日本で独自の進化を遂げた料理は数々ある。中華なら餃子や天津飯、洋食ならカレーライスやオムライス。食堂で定番とされるメニューのほとんどが、日本の食文化に合うように形を変えている。その集大成とも呼ぶべき料理「トルコライス」をご存じだろうか? スパゲッティやピラフなどがひと皿に盛り付けられた料理で、長崎のご当地グルメの1つである。

そんなトルコライス専門店を「インド定食 ターリー屋」が新業態として手掛けているのだ。インドのお店がトルコ? ややこしいのだが、実はトルコライスはトルコ料理ではなく、別の理由でその名前が付けられているという。どういうことなのか? とりあえずトルコライスをテイクアウトしてみた!

・トルコライスといえば

トルコライスといえば、私(佐藤)は2013年に九州最古の喫茶店「ツル茶ん」でその本場を食べたことがある。トルコ風トルコライス(正式名称:ヴェリートルコ)という一風変わったトルコライスをいただいた。今回紹介するのは、東京・中野の『キッチンJUMBO』。西早稲田に続く2店舗目として、ターリー屋が手掛けた新業態のお店だ。


トルコライスの定義は定かではない。一般的にはピラフ・スパゲッティ・トンカツが1皿に盛られているものを指すようだが、カレールウがかかっている場合もある。実際ここもメニューを見てみると、種類がかなり豊富。



これを見ると、人気洋食を集合させたものをトルコライスと考えていい気がしてくる。なにせ、トルコライスは「大人のお子様ランチ」とも呼ばれているのだから。


・ワンパクだな、このヤロー!

今回持ち帰ったのは、サーロインステーキ&エビフライトルコライス(1090円)である。ご飯の量はレギュラー(200グラム)から下はスモール(100グラム)、上はジャンボジャンボ(500グラム)まで5段階で選択できる。私はレギュラーで持ち帰った。

容器のフタを開けて中身を見たとき、私の頭には1つの言葉が浮かんだ。「ワンパク!」だと。


なんてワンパクなメニューなんだ。あれも食べたい、これも食べたいを形にしたものがトルコライスなのだろう。ステーキがある、エビフライもある、さらにカレーもスパゲティも。欲張りとはこのことを言う。食いしん坊だな、このヤロー!


今は事情が事情だけに、持ち帰ることを選択したが、出来ればワンディッシュにすべてが盛られているところを見たかった。洋食のオールスター、音楽で例えるならウッドストック・フェスティバルだ。ジミヘンもジャニスもサンタナもいる。それらが弁当箱の仕切りなく、ひとつのステージに立っていることを想像しながら食う!


最近は外食できず、食事のモチベーションが上がらないという人は、自作トルコライスに挑んではいかがだろうか。手間をかけて作るのも良いが、食べたいものを買ってきて、ワンディッシュに豪快にドーン! 「ハンバーグはジミヘン、から揚げはジャニス。明太子はザ・フーだ」なんて言いながら盛り付けると楽しくなるぞ!


ちなみにこのトルコライスのグレイトフル・デッド(スパゲッティのこと)は、かなりボリューミーだった。見た目に量が少なそうに見えたが、意外と多く、食い甲斐があった。


・トルコの由来は?

食べ終わる頃にふと気になった。なんでトルコなんだろう? 「東洋と西洋の架け橋の国、トルコをイメージしたもの」とする説を聞いたことはあるが、諸説あるらしい。そういえば、JUMBOの入り口にもトルコライスの由来が書いてあったのを思い出した。そこには「諸説ありますが」と断ったうえで、こう書かれている。


「トルコライス = トリコロールライス

そうです、3種類のおかずが乗った定食のことです」


なるほど、そんな説があったのか。そしたら、それ「トリコライス」じゃない? みんなを虜にするトリコライス。なんちゃって♪


……とにかく、外出自粛で気が滅入っちゃうという人は、せめて華やかな食事で気分を盛り上げてみてはいかがだろうか。


・今回紹介した店舗の情報

店名 キッチンJUMBO 中野店
住所 東京都中野区中野5-66-8中野サンモール1階
営業時間 11:00~22:00
定休日 なし
※ 営業時間、休業日は変更になる場合があります

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

日本、〒164-0001 東京都中野区中野5丁目66−8 サンモール 1階