島だらけで北海道の次に海岸線が長い長崎。
長崎で有名な島といえば、五島列島、壱岐、対馬、そしてなんといっても世界遺産となった軍艦島だと思う。
今回紹介するのは県外の知名度は高くないが、実は長崎市内の人間はめちゃくちゃ行ってる「伊王島」という島である。
ちなみに、読み仮名は第二次世界大戦の激戦地として有名な「硫黄島」と同じ「いおうじま」だが、全然違う島である。
なんと長崎市内から船で15分ちょっと、しかも運賃680円で行ける素晴らしいリゾート島なのだ。
・リゾートの島、伊王島
伊王島は軍艦島や高島と同じく、炭鉱で栄えた島であった。1972年に炭鉱が閉山したのだが、長崎港から10kmほどしか離れていないという好立地もあって、バブル景気を経て平成に入ってからリゾート化が進んだ島である。
同じ炭鉱の島でありながら急激に忘れられた「軍艦島」とは対照的な存在かもしれない。
実際、私が小学生の頃(1990年)に「ルネッサンス伊王島」というスペイン風のリゾート施設と海水浴場ができて、家族総出で泊まりに行った写真がある。スペインをイメージしているため、白壁にオレンジ色の屋根の建物が多い。こういう洋風リゾートって、平成のザ・第三セクター建築って感じがする。
伊王島は「エンジェルアイランド」というテーマソングまで作られ、地元テレビ局の天気予報で流れたりと、それはすごい力の入れようであった。
……が、ときはすでにバブル崩壊。その後、何度も伊王島のリゾートホテルの経営は変わり、一時はどうなるかと危ぶまれていた。
数年前に i+Land nagasaki(アイランド ナガサキ)として、建物を活用してリニューアルされたのだが、これが大当たり。
温泉あり、アクティビティあり、BBQあり、海水浴場あり、サウナありのおしゃれなリゾート島になって復活したのである。
・自動車でも行けるけど船がおすすめ
ちなみに、伊王島は数年前に長崎市とつながる伊王島大橋が架けられたので車でも行けるようになった。
しかし、市街地からは船で行くほうが断然早いし、なにより船旅が面白い。
船の便数もまあまあ多いし。20分、680円で島に行ける、この手軽な別世界感が大事なのだ。(ちなみに、五島列島へはフェリーで3時間、5000円ほどかかる)
伊王島行きの船が出ている長崎港は、長崎駅からも中華街にあるバスターミナルからも徒歩10分くらいとアクセス至便。なんなら中華街でちゃんぽん食べたあとにフラッと島に行くこともできる。
・3つのエリアからなるアイランドナガサキ
伊王島は一周7.8kmという小さな島。
港を中心に、湾岸地域は海水浴場のコスタ・デル・ソルとアイランドナガサキまでほとんどつながっている。
徒歩でも移動できるけど、10分ごとに循環バスが走っているので移動はラク。アイランドナガサキはホテルやコテージもあるけど、日帰りでも十分たのしめる。
アイランドナガサキは3つのエリアに分かれているのだが、その3つ全部に温泉やスパがあるのだ……!
今回はアークランドスパという、露天風呂と温水プールスパ、BOOK&岩盤TERRACEという休憩所、海鮮丼のレストランがあるエリアを中心に楽しんだ。
ちなみに入場料は温水プールエリアを入れても1000円前後。
別料金でテントサウナにも入れる。
1時間2980円(2時間4980円)で貸し切り。セルフロウリュもできて、この料金はすごく安いと思う。ちなみに、200円で水着も借りられるので心配いらない。
プライバシーの配慮もあってオーシャンビューではないんだけど、潮風に吹かれてととのう時間は最高であった……。
露天風呂からは海が見えるんだけど、湯船から立ち上がると海にいる人から裸が見えちゃうので要注意。湯船に浸かりながら移動する感じ。まあ、島ならではのおおらかさってことで。
レストランでは海鮮丼とアラ汁の定食をのどかな海を見ながら格安で食べられる。
長崎は海産物が豊富だから、刺身が美味しいよ〜。時期によってはヒラメが安く食べられる。
レストランの窓から見える砂浜ののどかなことよ。
ちなみに、他のエリアにはドッグランとかBBQエリアとか、美味しいパンやさんとカフェのエリアがある。長崎にこんなオシャレなところが……と震えた。
そこらじゅうにベンチとかハンモックが置いてあるので、ボケ〜としててもOK。
・オシャレさと、のどかさの共存
……え、ロケットニュースの情報にそんなオシャレなものは求めてないって?
チッチッチッ!アタシだって、ただオシャレな島だったら紹介しませんよ。
伊王島の良さ、それはリゾートエリアを一歩離れるとめちゃくちゃのどかな島の風景が広がってるってこと……。
特に有名なのが伊王島の海を見下ろす馬込教会。
鉄筋コンクリート造りの白亜の教会が島のシンボルになってるのです。坂道をとっとこ登っていって、教会から見る海の美しいことよ。
伊王島は魚釣りスポットでもあるので、魚釣りをしているおじさんたちもたくさんいる。
子供は海水浴や温水プールで遊んで、奥様は岩盤浴や温泉を楽しみ、お父さんは魚釣りを楽しみ、ぼっちはのどかな島を散歩する。とにかく、アウトドア派でもインドア派でも、陽キャでも陰キャでも楽しめる島なのだ。
そして、島のホテルはバリアフリー対応の部屋や、子供が騒いでも大丈夫なロッジ、ペットも泊まれる部屋と、いろんな人が楽しめるようになってる模様。
繰り返すけど、島までは船で20分、運賃は680円。日帰り温泉だけでも楽しめるのでぜひ。帰省のたびに伊王島に行ってる私が言うんだから間違いないっす。
参考リンク:i+Land nagasaki 、長崎市観光サイト
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
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