全国各地の料理が食べられる東京。長崎出身の私が無性に恋しくなる地元の食べ物が「ミルクセーキ」である。

「ミルクセーキ」と言っても、長崎県のものと、他県のものでは全然違うのだ。長崎のミルクセーキは半分凍っていて、ドリンクというよりアイスのようになっている。全国にあの半シャリのミルクセーキが広まればいいのに……と常日頃から思っている。

東京であのミルクセーキが食べられる店がないか調べたところ、秋葉原の「長崎トルコライス食堂」なる店を発見したのだが……。

・トルコライス専門店

「長崎トルコライス食堂」は名前の通り、長崎名物「トルコライス」の専門店である。

知らない人のために説明すると「トルコライス」は一つの皿の上に、カレーピラフとナポリタン、トンカツなどがセットになった、大人のお子様ランチ的な食べ物である。長崎の喫茶店で扱っていることが多く、ガイドブックにも名物としてよく載っている。

これまた、長崎だけじゃなくて全国で発売すればいいのに……と思うメニューのひとつである。

「長崎トルコライス食堂」は「トルコライスは自由である」というモットーをかかげ、トンカツやハンバーグ、コロッケなどいろんな組み合わせのトルコライスを展開している。

今回はせっかくなので、看板メニューの「スペシャルNAGASAKIトルコライス」(1600円)と「ミルクセーキ」(セット料金700円)の長崎名物をダブルで注文。

トルコライスはサラダもセットになっていて、彩りもよくて美味しそう。少食の人向けに、ナポリタンとピラフの量を減らすかわりにサラダを増やした形でオーダーできる。

ナポリタンとピラフを減らしてもらってもこのボリューム感! 


エビフライ&トンカツに……


小さめの和牛ハンバーグ


味の濃い食べ物が集まっているぶん、全部が美味しく食べられるように、トンカツにソースはかかっておらず、薄めのカリカリに仕上げてある。サクサクのカツが美味しい。


ちょっとだけ入ったナポリタンの甘さや……


カレーピラフのスパイシー感もいい感じに食欲をそそる。最後まで美味しく食べられた。



・ミルクセーキが絶品

さてお待ちかねの「ミルクセーキ」である。

長崎の「ミルクセーキ」は半シャリになっているのが特徴。パフェに使うような柄の長いスプーンがついていて、すくって食べるのだ。

ミルクと牛乳のコクのある甘さに、シャリシャリした食感がめっちゃ美味しい。なんでこれが全国でスタンダードにならないのか全然分からない。ていうか普通の喫茶店で飲み物の「ミルクセーキ」を扱ってるところ自体、めっちゃ少ないよね。


・他のデザートもビックリ

実はデザートを選ぶとき、私は死ぬほど迷った。

たとえば居酒屋なんかで地元の名前を冠した店があっても、地元民的にはあまりピンとこないものが置かれていることも多いと思が、ここは長崎名物のアレコレがめっちゃあるのだ。

ガチで地元民が食べているものが置いてあるというか。

そのひとつが梅月堂の「シースクリーム」。以前、姉妹サイトのPouchで紹介されたこともあるのだが、長崎独自のカスタードと桃の缶詰などがのったケーキである。

ランチにつけられるデザートセットには「カステラ」と、ゆうこうサイダーが選べるようになっている。

よく見たら、使っている食器も長崎の波佐見焼で人気の商品だし、置いてある雑誌も長崎のタウン誌である。長崎の繁華街、浜の町アーケードにいるような気分になるほど、ここは完全に長崎である。

たとえるなら、アメリカで日本風のレストランに入ったらデザートに「ガリガリ君」とか「まるごとバナナ」があったような感じとでもいえばいいのか……。



・運営してるのは長崎の企業だった

店に置いてあるものが、長崎で実際に見かけるものばかり。思わず「店主の方が長崎の方なんですか?」とお店の方にうかがったところ……

「店長は長崎出身で、運営しているのも長崎の企業なんです」と答えてくれた。気になったので企業名を聞いてみたところ「タナカヤさんです」という答えにビックリ。

タナカヤは地元民なら誰もが知ってる長崎の老舗ファッションビル。まさか東京の秋葉原で名前を聞くとは思わなかった。なるほど、昔から繋がりがあるから梅月堂のシースケーキも置けるのね……。

今度から、故郷が恋しくなったらここに来よう……。というわけで、都民にはもちろん、長崎出身者にもガチでオススメできる店であった。


・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 長崎トルコライス食堂
住所 東京都千代田区神田練塀町8-2 CHABARA 内
営業時間 11:30~21:00(L.O20:00)
定休日 不定休


参考リンク:X (@TorukoRiceAKIBA)
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.