2023年11月29日、人知れず日本に “魔物” が誕生した。魔物の正体はカロリー。現代人が忌み嫌うダイエットの宿敵である。その嫌われ者を限界までぶち込んだのが、ローソンストア100の新シリーズ『THE カロリー』だ。

第1弾の「キャベツメンチカツサンド」と「チョコドーナツサンド」はどちらも余裕の1000kcalオーバー! いや殺す気か!! どう考えてもまともな思考とは思えないが、なぜローソンストア100は『THE カロリー』を産み落としてしまったのだろうか?

・貫禄の1000lcal超え

まずは『THE カロリー』の概要を説明しておこう。『THE カロリー』はその名の通り、カロリーに特化したローソンストア100の新シリーズのこと。第1弾は「キャベツメンチカツサンド(333円)」と「チョコドーナツサンド(300円)」の2商品が発売されている。

気になるカロリーはというと「キャベツメンチカツサンド」が1332kcal(関東)、「チョコドーナツサンド」が1199kcalだというから驚くしかない。一般的な成人男性に必要とされる1日の摂取カロリーをこの2つで補えてしまうのだ。

1つのおかずしか入っていない「だけ弁当」が好調なのはわかるが、これはローソンストア100も「やっちまったな」としか言いようが無い。なぜこんな魔物を……! というわけで、ローソンストア100の広報に問い合わせてみることにした。


・誕生秘話


──単刀直入にお伺いしますが、なぜこんな魔物を作り上げてしまったのでしょうか?

「はい、確かにバランスの良い食事は理想的なんですが、実際はそうもいかないことがあります。時間が無くて “効率よくエネルギーを摂取したい” というシーンも少なからずあるかと思います」

──それは確かに。

「そんな時にこれだけ食べておけば次の食事まで大丈夫、という安心感を得らえる商品として『THE カロリー』が開発されました」

──なるほど。

「弊社の商品開発担当者が現場(店舗)でお客様の行動を観察していたところ、忙しそうな方ほどボリューミーな商品を手に取る傾向が多かったようです」

──ふむふむ。開発の経緯はわかりました。ただ実際に社内で反対などはなかったのでしょうか?

「どうやって売り込むの? といった声は確かにありました。ただ結果的には商品化にGOサインが出た次第です」

──ちなみに100円という価格にはこだわらなかったのでしょうか?

「はい、コンセプトに忠実にカロリーが高くて美味しいものに、カロリーが高くて美味しいものを足していったらこうなった感じです。特に価格の縛りについては意識しませんでした」

──よくわかりました。とりあえず購入して食べてみます……!


要するに『THE カロリー』は魔物として生み出されたわけではなく、むしろ忙しい現代人をサポートする救世主として誕生したようだ。ならば食べてみようではないか、THE カロリーとやらを。

・衝撃のズッシリ感

というわけで店頭で「キャベツメンチカツサンド」と「チョコドーナツサンド」を手に取ったところ、これだけで冷や汗が噴き出てきた。というのも、自分が知り得る「サンドイッチ」及びに「ドーナツ」とは明らかに重さが違ったからだ。

気になり会社で重さを測ってみたところ、



キャベツメンチカツサンド …… 376グラム



チョコドーナツサンド …… 237グラム


そうか、りんご2個分が大体600グラムだから大したことないか……ってバカ! 手にのしかかるズッシリ感は尋常ではなく、早くも臨戦態勢に入らざるを得ない。で、いざ開封してみると……



ギャァァァァアアアアア!!!!!!!


え、なにこんなに詰まってんの? え、なんでこんなにそびえ立ってるの? 流行りのヒルズですか!? もしかしたらカロリーヒルズでも狙ってらっしゃるんですかァァァアアアアア!!!???

・密度がヤバい

……が、悔しいことに味は最高! どこをかじってもぶち当たるメンチカツは当然として、中濃ソースとタルタルソースのコンビネーションは鉄板だ。何より一口かじって飲み込むだけで、体の奥に落ちていく感覚が伝わる密度はとんでもない。

ドーナツもカリカリの食感で、生地が存分に油を吸ってやがる! チョコレートとホイップクリームの相性が悪いワケがなく、こちらも一口ごとに「ここを通ってるな」と伝わってくるボリュームは圧巻だ。

また、どちらも1つ食べ切れば満腹になること間違いなしなので、1食の食事として考えればコスパはかなり高いのかもしれない。シチュエーションによってはとんでもない罪悪感が襲ってくるが、逆に『THE カロリー』に助けられることもあるハズだ。

当初は「殺す気か!」と思った『THE カロリー』だが、ローソンストア100はむしろ「生かす気」で『THE カロリー』を誕生させたようだ。魔物なのか、救世主なのか? 全てはあなたの使い方に委ねられている。

参考リンク:ローソンストア100
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.
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