まずはお詫びしたい。2023年10月6日より期間限定で販売開始となった「かつや」の新メニュー『牛バラ焼きとロースカツの合い盛り』について、詳細をお伝えするのが遅くなってしまった。

熱心な “かつや者” の中には、発売当日に記事が出なかっただけで「どうした?」「今回はスルーか?」と催促っぽいことを言ってくる者も少なくないが(落ち着け)、遅ればせながら私(あひるねこ)も食べてきたぞ。

で、肝心の感想だが……その前に一つ言わせてほしい。“あの件” について、どうして誰も言及していないのか?

・かつや新商品

「かつや」の定番 “合い盛り” シリーズ最新作は、牛 vs 豚のマジ異種格闘技戦である。丼は税込869円、定食は税込979円となっており、それぞれテイクアウトも可。その全貌が……


こちらだ!

・強豪対決

左に陣取るのはお馴染みのチキンカツ……と思いきや、なんとロースカツ。合い盛りシリーズに登場するのは昨年9月以来、約1年ぶりである。“かつや者” としては見逃せないポイントだろう。


対する牛バラ焼きも、見るからに味付けが濃い強者オーラを全方位に放出している。これは熱く激しい超ド級の死闘になること必至ッッ。本年度最高最強のベストバウト確定かァァァァアアア!?


いやちょっと待て。


試合に水を差すようで申し訳ないが……


猛烈な違和感というか……


ちょっと意味が分からないというか……


これ、見えてるの私だけか……?


気になってもう食事どころではない。


ので……


どうかこの場を借りて指摘させてほしい。


お前何なんだ!!!!



・意味不明

今、まさに世紀の異種格闘技戦をおっ始めようとしているロースカツと牛バラ焼きの上に、どういうワケかちょこんと乗っかっている緑色の物体。そう、まさかの獅子唐(ししとう)である。繰り返す。シシトウさんソロ参戦である。え、何で?

あまりにも唐突すぎて理解が追い付かないぞ。このシシトウ、入って来る教室を間違えていやしないか? 店員さんのオペレーションミスを疑うレベル。「今日は何かのお祭りですか?」じゃないんだよ。今から豚と牛のしばき合いなんだよ。ダメだろ、中まで入ってきたら。


この件については事前に公開されたプレスリリースにも何も書かれておらず、「かつや」が何を思ってシシトウを1本添えてきたのかは不明である。口直し……ということなんだろうか? いやお前、メニューの9割が茶色のくせに今さら何を言ってんだよ。

ところがSNSの反応を見てみると、「差し色」だの「アクセント」だの「ワンポイントの彩り」だの、肯定的な意見しか確認できない。この謎のシシトウに疑問を呈する者は皆無である。私が言うのもなんだが、「かつや」に訓練されすぎだろ。



・本題へ

おっと、いろいろ衝撃すぎて大事なことを書いていなかった。主役はシシトウじゃねぇ。ロースカツと牛バラ焼きだ! 話を戻すぞコラ!! というワケで牛バラ焼きであるが、まあ相変わらずのご飯誘導マシンぶりですこと。危険極まる鬼性能よ。


ニンニクが効いた甘じょっぱく濃厚なタレは、タレ単体でご飯が食べられるほど分かりやすくザ・野郎フレーバー。我々が何を求め、何を欲しているのかを知り尽くした名采配と言えるだろう。

もちろんロースカツだって負けてはいない。牛バラ焼きの濃い~味付けに一歩も引かないどころか、むしろその存在感をより強烈に感じさせてくれる。さすが「かつや」の絶対エースと言ったところか。抜群の安定感である。


よって個人的には、こたびの大一番は完全ドロー。ここまで実力が拮抗した合い盛りシリーズは珍しいかもしれない。強引に『はじめの一歩』で例えるとするなら、一歩 vs 千堂(2回目)くらいの名勝負であった。めっちゃいい試合やな!



ただ、一点だけ注文をつけると、もう少しボリュームがあってもよかったように思う。牛バラ焼きの量を考えるなら、対戦相手はチキンカツくらいボリューミーじゃないと “かつや者” には物足りないだろう。

いつもは食べている途中にやや苦しくなってくるのだが、今回は驚くほどするっと完食できてしまった。まあ、そっちの方が正解だとは思うが、ここは「かつや」ですからね。あえて書かせていただいた次第だ。


以上、シシトウ登場によって混迷を極めに極めた『牛バラ焼きとロースカツの合い盛り丼』の詳細についてお伝えした。言いたいことは大体言ったので私も悔いなし。それではまた次回お会いしましょう。さようなら……



──と思ったけど、申し訳ない。あと一つだけよろしいか。実は今回の新メニューは「ポークトーバーフェス」という、アメリカで10月に開催される食の祭典がモチーフになっているらしい。

・豚フェス

豚の飼育が盛んなアメリカ中西部では、大地の恵みを受けて育ったポークを家族や仲間と囲んでお祝いするんだとか。ポークトーバーフェスと本商品について、「かつや」はこのように語る。


かつや「サクサクやわらかボリューム満点『かつや』の新作『牛バラ焼きとロースカツの合い盛り』で、ポークトーバーフェス気分を楽しめます」


…………。


だったらどっちも豚にしろや!!!


– 完 –


参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

★「かつや」関連の記事はこちら → シリーズ「かつや激闘集」

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