギンのものと同じ会社が販売しているとあって、いやが上にも期待が膨らむ。こいつは事件の匂いがプンプンするぞぉ……!


・シマエナガのヒナを育てよう『NEWびっくりたまご シマエナガ』

シマエナガというは北海道に生息する小さくて白い鳥。その愛くるしさから各所でさまざまなグッズが展開されているのだが、幸か不幸か「びっくりたまご」の餌食にもなってしまったみたいだ。

一昨年はこのペンギンバージョンに挑戦したのだが、タマゴから生まれたのはおぞましい筋肉オバケだった。

ただ、ペンギンの時はSNSで話題になってるのを見てから試したので、化け物が誕生することはある程度予想できていたんだよね。まぁそれでもキモかったんだけど。

一方、今回のシマエナガは事前情報全く無しで挑むのでガチで怖い。不気味なシマエナガが産まれてくるのはもちろん地獄だが、普通のシマエナガが産まれるのも後々記事にすることを考えると地獄である。

どう進んでも地獄しか待っていない孵化作業、さっそくスタート……!!


・孵化作業初日

まずはタマゴを水の中に沈める作業から。箱から取り出してみると、大きさはSサイズの鶏卵くらい。

シマエナガを無事孵化させるべく、今回は富士山の天然水を惜しみなく注いでみた。名峰富士の栄養分が含まれた水ならば、きっと素晴らしいシマエナガが産まれてくるに違いない……!


・1日経過

特に大きさの変化はなし。水温によって孵化までにかかる時間が少し変わってくるみたいなので、気長に待とうじゃないか。ただ、タマゴの表面がボコボコしてきてちょっと気持ち悪い。


・2日経過

タマゴに亀裂が……! パッケージ横の説明をみると、24〜48時間ほどで殻にヒビが入り、5日~8日で最大サイズに成長するとのことだった。ここまでは順調である。


・3日経過

孵化開始から72時間。昨日よりも大きく亀裂が入り、なんか黄色い部分が見えてきた!

……あれ? シマエナガって別名「雪の妖精」って言われるほど真っ白な見た目をしていた気がする。オレンジ色の部分なんて存在したっけ……?



・一週間経過

仕事が忙しく、そのまま水槽を放置すること1週間。気づいた時にはタマゴが完全に割れ、中からシマエナガらしきものが飛び出していた。

一時はどうなるかと思ったが、この感じからすると孵化は成功しているに違いない……! ゆっくり丁寧に水槽から取り出してみたところ……



あっ…………


1番反応に困るやつだコレ。可愛くないことは確かだが、コイツを不細工と言い切ってしまうのはなんだか気が引ける。なんというか、見た目について言及してはならないシビアなラインのお顔で誕生してしまったようだ。ほんと地獄だな。

産まれる前に気になっていたオレンジ色の部分はどうやら羽だったみたい。調べてみたところ、みんなが想像しがちな真っ白で丸々したシマエナガは羽毛が膨らんだ冬限定の姿。夏は茶色がかった毛が目立ち、身体もスリムに見えるようだ。

つまり、タマゴから産まれたコイツは季節を越えて太り続けた夏のシマエナガということになる。くっそ、ダイエットをすると言いながら肥え続けてる自分を見ているかのようでつらい……!

その後も水につけて置いたところ、顔は歪んだままだが、身体は野球ボールほどの大きさに成長した。水を吸いまくったシマエナガはズッシリと重くヌルヌルしており「妖精」とは程遠い姿に。もはや鈍器である。


もちろんこれはたった一例。個体差はあるだろうから、運が良ければ可愛いシマエナガが誕生することもあるかもしれない。それだけを期待してこの商品を買うのはいかんせんリスクがデカすぎるけどな。

ただ、産まれてきたシマエナガがどれだけブサイクでも、孵化まで見守ったとなると不思議と情が湧くもの。捨てるには忍びないため、しばらくはリビングにシマエナガがいる生活を楽しむことにしようかな。遠目でね。


執筆:まろ
Photo:RocketNews24.